★今週の重賞ピックアップ★
7月24日 小倉11R 中京記念(芝1800m)
中京記念は小倉芝1800mで施行。スタンド前の直線半ばからスタートし、初角となる1コーナーまでは272mです。初角までの距離が長くないため、先行争いにおいては内枠が有利。ただ、開催が進んだことにより馬場も荒れてきているため、ある程度、外からの差しも利きそうです。
前走の通過順位に3番手以内があるのは6頭。この数字をみると前が有利になりそうですが、今回は登録馬に前走芝1200mを使ってきた馬が2頭います。特に、テン3F31.8秒で流れたCBC賞を5番手で追走していたレインボーフラッグは、意図的に抑えない限り、ほぼハナを切ることになるでしょう。先行勢のポジション争いが激しくなる可能性は頭に入れておく必要があります。
セオリー通り、道中で4~5番手を取れる馬が有利とみるなら、前走の都大路Sを5番手から2着したダブルシャープが有力。あとは、リステッド競走からG3へと格が上がる点がどうか。
人気ですが、前走G2のマイラーズCを初角4番手から3着したファルコニアも好位に収まれそう。近況が一息だったり、前走がOPクラスだったりというメンバー構成において、前走G2で3着という実績は格上で、斤量も据え置きとあらば、まず好勝負になるでしょう。
カイザーミノルも注目の一頭。前走の米子Sは道中で位置取りを上げていく形で2着でしたが、捲れるというのは距離が足りていない証拠。1ハロンの延長はプラスに働くはずで、実際、1800mの毎日王冠で0.3秒差の5着という実績もあります。
強いファルコニアが前を潰す形になれば、差し馬勢のチャンスが拡大します。モズナガレボシは前走の七夕賞こそ後方ままでしたが、3走前の新潟記念では2番手追走から4着しており、前に行く脚も備えています。人気急落のここで、中団あたりからの差し込みを期待する手も十分にあるでしょう。
今村騎手騎乗で注目を集めるカデナも面白い存在。3回ダートを使われましたが、やはり芝でこその馬。得意条件に戻る今回は狙い目です。4キロ減では恩恵が大き過ぎるほどの活躍をみせている今村騎手ですが、重賞のトップハンデとなると勝手は違います。ここは試金石の一戦となりそうですね。
【枠順確定後注目馬】
1ベステンダンク
2ミスニューヨーク
3コルテジア
4ダブルシャープ
5カイザーミノル
10シャーレイポピー
13カデナ
15ファルコニア
大外にレインボーフラッグが入って外先行勢はスタートでの位置取り争いで被せられるリスクが増した配置。逆に内の先行馬は競馬がし易くなった印象。どの馬を本命にするかで相手も変わってくる。慎重に馬券は組みたい。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言38
『下級条件では差し馬は1頭まで』
★ピックアップレース★
7月17日 福島8R 3歳以上1勝クラス(ダ1700m稍重)
◎5ジェイエルエース
○4ベルカノア
▲6プリーチトヤーン
△7パルガン
☆3ウィズザワールド
注2ココリジャスミン
買い目
単勝 5 2000円
ワイド 5―4・6・7 各1000円
馬連 5―4・6・7・3・2 各500円
3連複 5―4・6・7―4・6・7・2・3 各300円
─先週日曜の福島8Rは◎→○→▲決着。単勝、ワイド、馬連、3連複の総獲りで、10,200円→48,330円となりました。ツイッターでフォロワーの方からの質問にも答えていらっしゃいましたが、5番人気1着だった◎5ジェイエルエースが「逃げ挟み」だったんですよね。
みねた) はい。得意パターンです。
─以上! だとコラムが終わってしまうので(笑)、もう少し掘り下げてお話を伺っていきますね。
みねた) このレースで、前走の通過順位に3番手以内があったのは8頭。15頭中8頭と先行馬の比率が大きく、先行馬のポジション争いが激しくなる可能性が高いので、差し馬の台頭が予見できました。そこで、前走10番手から5着まで差してきて末脚確かなジェイエルエースが「逃げ挟み」の有利な並びに入っていたので、この馬の差し脚に期待したわけです。今までのコラムで語ってきた手順通りですよね。
─お聞きしたいのは対抗以下の印と、買い目の組み方についてです。
みねた) これも、以前お話しした通りですよ。ジェイエルエースが馬券に絡む展開というのは、両脇の逃げ馬が目論見通りに前に行けたケース。したがって、ジェイエルエースから馬券を組み立てるのであれば、当然、4ベルカノアと6プリーチトヤーンの2頭が相手候補として有力になります。
─結局、強い人気馬の4ベルカノアが逃げて、それについていく形で5ジェイエルエースが2番手、6プリーチトヤーンが3番手。ゴール前で5ジェイエルエースが4ベルカノアを差しただけで、前3頭の行った行ったになりました。
みねた) 上級条件だと話は変わりますが、基本的に下級条件で差し馬を2頭買うのは得策ではありません。「競馬は前にいる馬が有利」というのが大前提だからです。前にいれば、物理的に前が塞がる不利を受けにくく、そのポジションを取れる先行力があること自体が、一つの才能なのです。
一方、差し馬は、いくら展開が向いたとしても、馬群を捌く際に不利を被るリスクを内包しています。差し馬2頭分の進路が確保されることの方が稀なので、差し馬から馬券を組み立てるのであれば、相手は先行馬から選ぶのが正解です。
─「差し馬2頭分のスペースは空きにくい」は、連載初期からお話しされていましたね。ただ、前崩れでのズブズブの外差し決着ならば、進路を気にせず、差し馬の共存が狙えるのでは?
みねた) ただ、それは絞って獲るのが不可能な馬券ですよね。もちろん、差し決着が見込めるレースで、手広く買って穴を拾いあげるという作戦はアリだと思います。その場合、相当な人気薄まで手を広げて、高めが来るのを待つということになりますが、当然、そうなると買い目は絞れません。私は地方競馬から競馬歴がスタートしている人間なので、2頭目、3頭目も選ぶ意識が染み付いているんです。
─地方競馬? どういうことでしょうか?
みねた) 中央競馬は頭数も多く売り上げも多いので、単勝で期待値を取れる馬を狙い撃つことが可能です。単勝で期待値が取れるということは、相手の中から何頭か削って馬単を買うことで、さらに期待値が出ます。それこそ、相手15頭のうち5頭ぐらい削れれば、残り10頭に流すだけの、大雑把な予想でも期待値を上げることができます。
少頭数で売り上げも少ない地方競馬では、単勝だけで期待値を取れるケースは少ないので、どうしても2頭目、3頭目を選んで買い目を組む必要があるのです。
─なるほど。金言4「決着形を意識して買い目を組み立てる」にも通じますが、ただ期待値の高いパターンの馬を挙げるだけではなく、利益を出すために最適な相手選び、買い目構築ができるのが、みねたさんの強みですよね。
みねた) ありがとうございます。このレースは勝負レースとして買い目を配信するので、的中率や券種の併用なども考慮して、相手5頭まで印を回しましたが、回収率だけを追求するのであれば、相手は4ベルカノアと6プリーチトヤーンに絞るのがベストでしょうね。
─確かに、ワイドでも7.3倍と5.7倍あるので、絞って当てられれば、回収率が出ますよね。
みねた) 1~3着まで展開だけで決着するのはレアケースなんですよ。3着には能力や適性で、展開関係なく突っ込んできます。したがって、○、▲は展開を織り込んだ上で選択し、△以降は、単体で期待値を取れるかを重視することが多いですね。