★今週の重賞ピックアップ★
4月10日阪神11R 桜花賞(芝1600m)
桜花賞は阪神芝1600mで施行されます。初角となる3コーナーまでは444mで、ポジション争いにおける枠の内外の不利はあまりありません。ただ、先週の大阪杯をみる限り、道中でずっと外を回る形は厳しそう。敗因は一つではないでしょうが、エフフォーリアも道中で外を回っての敗戦でした。道中で内を通ることが重要なので、枠順の並びが大きく勝敗の鍵を握ることになるでしょう。
このコラムでも何度か指摘した通り、GIレベルでの争いでは、差せることがアドバンテージになります。各馬が全力で勝ちにくる舞台で、目標になりながら勝ち切るのは大変なのです。馬場傾向も加味すると、ここはある程度前に行って、そこから脚を使えるタイプに分がありそう。具体的には6番手ぐらいから脚を使うイメージです。
人気どころでは、好位からしっかり脚を使っているサークルオブライフがイメージに合致する存在。フィリーズレビューを9番手から差して2着したナムラクレアも、1ハロン延長の今回は、ちょうど6番手あたりに収まりそうです。フィリーズレビュー組が振るわないレースではありますが、この馬は阪神JF5着という実績もあり、7番人気前後という想定人気通りなら、十分に狙えます。
ラブリイユアアイズは、印4頭にとどめた阪神JFで印を打った1頭。その阪神JFがまさに6番手からしっかり伸びての2着でした。阪神JFと桜花賞は同舞台。施行時期の関係で桜花賞の方がややスピード対応力が求められますが、根本的な狙い方は変わりません。したがって今回も、当然、この馬には注意が必要です。
2戦2勝のプレサージュリフトは、賞金を上積みしたいクイーンCでも初戦同様の後方待機策で勝利。この戦法を取れること自体、陣営の、この馬に対する大きな期待が窺えます。脚質的に有利とは言えませんが、能力的に克服する可能性を秘めており、そこはオッズとの相談になるでしょう。
一般的に期待値を取りやすいのは「これまで差してきた馬が位置を取った時」。今回、プレサージュリフトがそのパターンに合致する可能性もあります。同様に、フィリーズレビューで11番手からの差し切り勝ちを決めたサブライムアンセムも、引き続き、オッズ次第では期待値が取れるでしょう。
1番人気が想定されるのはナミュール。能力の高さは疑いようがありませんし、チューリップ賞ではゲートも改善し、進境を見せました。とはいえ、先週のエフフォーリアの例を出すまでもなく、1番人気に応えて勝つのは簡単ではありません。ましてやフルゲートのGI。消せる馬ではないですが、過信は禁物です。
【当日注目馬】
1ナムラクレア
3アルーリングウェイ
6ウォーターナビレラ
7サブライムアンセム
11ラブリイユアアイズ
16サークルオブライフ
阪神牝馬Sを見る限り内を通った人気薄の馬が伸びていて桜花賞も馬場のいい内をつける馬が穴狙えます。内枠に入った馬群を割って走る経験をした事のある馬は注意が必要そうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言23
『「何もしていない馬」ほど期待値が取りやすい』
★ピックアップレース★
4月2日阪神7R 4歳上1勝クラス(ダ1200m良)
注目馬:5ロードサージュ
3月27日阪神7R 3歳1勝クラス(ダ1200m稍重)
注目馬:7シホノディレット
─先週は土曜阪神7Rでロードサージュが9番人気1着(単勝30.6倍)、3月27日の阪神7Rではシホノディレットが10番人気1着(単勝75.3倍)と、『競馬放送局』で公開している「軸、穴候補」に挙がっていた馬たちが毎週のように波乱を演出しています。これまでは「勝負レース」中心にお話を伺ってきたので、今回は「軸、穴候補」について整理させてください。早速ですが、「軸、穴候補」とは、どういった存在でしょうか?
みねた) 一言で言えば、(予想段階の)午前2時時点でのオッズをみて、回収率を取れそうだと判断している馬たち、です。ここからオッズが変動するので、勝負に値するか否かは、直前情報も参考にして精査する必要があります。
─「勝負レース」に準ずる存在というイメージでしょうか?
みねた) 勝負レースは、経験上、好走率と回収率のバランスの取れていてある程度のオッズの変動も耐えられると判断した馬を選ぶことが多いです。それに対して、「軸、穴候補」の場合は、純粋に回収率が取れると判断したら掲載しています。とはいえ、勝負レースを選ぶために全レースをチェックして、その上で浮かび上がってきた馬たちなので、その精度に自信はありますよ。
─ちなみに「軸、穴候補」とありますが、「軸」と「穴」の違いはどこにありますか?
みねた) 単勝オッズ10倍以下の人気馬の場合は、「軸候補」としての意味合いが強いです。以前にもお話したことがありますが、10頭立てのレースでも、単勝は10通りですが、馬連なら45通りになるので、組み合わせで期待値を追うことができます。つまり、期待値が取れそうな軸馬から馬連を使うことで十分に利益が出せるので、その軸馬候補として紹介しています。
─なるほど。「軸、穴候補」には説明がないので、なぜその馬が選ばれたのかを考えるのが楽しみで、理由が推理できる場合とできない場合があります。最近の好走例について、答え合わせがてら、推奨理由を教えてください。では早速、土曜阪神7Rの5ロードサージュからお願いしたいのですが…これは簡単でした。金言9「前走僅差の6着以下」ですよね?
みねた) はい。そして「逃げ馬の外」でした。
─「逃げ馬の外」というのは、第1回で取り上げた内容で、まさにみねた理論の基本ですよね。逃げ馬の外は、内側に1頭分のスペースが空くからスムーズにレースの流れに乗りやすい。
みねた) しかも5ロードサージュのような、前走で出遅れている馬にとって、すぐ内に4ナムラボスのような強い先行馬がいるのは助かりますよね。仮に出遅れても内にスペースが空いているし、ゲートを出た場合、4ナムラボスに引っ張られるような形で位置を取りやすくなります。
─確かに、「逃げ挟み」を狙った時、差し馬だったはずの狙い馬が、スッと好位を取って激走するシーンがよくあります。
みねた) その要因は、前を行く馬が道を切り拓いてくれるからでしょうね。その道をついていくことでスムーズに走れる上に、その馬が強ければバテることなく目標になってくれます。
─まさにこのレースは、4ナムラボスが先行して、直線で押し切りを測らんとするところを、5ロードサージュが急襲する形でした。
みねた) 「前走0.5秒差の6着」かつ「強い逃げ馬の外」、そして単勝30倍のオッズ。「逃げ挟み」ではなかったこと、前日2時段階では15倍弱だったこともあり勝負レースにはなりませんでしたが、この30倍は美味しかったですね。
─理由を探すのが難しかったのは、3月27日の阪神7Rを10番人気で勝利した7シホノディレットの方です。「逃げ挟み」かつ「減量騎手起用」は目に入ったのですが、それでも、ここまで変わり身を見せる理由が見当たらなくて。
みねた) この馬の場合、プラス10キロ、プラス18キロという馬体重の推移から、ここ2走はそこまで仕上げていなかったという推測ができます。もちろん成長分の可能性もありますが、それだけ一気に馬体重が増えれば、走れなくて無理もありません。2走前は6着ですが、掲示板を外す6着というのは実力の割に過小評価されるので、期待値を取りやすいんですよ。そこから前走の惨敗を経て、今回は人気が底でした。
─単純に近走成績だけみたら、大敗続きで、同じ阪神ダート1200mでもあるので、変わる要素があまり無いと早合点してしまいました。
みねた) この馬は、言うなればこの2戦は「何もしていない」状態でした。こういう馬は、馬柱上は買い材料を見つけにくいので、来た時に大きいんです。
─確かに、馬柱上にヒントがあると、気付かれてしまって、オッズに反映される可能性がありますよね。それにしても、鮮やかな変わり身でした。
みねた) マイナス14キロと絞ってきましたし、オッズも70倍超え。直前までしっかりと情報収拾していれば、十分に狙える馬でした。「重量」という要素はスタートからのダッシュに影響を与えると思うので、馬体が絞れたところでの「逃げ挟み」で、今までにない行きっぷりを見せてくれましたね。
─スッと2番手につけての圧勝でした。突然の大駆けにみえましたが、しっかり好走理由があったんですね。