★ピックアップレース★
10月2日中京4R 3歳上1勝クラス ダ1200m良
注目馬:2エールソヴール
─みねたさんといえば、かつて大手サイトで大幅なプラス収支額を達成。素晴らしいご活躍でした。それだけに、予想の世界に戻ってこられて(10月16日より『競馬放送局』にて予想提供開始)、玄人筋の馬券ファンを中心にネットは沸いていましたよ。
みねた) 大手サイトでの予想配信には達成感はありました。でも、まだ伝えていなかったことがあります。今回改めて、皆様に競馬の考えを発信しようと思うに至りました。こういう場を用意してくださって、とても感謝しています。
─こちらのコラムでは、「みねたの金言」と銘打ちまして、今までほとんど予想理論の詳細を明かしてこなかったみねたさんを丸裸にしたいと思っています。具体的には、実際に亀谷競馬サロン、『競馬放送局』で発表した推奨馬を振り返る形で、みねたさんの理論に迫っていく予定です。
みねた) 私は20年以上、馬券で勝つことを強く意識して競馬に取り組んできました。そして行き着いたのが「期待値の追求」であり、「展開分析」でした。この考え方は、馬券を買い、結果だけを追い求めていたただけの頃は、世に出そうとも思いませんでしたが、予想の結果だけではなく「予想を体系化して楽しむ過程」をファンの皆さんと共有してもいいかな?と思うようになったのです。そこは亀谷競馬サロンの考え方に共感もしています。
このコラムで「競馬の気づき」を体系化していき、皆様に発信、交流することで、自分自身も刺激をもらい進化していくことに期待しています。
─では早速、第1回目を始めていきましょう。初回ということで、予想公開前のレースとなりますが、10月2日中京4Rを取りあげたいと思います。3歳以上1勝クラスのダート1200m戦で、みねたさんが穴馬として推奨していた2エールソヴールが7番人気2着でした。この馬を推奨するに至った、みねたさんの思考を教えてください。
みねた) プロフィールにも記したのですが、私は「展開」という概念を重視しています。そして、私の理論の根幹として「逃げ馬のすぐ外の馬は恵まれやすい」という考えがあります。
─「逃げ馬の外」ですね。その理由を教えていただけますか?
みねた) 逃げ馬が前に行くと、外側の馬にとっては内側にもう一頭分の進路ができる、つまり選択肢が増えるんです。同じ脚質の馬が並びで入ると、出たなりでスタート五分なら並んで走ることになります。より良い位置を取りたいと思ったら、ポジション争いが生じます。すぐ内の馬が逃げたらポジション争いをせずに内に潜り込みやすくなります。
─確かに、外の馬が前に出ようと思ったら押していくし、前に出られたくなかったら内の馬も応戦しますよね。ただ、進路が増えるという意味では、逃げ馬の内側の馬も同じだと思うのですが?
みねた) 内側に空間があるのと外側に空間があるのでは、そもそもメリットの大きさが違いますよね。道中は外に出すより内で脚を溜める方が距離ロスが少ない。そして何より、逃げ馬は内に切り込みながら走るので、その内側の馬はスムーズに位置を取りにくくなります。特に外枠の場合はそれが顕著ですね。
─前に入られて手綱を引っ張る、ということですか?
みねた) 引っ張るというよりも、「出たなりで位置を取れない」という表現の方が適切でしょう。競馬というのは1000m以上走ってハナ差という競技じゃないですか。だからこそ、スタート直後に僅かにスピードを加減したというレベルでも、結果に影響すると思っているんです。
─いかに、馬の気分を害することなく、直線を迎えることが重要なんですね。
みねた) そういうことです。ハナ差で一つ当たるか当たらないかが長い目で見た時の収支で大きな差になります。話を中京4Rに戻すと、このレースにおける逃げの最有力候補は1レーヴリアンです。1000mでハナを切っている馬なので、今回の1200mならば、よりハナを切る可能性は高まりますよね。また、過去のレース内容からも、スタートの反応がいい馬なので出遅れる心配もほとんどありません。必然的に、すぐ内側のこの馬が逃げてくれれば、2番のエールソヴールはスムーズにレースの流れに乗りやすくなります。
しかもこのレースでは、単純に「逃げ馬の外」というだけではなく「逃げ挟みの追い込み馬」という、より狙いやすいパターンに当てはまっていました。
─また新しいフレーズが出てきました。「逃げ挟みの追い込み馬」ですか。
みねた) このレースは3番のスズノナデシコも先行タイプなので、2エールソヴールは両脇を逃げ先行馬で挟まれていました。逃げ先行馬に挟まれた馬、とりわけ追い込み馬は期待値が高くなりやすく、私は「逃げ挟み」と呼んでいます。
─逃げ馬の内側は不利だとおっしゃっていましたが?
みねた) 逃げ馬の内側は確かに被されるリスクがあるのですが、逃げ挟みのパターンだと内側に1頭分のスペースがあるので、そのリスクが軽減されます。そして、逃げ馬が外にいるということは、道中で追い込み馬である自身の外側に馬がいない確率は上がります。追い込み馬にとって、スムーズに外に出せるかどうかは大きなポイントで、「逃げ挟みの追い込み馬」だとその確率が高まるわけです。
是非、パトロールビデオを見て欲しいのですが、このレースのエールソヴールは外に持ち出す時に誰にも邪魔されていません。4コーナーで「もらった」と確信させるコーナリングでした。
─話を伺うと納得なのですが、これまであまり枠の並びを意識したことはありませんでした。
みねた) 枠の並びは重要ですよ。今回お話しした「逃げ挟み」は分かりやすいパターンで、実際に私もまずはここからチェックしています。神戸新聞杯のステラヴェローチェもこれに近い形でしたし、人気になってしまいましたが先週土曜阪神6Rのアルーブルトも典型的な「逃げ挟みの追い込み馬」でした。また、「逃げ挟み」は応用パターンも色々あるので、追々、このコラムでお伝えしていきますね。