★今週の重賞ピックアップ★
3月27日中京11R 高松宮記念(芝1200m)
高松宮記念は中京芝1200mで施行されます。初角となる3コーナーまで300m以上あるので、ポジション争いにおける枠の内外の不利は少なめで、テンの速さがあれば外枠からでも先行争いには加われます。ただし、芝1200m戦は内枠有利が基本で、このレースも例外ではありません。差しも届くし、外枠が決定的な不利になるわけではないですが、内寄りの枠がベターでしょう。
今年は登録段階で前走3番手以内があるのは9頭。先行争いが激化しそうな数字です。ただ、2走前まで戦歴を遡っても、明確な逃げ馬といえるのはファストフォースぐらいしかいません。「2019年の高松宮記念から2021年のスプリンターズSまで、スプリントGIを皆勤だったモズスーパーフレアがいない」というのが、今年の大きな特徴です。この馬が不在で、先行馬の数こそ多いものの逃げ馬がいない今年は、思いの外、流れが落ち着く可能性もありそうです。
したがって、今年に関しては、人気薄ながら実力のある差し馬を探すパターンと、ペースが落ち着いた際に恵まれる先行馬を狙うパターン、まずはこの二択を考える必要があるでしょう。当然、どちらを狙うかは、枠順や枠の並びがポイントになってきます。
1番人気はレシステンシアでしょうか。この馬は、改めて説明するまでもなく、戦績を見れば強いのは明らかです。「強い先行馬であるレシステンシアを差せる馬は?」というのが、予想の第一歩になるでしょう。
グレナディアガーズ、メイケイエール、サリオスといった新興勢力も能力の高さは疑いようがありません。基本的に高松宮記念は、1200mよりも長めの距離で実績のある馬が結果を残しやすいレースで、この3頭はその条件を満たしています。スプリントGIの厳しい流れで、より高いパフォーマンスを示しても不思議ではありません。
定石通りの差し馬狙いなら、注目はナランフレグ。後方からしっかり上がりを使える、能力確かな差し馬で、初のGI挑戦となりますが、この馬もGIの流れでさらなるパフォーマンス向上の可能性を秘めています。
トゥラヴェスーラは走っても人気にならないタイプの差し馬で、ここ3走は16番人気4着、10番人気2着、9番人気2着。今回も人気薄になるようなら、押さえておきたい存在です。
前が恵まれるパターンではロータスランドに注目。1600mに実績があり、高松宮記念の傾向に合致しています。
【当日注目馬】
1サリオス
7レシステンシア
9ロータスランド
13トゥラヴェスーラ
14ダイアトニック
18グレナディアガーズ
週中で想定していたより前に行く馬のポジション争いは落ち着きそうなメンバー構成になった。
レシステンシアも競馬し易い枠に入り、前々で競馬を進めれる馬との叩き合いの競馬を想定して予想しました。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言21
『「なんでこの馬が人気薄なんだろう?」を考える』
★ピックアップレース★
3月21日中山11R フラワーC(芝1800m良)
注目馬:5ニシノラブウインク
参考買い目
単勝 5
複勝 5
ワイド 5―1・2・4・6
馬連 5―1・2・3・4・6
三連複 5―2・4・6―1・2・3・4・6・8
─先週は3日間で4重賞と盛りだくさんでしたが、ファルコンSが◎オタルエバー(6番人気3着)、スプリングSが◎ビーアストニッシド(5番人気1着)、フラワーCがニシノラブウインク(9番人気2着)と3レースで人気薄の◎が馬券絡み。特に混戦模様だったフラワーCで人気薄をズバッと指名したのは痺れました。
みねた) ありがとうございます。5ニシノラブウインクは、「なんでこの馬が人気が無いのだろう?」を意識していたら、必ず拾える人気薄だったと思います。
─いきなり金言っぽいフレーズが出ました。
みねた) 私は、まずはそのレースの人気馬をチェックして、それと比較して「なんでこの馬が人気が無いのだろう?」を考えるようにしています。そして、納得できる理由がみつかれば、そのまま馬券的にはスルーしますし、納得できる理由が見つからなければ、穴候補として残します。5ニシノラブウインクは、人気薄になる理由がわかりませんでした。
─前走、フェアリーSが6番人気7着だったので、重賞では少し足りないと判断されたのかもしれません。
みねた) 果たして、出走馬同士を比較してもそう言えるでしょうか。ここは、前走重賞使用馬が3頭しかおらず、出走馬12頭全てが、まだクラシックの出走権を確定できていない、いかにもトライアルらしいメンバー構成でした。5ニシノラブウインクのフェアリーSでの0.5秒差・7着というのは、けっして悲観するような内容ではなく、むしろ金言9「前走僅差の6着以下」という、単体で期待値の取りやすいパターンに合致しています。
─「人気馬と比較して」とありましたが、このレースの1番人気は3シンティレーションでした。
みねた) 競馬というのは出走馬内での序列で決まるので、「人気馬に対してどうか?」という視点が重要です。そういう意味で、この馬(3シンティレーション)との比較は凄く分かりやすいですよ。
3シンティレーションは2走前アルテミスSで0.7秒差の6着から、前走で1勝クラスの若竹賞を勝っての参戦でした。一方、5ニシノラブウインクはフェアリーSで0.5秒差の7着から2カ月半の休養を経ての参戦でしたが、私は「もし、この間に1勝クラスを使っていれば勝っている可能性は高いよな」という想像を働かせました。そう考えた場合、3シンティレーションが3.7倍の1番人気、5ニシノラブウインクが36.7倍の9番人気ということに、納得できますか?
─納得できません(笑)。ただ、6モカフラワーはクイーンCで0.8秒差の8着なので、似た臨戦過程ですよね。
みねた) 大前提として、こちらは5.6倍の4番人気とオッズ面で大きな開きがあります。また、道中2番手と恵まれていたのに8着まで順位を落としており、あまり特筆できるレース内容ではありません。
─このオッズ差は、クイーンCの方がフェアリーSよりレベルが高いと考えたファンが多いのかもしれません。ちなみにみねたさんは、この両レースのレベル比較は考慮されましたか?
みねた) 両レースで2着だったスターズオンアースを基準にすれば差はないですし、基本的にこの時期の牝馬重賞は、出走馬が皆本気で勝ちにきているので、レースごとのレベル差は出にくく、経験上、序列に大きな差は出ないと考えています。
意識するとすれば出走頭数ですね。頭数が揃っていれば、レースのレベルは担保されやすいですし、多頭数で馬込みを捌く経験も必要になってきます。そしてレースレベルの比較は今のトレンドになっているのでオッズ的な妙味も少なくなっている事から、今はそこに時間を割く事は少ないですが、少頭数のレースを使ってきた馬に対しては、着順ほどの価値があるかを吟味する必要はあるでしょう。7頭立ての7着と16頭立ての7着では意味合いが大きく変わる事が多いです。
─レースは、5ニシノラブウインクがスタートを決めて2番手追走から、2着に粘りこみました。
みねた) 枠の並びもよかったです。4コルベイユと6モカフラワーの逃げ挟みで、前走逃げた4コルベイユの外という、絶好の並びでした。また、5ニシノラブウインクについては、前回触れた金言20「控える競馬に陣営の期待度が表れる」の通り、デビューから一貫して控えて、競馬を覚えさせられてきた馬でもありました。その馬が、展開に恵まれやすい2番手を走っているわけですから、好走するのは、ある意味、必然でしたよね。
─「みねたの金言」の粋を集めた◎でしたね。このレースに関しては、馬券の組み方、コースと枠順の考え方、期待値の追い方など、まだまだ聞きたいことがたくさんあるのですが、それらについては項を改めて伺いたいと思います。
【第21回】高松宮記念展望&「なんでこの馬が人気薄なんだろう?」を考える/馬券師・みねたの金言
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みねた
全てのファクターは展開に帰結すると考え、枠、脚質、能力、不利、ハイレベル、様々なファクターから「展開」を予想し、回収率が高くなるであろう馬を選び出す。軸が決まれば馬券の構築にも力を入れ、「展開」により両立しにくい馬券等を省く。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。