★今週の重賞ピックアップ★
4月3日阪神11R 大阪杯(芝2000m)
大阪杯は阪神芝2000mで施行されます。初角となる1コーナーまでは330mほどで、ポジション争いにおける枠の内外の不利はあまりありません。
今年は何と言っても、昨年の年度代表馬エフフォーリアと新星ジャックドールの対決に注目が集まっています。1ファンとして名勝負を期待したいところですが、馬券は別。しっかりと期待値を追いたいと思います。
メンバーを見渡すと、前走の通過順位に3番手以内があるのはアフリカンゴールド、ウインマリリン、ジャックドールの3頭。アフリカンゴールドは引きつけて逃げるタイプで、ジャックドールは飛ばしていくタイプ、そしてそもそものテンの速度比較を考えても、ジャックドールがハナを切る形になるでしょう。
先行タイプが少なく、前を行く馬の隊列はスンナリと決まり、差し馬のポジション争いは熾烈になりそうです。外枠から外を回る形になると、道中でずっと外を回らされる可能性が高く、前に行く馬も強いので、外からの差し一辺倒では厳しいでしょう。
早めに隊列が決まりそうなレースなので、基本は前有利。また、これまでのコラムでも何度も触れていますが、道中で動ける機動力のある差し馬も狙えます。
この観点から考えると、エフフォーリアの牙城はかなり高そうです。有馬記念までは、道中で脚をためて直線で弾けるタイプだと考えていたので、機動力を求められる有馬記念では死角アリとみていました。しかし結果は、9-9-8-5と道中で動いていく形での完勝。機動力の高さも見せつけた以上、今回の阪神芝2000mというコースも問題なくこなせるでしょう。
ジャックドールの逃げはもちろん強力で、ロマンも感じます。ペース的にも向くと思いますが、それは周りも分かっているので、その中で、目標になった上で逃げ切るのは簡単ではありません。また、5連勝が左回りで、今回は右回りに替わる点も、一つの課題です。ここで勝ち切る様なら怪物誕生の目撃者になるでしょう。
穴のパターンとしては、エフフォーリアよりも先に動いて押し切る差し馬、好位差し、舐められ逃げの前残り、あたりでしょうか。早めに動ける差し馬候補としてはアカイイト、キングオブコージ、好位差しなら前走4番手から2着のレイパパレの名前を挙げておきます。また、前を可愛がってもらってのアフリカンゴールドの再度の粘りこみも一考。
差し馬のスペース争いという観点から、枠と並びには注目しましょう。
【当日注目馬】
5アカイイト
6エフフォーリア
7ウインマリリン
14レイパパレ
15アフリカンゴールド
エフフォーリアの牙城は高く逆転できるパターンを考えましたが、エフフォーリアより前に居た馬がそのまま残るパターンが確率的には現実的だと考えました。
枠の並び的にはアフリカンゴールドが少し厳しい枠に入り逆にウインマリリンやアカイイトなどは競馬をし易そうな枠に入った印象です。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言22
『前走未勝利使用馬の格上挑戦』
★ピックアップレース★
3月26日阪神11R 毎日杯(芝1800m稍重)
注目馬:7ベジャール
参考買い目
単勝 7
ワイド 7 ―2・6・8
馬連 7―1・2・4・6・8
三連複 7―2・6・8―1・2・4・6・8
─先週も4重賞のうち3レースで◎が馬券絡み。マーチSの◎メイショウハリオ(2番人気1着)、高松宮記念の◎ロータスランド(5番人気2着)もお見事でしたが、何といっても毎日杯です。9番人気、単勝オッズ107.4倍の7ベジャールに本命を打ち、馬連253.7倍的中!
みねた) 売り上げの大きな重賞ほど、オッズが辛くなりにくい面はあると思いますが、それにしても重賞で推奨馬が頑張ってくれて嬉しいですね。ただ、毎日杯の7ベジャールにしても、9番人気での激走でしたが、ここ2週でお伝えした通りの考え方で十分に狙える馬でした。
─では、その種明かしがてら、毎日杯の思考について教えてください。
みねた) 前回、フラワーCの時にもお話しした通り、予想の出発点として、まずは人気馬の信頼度をチェックしていきます。具体的には、単勝オッズ10倍以下の馬たちのオッズが、見合っているかどうかを検討するのです。
─このレースでは、1ドゥラドーレスが2.1倍、6リアドが5.6倍、8テンダンスが5.6倍、4ピースオブエイトが6.5倍、2コマンドラインが8.3倍でした。
みねた) 1ドゥラドーレスが2.1倍ですから、このオッズが見合っているか、要するに2回に1回勝てるか、ということを考えます。金言19でも触れましたが、いくら予想の段階で「鉄板!」と思ったとしても、実際の勝率が50%を超えることはほとんどありません。あったとしても何百レースに1回ぐらいの確率でしょう。2戦2勝の1ドゥラドーレスが強い馬であることは確かでしょうが、まだ1勝クラスを勝っただけの存在です。出走全馬が本気で勝ちにくる重賞で、このオッズが見合うとは思えません。
─確かに同じ2戦2勝の4ピースオブエイトと戦績的にはほぼ同じで、オッズは3分の1以下。4ピースオブエイトより1ドゥラドーレスの方が3倍以上強いのかと言われると、違う気はしますよね。
みねた) 払い戻し額で考えてみてください。同じ1万円を賭けた時、1ドゥラドーレスなら利益は1万1000円、4ピースオブエイトなら5万5000円ですから、5倍違います。この数字をみても、単勝2倍の馬で長期で勝つのは相当難しいことをご理解いただけるのではないでしょうか。
─元返しの1.0は引いて比較しなければいけないのか。数字に弱くてすいません。でも、2倍と6倍で勝ちやすさが全然違うことがよく分かりました。1ドゥラドーレスのオッズが見合わないと判断するところまでは納得なのですが、そこから単勝万馬券クラスの穴馬を指名できるのが凄いです。1番人気が危ないなら、2~5番人気あたりを◎にしても期待値が取れそうな気がするので。
みねた) 8テンダンス本命は少し考えました。前走の、逃げて上がり32.9秒という脚は強烈なので、この競馬をしたら後続は差せないよな、と。
─しかし、最終結論は7ベジャールでした。その決め手は?
みねた) 「逃げ挟み」ですね。
─金言1で紹介した、みねた流展開読みの基本ですね。ただ、これだとコラムのネタにはならないんです(笑)。
みねた) それぐらい、汎用性が高いんですよ。逃げ馬に挟まれた馬は、スムーズな進路取りができて、展開に恵まれやすい。このレースでも、6リアドが前に行って、この馬も無理なく先行できました。
─予想手順としては、まずは人気馬をチェックして、次に展開面を考えるという流れですね。そして、逃げ挟みの7ベジャールに注目した、と。
みねた) そして、7ベジャールは、フィリーズレビューのサブライムアンセム、フラワーCのニシノラブウインクと同じ、「控える競馬にこだわって未勝利を勝った馬」でした。冒頭で申し上げた、ここ2週と同じ考え方というのは、この部分ですね。
─未勝利で安易に先行して勝ちにいかず、競馬を覚えさせているのは、陣営が先々まで期待している証で、そういう馬は重賞のペースになって真価を発揮する、というお話でしたね。
みねた) 7ベジャールに関しては、未勝利戦でルメール騎手が連続騎乗しているぐらいですから、陣営の期待度はかなり高かったはずで、100倍超というのは人気が無さ過ぎました。専門紙などを見る限り、7ベジャールと10ディープレイヤーだけがほぼ無印という扱いだったので、「10頭中2頭しかいない無印は来ないだろう」と安易に切ってしまった方が多いのではないでしょうか。
─それはあるかもしれません。私も「関東圏の未勝利勝ちステップの関東馬なんて来ないだろう」と理由をつけて、馬柱もちゃんと見ずに消してしまいました。
みねた) 大切なお金を賭けるのですから、しっかり吟味してください(笑)。今、未勝利ステップだから消してしまったとおっしゃっていましたが、それも危険です。前走未勝利戦を使用した格上挑戦馬というのは、一つの穴パターンですから。
─詳しく教えてください。
みねた) 2~3歳戦において、未勝利と重賞の間にそれほど大きな力差はありません。ですが、未勝利勝ちから重賞に格上挑戦した場合、「力不足」「敷居が高い」と判断され、オッズが甘くなる傾向があるんです。同様に、未勝利馬が1勝クラスに格上挑戦した場合も、「未勝利馬だから」という理由であまり人気になりません。要するに「オッズはつくけど、けっこう馬券に絡む」パターンなので、覚えておいて損はありませんよ。