★今週の重賞ピックアップ★
12月26日中山11R 有馬記念 芝2500m
朝日杯FSは、○セリフォス、▲ドウデュースで買い目配信では馬連5点1060円的中。
先週の当コラムで「馬券の軸は差し馬から」と記し、上位人気の無敗馬たちで「前走差し(=通過順に3番手以内が無い)」なのはセリフォスのみだとお伝えしました。実際、このレースの出走馬で「前走差し(=通過順に3番手以内が無い)」だったのは、2セッカチケーン、4セリフォス、5ヴィアドロローサ、10スプリットザシーの4頭のみ。初芝の2セッカチケーンと牝馬限定新馬戦ステップの10スプリットザシーを除外すると本命候補は2頭に絞られました。
単勝2.4倍と47.6倍という配当妙味の差から5ヴィアドロローサを上に取りましたが、アプローチとしてはほぼ間違っていなかったと思います。
▲に9ドウデュースを選べたことが馬連の的中に繋がりました。この馬は、前走の通過順位が2-4-3でしたが、2番手から一旦タメを作れていた点を評価しました。9-9-5-3だったジオグリフとの違いは、道中でタメを作れていたかどうか。言うなれば、ジオグリフの前走は札幌2歳Sを勝つための乗り方、ドウデュースの前走は、朝日杯FSを勝つための乗り方だったということ。2歳戦では特にこの視点は重要です。
今週末はいよいよグランプリ有馬記念です。メンバーも揃い、非常に予想し甲斐のあるレースになりました。
中山芝2500mは、初角までの距離が200m弱と短く、基本的には内有利のレイアウトです。ただし、「内であればあるほどいい」とまでは言い切れません。というのも、芝が生育しない時期の開催8日目ということで、内の馬場が荒れやすいからです。内が荒れると、捲りからのロングスパート戦になりタフさが問われる競馬になりがち。菊花賞とリンクしやすい要因もここにあります。
また、コーナーを6つ通過するためペースは上がり辛いので、差し勢が牽制し合い直線まで仕掛けていかないと、マイルCSの勝ち馬のダイワメジャーや桜花賞勝ち馬のダイワスカーレットが好走するようなマイルから中距離適性が求めらるレースに変貌したりと両極端に振れやすい特徴があります。
菊花賞馬が活躍するようなタフな競馬になるか、マイルから中距離適性の馬が活躍するような展開のどちらに寄るかは、馬場状態、メンバー構成、枠の並びによるので、まずはその見極めが大事です。
今年は、タイトルホルダーとパンサラッサという、個性的な逃げ馬が2頭出走。さらに、ジャパンカップで道中捲ったキセキ、そのジャパンカップで逃げの手に出たアリストテレスも加わるため、ペースは引き上がりそう。そのため、前者のスタミナが求められる戦いになるのではないかと見込んでいます。
その見立てに則るなら、菊花賞組は上位に評価せざるを得ません。なかでも菊花賞が後方から捲る競馬で4着だったステラヴェローチェは、今回、求められる適性がピタリと嵌りそう。同様に、最後方からだったアサマノイタズラも巻き返しの余地があるでしょう。
人気が予想される2頭、エフフォーリア、クロノジェネシスも当然有力。大崩れのシーンはあまり想像できません。ただ、エフフォーリアは2500mが初距離になります。タフな馬場で道中も流れるレースになった時、これまで同様に脚をためられるか? その点はひとつの課題になりそうです。
あとは、枠の並びですね。コース形態上、極端な外枠はマイナスです。また、先行馬の並び次第で展開想定も大きく変わります。まずは23日の枠順抽選会に注目ですね。
タイトルホルダーが大外16番枠に回った事により内枠2番を引いたパンサラッサがハナを取って逃げの競馬。パンサラッサがすんなり逃げる事を想定をすると残り3ハロンから仕掛けたのでは後ろの馬は届かないので、各馬勝ちに行く競馬をすると残り5ハロンからのロングスパート戦になる可能性が高い。
ロングスパート戦を想定するなら長い距離を使って成績を残している馬を中心に馬券候補馬を選ぶ事になる。どの馬が来ても驚けない好メンバーで最後は激しい叩き合いになる事必至で目を離せない。
【注目馬】
2パンサラッサ
5ディープボンド
7クロノジェネシス
9ステラヴェローチェ
14アサマノイタズラ
16タイトルホルダー
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言9
『前走僅差の6着以下』
★ピックアップレース★
12月19日中京6R 3歳上1勝クラス ダート1200m重
注目馬:1キュムロンニンバス
買い目
単勝 1 2000円
複勝 1 3000円
馬連 1―4・5・8・9・16 各500円
3連複 1―8・9―4・5・8・9・16 各300円
─このレースは8番人気馬(キュムロンニンバス)の単複をズバリ。鮮やかな差し切り勝ちでした。
みねた) よく届いてくれましたね。このレースの差し馬狙いは、これまでのコラムを読んでくださっていた方には分かりやすかったのではないでしょうか。
─「前走の通過順位に3番手以内がある馬を数える」ですよね。もう、私は習慣になりました(笑)。
みねた) このレースは、3トミケンカラバティ、4サイモンルピナス、5イルクオーレ、6ニシノミズカゼ、7ノーブルグレイス、9ゴスホーククレスト、10コパノキャッチング、16レオスパンキーの8頭。16頭中8頭、つまり出走馬の50%が「前走の通過順位に3番手以内がある馬」です。これは、ほぼ確実に差し有利ですよね。
─しかも3から7までは並んで入っています。金言7「先行馬の並びが展開を決定づける」で教えていただいた、先行馬が苦しくなるパターンですよね。
みねた) かなり先行勢には厳しいですよね。そこで差し馬に目を転じて、期待値の取れそうな馬がどれか探しました。1キュムロンニンバスの前走をみると、勝ち馬から0.3秒差の7着。これは期待値の取れるパターンなんです。
─着順の割に着差が小さいということでしょうか。
みねた) そうです。こういうパターンは人気の盲点になりやすいです。「期待値的に美味しい負け方」という言い方もできますね。
─そういえば、金言2の最後に「期待値的に美味しい負け方」という話題が出てきました。北陸S(10月10日新潟11R)で7番人気1着だったシセイヒテンの話でしたが…確かに、この馬の前走も0.2秒差の6着です。
みねた) ざっくり言えば、前走で0.3秒差以内で6着以下に負けているような馬は、期待値が取りやすいです。『競馬放送局』で〔軸、穴馬候補〕として挙げているのは、単体で期待値が高いと想定される馬なのですが、このパターンで選ばれている馬も多いですよ。
─単体で期待値が高いというのは、「臨戦過程や戦績などから馬券妙味がありそう」ということですか?
みねた) そうですね。このレースは、1キュムロンニンバスの期待値が高い上に、展開的に差しが嵌りそう、という2つの要素があったので「勝負レース」として選択しました。
─展開から狙える馬と単体での期待値の高い馬が重なったということですね。ところで差し馬狙いという意味では、例えば、14ヒロシゲペッパーは、前走0.2秒差5着で10番人気。こちらでも悪くないような気がします。
みねた) 狙い馬の候補ではありました。ただ、差し馬並びの外になる14と、3から7まで先行馬が並んで、先行馬の後ろに収まれそうな1では、隊列的な有利不利が大きいですよね。
─面白いと思うのは、14も狙い馬の候補だったと言いつつ、1を本命にした配信の買い目には、14が相手にも含まれていないという点です。普通は、1-14の目もひきたくなると思うのですが。
みねた) 単体で期待値の高い馬同士を組み合わせても、それが期待値の高い目になるとは限らないんです。このレースも、馬連1-14は94.1倍しかついていません。
─8番人気と10番人気の組み合わせで、万馬券にすらならないのはちょっと納得できませんね。
みねた) 最近、こういうパターンは多いですよ。このテーマは話し出すと長くなってしまうので、機会を改めてしっかりお伝えしますね。
【第9回】有馬記念展望&前走僅差の6着以下/馬券師・みねたの金言
- 06/29 (水) 【第35回】ラジオNIKKEI賞展望&人気馬を軸にするなら、ミスったとしても…
- 06/22 (水) 【第34回】宝塚記念展望&初ダートの大外枠、少頭数の大外枠/馬券師・みね…
- 06/15 (水) 【第33回】ユニコーンS展望&結局、新馬戦を勝つ馬は強い/馬券師・みねた…
- 06/08 (水) 【第32回】エプソムC展望&競馬で勝ちたければ、「4」と「6」を意識しろ/…
- 06/01 (水) 【第31回】安田記念展望&表層的な数字だけをみると、本質を見誤る/馬券師…

みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。