プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は「タイムトライアルになれば内有利になる」です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
5月7日東京11R・NHKマイルC(芝1600m)
NHKマイルCは東京芝1600mで施行。初角となる3コーナーまでは500m以上あり、先行争いにおける有利不利はありません。
登録20頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのはエエヤン、クルゼイロドスル、ショーモン、ダノンタッチダウン、ドルチェモア、フロムダスク、ユリーシャの8頭(フロムダスクは海外戦を除いてカウント)。抽選対象の3頭は含まれていないので、レースでは18頭中8頭、先行馬の割合44%なので厳しいペースになりそう。差し馬から狙いたいという第一感です。
距離延長というのは歓迎できませんが、前哨戦のファルコンS勝ち馬ながら2桁人気になるようならタマモブラックタイに妙味アリ。
アーリントンCを4角9番手から0.2秒差4着のトーホウガレオン、同じく4角9番手から0.4秒差7着のナヴォーナは期待値の取りやすい負け方で、ともに抽選対象ですが、出走が叶えば面白い存在になるでしょう。
前走のニュージーランドTが6-9-4で4着と明らかにスムーズさを欠いているモリアーナにも注目。東京コースなら素直に外を回す形で伸びてくることでしょう。想定9番人気なら、メンバー中、最も期待値があるかもしれません。ただ、横山典弘騎手への乗り替わりはかなり目立つので、妙味とい点では武藤騎手の継続騎乗が望ましかったのですが…。
ダノンタッチダウンは前走5.5秒差の大敗ですが、さすがにノーカウントで良いでしょう。元々の実績は上位ですし、今回予測する流れが合いそうなタイプなので、オッズが甘くなれば狙いたい1頭ですが、現状では、やや過剰人気の印象です。
ニュージーランドTの勝ち馬エエヤンは、4-2-3から1着という味な内容。道中で2回加速しているのは能力の証明でしょう。想定通り、単勝6倍前後なら。
アーリントンC勝ちのオオバンブルマイは、京王杯2歳Sも勝っており実績上位。こちらも人気になりにくいタイプのようなので、再度の手頃な人気にとどまるようなら、当然、注目の1頭となります。
想定オッズを見る限り、期待値の取れそうな馬が多い印象なので、あとは実際のオッズがどうなるのか。オッズ次第で狙い方を変える必要があるのは間違いないでしょう。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
2モリアーナ
4ショーモン
5シングザットソング
8セッション
13ドルチェモア
15カルロヴェローチェ
16タマモブラックタイ
抜けた馬がおらず穴馬から手広く行く。
クルゼイロドスルの取消で多少先手争いが楽になったがG1でこのメンバー構成なら差せる馬か長めの距離を使って来た馬から狙いたい。
■みねたの金言78
『タイムトライアルになれば内有利になる』
★ピックアップレース★
4月30日京都11R・天皇賞春(芝3200m稍)
◎1ジャスティンパレス
○7ディープボンド
▲13ボルドグフーシュ
△3タイトルホルダー
☆14マテンロウレオ
注12ブレークアップ
[参考買い目]
単勝 1
ワイド 1-7.13.14
馬連 1-7.13.14.12
馬単 1-3
3連複 1-7.13-7.13.3.14.12
3連単 1-3-7.13.14.12
3連単 1-7.13.14.12-3
──天皇賞・春は◎○の本線決着。単勝4.3倍、ワイド10.4倍、馬連40.0倍の的中となりました。週中展望の段階では、みねたさんの口ぶりから3タイトルホルダーで仕方ないのかな、という雰囲気も感じていたのですが、見事に正解に辿り着きましたね。
みねた: 3タイトルホルダーは好きな馬ですし、非常に強い馬です。◎にしなかった理由は、“オッズ”ですよね。3倍台ぐらいの単勝オッズならば、この馬から買っても期待値が取れるかなと考えていたのですが、最終オッズは1.7倍。ここまで人気を被るのであれば、タイトルホルダーが負けるパターンを考えよう、と。3タイトルホルダー自身の勝率は40%ぐらいはあったと思いますが、それを狙ってもプラスにはできないので。
──以前から単勝オッズ2倍を切るような馬で期待値を取るのは難しいとおっしゃっていましたもんね。予見できるものではありませんが、今回のように競走中止することもあるし、競り合いに巻き込まれるリスクも含めて、1.7倍が見合うかどうか。
みねた: そうですね。今回はタイトルホルダーの2着付け、3着付けなら期待値が取れると考えたので、週中展望で書いた仮定「タイトルホルダーが潰れるようなタフな流れになったら」という想定で予想を組み立てました。
──なるほど。その仮定には続きがあって、「タイトルホルダーが潰れるようなタフな流れになったら、スタミナお化けのディープボンドの出番があるかもしれません」と書かれていました。その想定通り、○7ディープボンドは単勝22.5倍の5番人気で2着と健闘したわけですが、みねたさんが◎にしたのは1ジャスティンパレスでした。
みねた: 今回の天皇賞・春で、前走の通過順位に3番手以内があったのは8頭。17頭中8頭の47%は、この距離のレースにしてはかなり先行馬が揃っており、タフな流れになる下地は十分にありました。
先行馬が揃ってペースが厳しくなると、タイムトライアルの要素が大きくなり、道中で外を回るロスの影響が大きくなります。タイトルホルダーのラストが甘くなるようなタフな流れになった場合、馬群がバラける可能性が高く、そのバラけたところを突いてこれそうなのが1ジャスティンパレスでした。
──ひとつ気になったのが、1ジャスティンパレス、2ディープモンスター、3タイトルホルダーと先行馬が並びで入っていた点です。3頭並びの内側というのは不利でしたよね。
みねた: そうですね。ただ、1番枠であれば、内側から前に入られる心配はないので、通常の先行馬3頭並びの最内よりはリスクが軽減されます。これが例えば、2番ディープモンスター、3番ジャスティンパレス、4番タイトルホルダーだったら全く様相が異なります。ジャスティンパレスではなく、7番のディープボンドを◎にしていたでしょうね。
──ディープボンドは週中から、タイトルホルダーが負ける展開で最も期待していた馬でしたもんね。
みねた: 先行馬が全部潰れるような消耗戦でも止まらないスタミナがありますからね。このレースで「内枠」から「オッズ」的に買えそうな馬をみていったら、1ジャスティンパレスの次は必然的に7ディープボンドになります。逃げハサミの12ブレークアップあたりがもう少し内目の枠をひいていたら、思い切って狙った可能性もありますが。
──注評価だった12ブレークアップは惜しくも4着まででした。最後に買い目について教えてください。普段は推奨買い目に選ばれていない馬単や3連単の目も引いていましたよね。
みねた: タイトルホルダーが逆転を許す展開を想定して予想を組み立てているので、印と買い目もそれに準じています。それが馬単の1→3であり、3タイトルホルダーの3連単2、3着付けですね。ジャスティンパレスとタイトルホルダーという1番人気のワイドを選択しても期待値は取れないので、タイトルホルダーは△まで印を落としました。あくまで勝負はジャスティンパレスの逆転であって、タイトルホルダーが勝つ時は、ワイドや3連複を拾うという感覚です。実際、ジャスティンパレスとディープボンドのワイドは10.4倍ありました。
──まさに「枠」と「オッズ」から期待値を追求した的中だったわけですね。