★有馬記念の回顧★
馬券的にはエフフォーリア抜けで不的中でした。パンサラッサが逃げてタイトルホルダーが2番手で控えるという想定通りの隊列になり、残り800mから追い上げていくロングスパート戦になるというのも予想通り。
ただ、勝負どころでクロノジェネシスがエフフォーリアに被されて動けず。蓋をしながら動いていった横山武史騎手の手腕がお見事でしたし、それに応えて最後まで伸びたエフフォーリアが思った以上に強かったです。
印を打った馬たちが2~5着を占めているように、スタミナが問われる一戦になったのですが、スタミナ比べでもエフフォーリアが上回りました。皐月賞にしてもダービーにしても、勝負どころでタメてからの切れ味勝負というイメージで、道中動いていく競馬は未知。それで単勝オッズ2.1倍でしたから、嫌うという選択自体は間違っていなかったと思います。
強いと言われる3歳馬が実際に結果を残した有馬記念。来年も主役を担っていくのは間違いありません。出遅れながら4着まで押し上げたステラヴェローチェ、大外枠、乗り替わりと不利な条件の中で5着に粘ったタイトルホルダーも、来年は一層の飛躍が見込めそう。2強の間を割ったディープボンドも、さすがのスタミナをみせ、主戦場の長距離戦線では中心的存在になるでしょう。
■みねたの金言10
『単体の期待値と組み合わせの期待値は違う』
★ピックアップレース★
12月18日中京4R 2歳未勝利 芝2000m稍重
注目馬:3アランヴェリテ、7サトノドルチェ
買い目
単勝 3 2000円
複勝 3 3000円
馬連 3・6―1・2・3・6・7・9 各300円
三連複 3―6・7―1・2・6・7・9 各300円
─前回のラスト、「単体で期待値の高い馬同士を組み合わせても、それが期待値の高い目になるとは限らない」に関する反響が大きくて。「いずれまた」では済みそうにないので、続けてお伺いすることにしました。
みねた) 面白いテーマですよね。これは、今の競馬界ならではの傾向だと思うので。
─簡単にまとめておきましょう。12月19日中京6Rでみねたさんは8番人気1着だった1キュムロンニンバスに◎で単複的中。差し有利想定での狙いで、似たタイプの穴馬に14ヒロシゲペッパー(10番人気)がいたのですが、結局、みねたさんはこの馬との組み合わせ(馬連1-14)を買い目に含めませんでした。
みねた) 1も14も馬個体で期待値が高いパターンです。でも、その馬同士を組み合わせた馬連の期待値が高くなるとは限りません。
─実際、8番人気と10番人気の組み合わせで、馬連は94.1倍でした。単複に比重を置いた、みねたさんの買い目の方が絶対にお得だと思います。
みねた) この馬連、昔はもっとついていたと思います。これは期待値の高い馬を抽出するタイプの予想家が増えている影響でしょうね。期待値の高い馬同士のボックスを買っている人も多いのではないかと、僕は想定しています。
─なるほど。確かに今や、SNS等で手軽に予想を発信できる時代ですが、穴馬を何頭か挙げるスタイルは多いですもんね。
逆に「馬連が意外についているな」と思ったのが、12月18日中京4Rでした。このレースは、◎3アランヴェリテが2番人気1着、○7サトノドルチェが4番人気2着で、参考買い目で◎の単勝2000円、複勝3000円、馬連300円の的中となりました。
みねた) アランヴェリテが単勝2番人気の4.7倍だったのは参りましたね(苦笑)。このレースに関しては、内枠有利のコース形態に加え、金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」の通り、他の先行馬から離れていた3と7が競馬がしやすいだろうな、というのが出発点でした
─前走、道中で3番手以内を記録していた馬は、1、3、7、13、14でした。そうなると、逃げ挟みの2ワイズマンも気になりますが。
みねた) そこは単純に期待値の問題です。前走0.3秒差5着というのも悪くありませんが、前走9番人気50.7倍から今回は3番人気7.0倍になるので、それが見合っているかどうかの判断ですね。前回お話ししたキュムロンニンバス(12月19日中京6R)の8番人気13.0倍なら期待値は取れそうだから◎にしたけれど、この馬の3番人気7.0倍は軸にするほど期待値は取れないと考えました。
─3と7の比較では、枠が内の分、3を上に取ったということでしょうか。
みねた) もちろん、前有利と見越しているので、内の方が先手を取りやすいというのはあります。でも、このレースに関しては人気面ですね。7の方が人気になって、3は単勝14~15倍あると見込んでいました。
─7は前走1400mからの3ハロン延長でした。一般的に距離延長の方が回収率は出にくいと思うので、先ほどお話しされていた「期待値の高い馬を抽出するタイプの予想家」からは軽視されていたのかもしれません。
みねた) それはあるかもしれませんね。自分の場合は、展開と期待値を組み合わせて考えます。前が有利なレースなら距離延長だと位置を取りやすいので距離延長馬は狙い目ですし、先行馬が揃っていると前崩れになりやすいので距離延長馬は狙いにくい。結局は、メンバー構成、相手関係を見極めて、距離延長を取るか、距離短縮を取るか使いわけが必要ですね。
─レースは、目論見通りの前残り決着で、3-7の馬連は22.5倍でした。
みねた) 3アランヴェリテ単体で考えると単勝4.7倍は売れ過ぎですが、3-7と組み合わせた時に20倍超あるなら、期待値は取れますよね。大事なのは、「組み合わせにした時にオッズがどう出るか」です。
─このレースは2番人気と4番人気、単勝4.7倍と7.7倍の組み合わせで22.5倍。一方、12月19日中京6R の方は8番人気と10番人気、単勝13.0倍と21.1倍の組み合わせで94.1倍。ついつい単勝オッズだけで判断しがちですが、組み合わせによって「つき過ぎ」「つかな過ぎ」の目がたくさんあるもんなんですね。
みねた) そうなんです。だから、ギリギリまでオッズを確認できる人は、しっかりチェックしてください。このレースも、さすがに3は売れ過ぎなので、オッズを確認した上での直前配信なら、7を軸にしていたと思います。むしろ、6から馬連は必要ないレベルだったかもしれません。
─6からの馬連を指定しているのも、面白いと思っていたんですよ。
みねた) こちらは買い目トータルでの期待値の問題になります。安定して利益を生むための工夫とでもいいましょうか。
─また、意味深なコメントですね。これもまた長くなりそうなので、稿を改めましょう。さて、2021年の『みねたの金言』の更新はこれで最後となります。
みねた) まずはこのような素晴らしい予想提供の場所を提供してくださった亀谷さんに感謝したいです。これまで、買い目を出すだけで見解を示すということをしてこなかったので、まだ不慣れな部分はありますが、少しでも自身の考えを理解していただき、来年も競馬を楽しんでもらえたら嬉しいです。