★今週の重賞ピックアップ★
9月25日中山11R オールカマー(芝2200m)
オールカマーは中山芝2200mで施行。初角となる1コーナーまで432mと長いので、先行争いによる内外の不利は大きくありません。とはいえ、ずっと外を回る形ではロスが多いので、道中は内で立ち回るのがベターです。
登録している13頭中、前走の通過順位に3番手以内がある馬は7頭。一般的にクラスが上がるほど差しタイプが増えてくるので、G2で13分の7という占有率はかなり珍しいパターン。上級条件で自分の「型」を持っている逃げ先行馬が揃ったとあれば、簡単には譲りません。ここはペースが厳しくなりそうです。
中山芝コースは、基本的に道中捲れるタイプが向くのですが、ここまで先行タイプが揃うと、バテる馬も出てきて馬群がバラける可能性も高そう。道中で、外を回さずとも捲り気味に進出できる可能性も十分にあります。いずれにせよ、馬券的には期待値の取れる差し馬から先行馬へ流すのが良いでしょう。
ジェラルディーナは9-9-11-9と道中でしっかり脚をためて伸びてきた前走が、いかにも今回に繋がりそうな競馬。G2で4走前に0.3秒差4着、3走前に0.4秒差6着という、期待値が積めるほどよい負け方を経て、ここは手頃な人気にとどまりそう。
ロバートソンキーは3勝クラスの身で挑戦した天皇賞(春)で7着。この挑戦からも、陣営が同馬の素質を高く評価しているのがよくわかります。今回、前が厳しくなる想定ということもプラス。想定通りの人気薄なら面白い存在です。距離短縮となるテーオーロイヤルも当然、有力候補です。
デアリングタクトは、中山コース向きの捲る脚が使え、今回のレースに合致する内で脚をためる競馬もできる万能型の差し馬。崩れる要素は少ないでしょう。圧倒的な人気が予想されるだけに、馬券上の扱いは思案のしどころです。
同様にソーヴァリアントも扱いの難しい1頭。休み明けでかなりの人気が予想されるだけに、期待値的には取りにくい存在ですが、前走のチャレンジCをみても、秘めたる能力は相当なもの。強い先行馬として軸とするか、2列目候補として扱うか、あるいはバッサリと切ってしまうか。本命馬の選択や購入する券種によって扱い方を変える必要がありそうです。
【枠順確定後注目馬】
2ジェラルディーナ
3ウインキートス
5ヴェルトライゼンデ
8デアリングタクト
9クレッシェンドラヴ
12フライライクバード
配当妙味のある差し馬が先行馬の内に入り狙いが難しくなった。外先行は厳しい配置で経済コースを回れる内の先行馬から馬券を組み立てる。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言47
『穴パターンから漏れた穴馬は実力以下に評価されやすい』
★ピックアップレース★
9月10日中京11R エニフS(ダ1400m重)
注目馬:6アーバンイェーガー
─9月10日中京11RのエニフSで16番人気2着と激走を果たしたアーバンイェーガーが、「穴馬候補」に入っていました。みねたさんとの付き合いが長くなってきて、「これは○○のパターンに該当しているから選ばれたんだな」とか推測できるようになってきたのですが、これは後から見返しても全然分かりませんでした(笑)。
みねた) いわゆる「期待値の取れるパターン」ではないので、応用編だったかもしれません。これは、単勝50倍以上つくような馬から選ぶタイプの穴馬ですね。
─50倍以上つくような馬から選ぶタイプの穴馬、ですか。また新しい用語が出てきました。ではその辺りの思考を教えてください。
みねた) 一言で表すなら「メンバー構成から浮かび上がる穴馬」といったところでしょうか。このレース、昇級初戦の馬が3頭いて、前走がJRA重賞だった馬はプロキオンSで8着だったメイショウウズマサのみ。リステッド競走の割に、メンバーレベルが高くありませんよね。
─確かに、1400mのリステッド競走というと、もっと重賞組が多くて、オープンで上位争いの常連みたいな馬も多く出ている印象があります。
みねた) 前走で、中央ダートの現級以上のレースを8着以内だった馬は、アーバンイェーガーを含めて8頭しかいません。その事実だけでも、アーバンイェーガーの16番人気・単勝140.1倍というのは不当な低評価ですよね。
また、今回、先行候補だった4頭のうち3頭が距離短縮ということで、ペースがそれほど激しくならないと予測できたので、前走同距離のオープンで8番手を取れていたアーバンイェーガーなら、そこそこの位置が取れそうだというのも、推し材料の一つです。
─レースレベルが低いというのは聞いて納得なのですが、それでアーバンイェーガーに目が向くかと言われると、私には難しい気がします。
みねた) 何か特定の買い材料があるわけではありませんからね。相対的に、このメンバーなら6~7番目、単勝10~20倍ぐらいの評価が妥当だと考えていたので、その馬が140倍つくなら買ってもいいよね、という話で。
─「単勝50倍以上つくような馬から選ぶタイプの穴馬」という話に繋がりました。
みねた) 穴馬候補を狙うパターンとしては、例えば金言9「前走僅差の6着以下」でお話ししたような「単体で期待値が取れるパターン」と、今回のような「メンバー比較で浮かび上がってくるパターン」があります。前者のパターンは私自身、エンジニアにお願いして自動で抽出できるようになっていますが、後者はそうはいきません。
─メンバーとの比較、オッズとの比較など、考えることが多いですもんね。
みねた) そうなんです。また、「単体で期待値が取れるパターン」というのは予想家やファンの間に浸透してきているので、なかなか単勝50倍、100倍クラスの穴馬にはなりません。「メンバー比較で浮かび上がってくるパターン」は選ぶのが簡単ではないので、しっかり研究する必要がありますが、その分、オッズが甘くなりやすいんです。
─効率重視、コスパ重視の人にとっては、ハードルが高そうです。
みねた) 穴パターン的な視点でいえば、アーバンイェーガーには買い材料はありません。こういう馬が美味しいのが現代の競馬です。言うなれば、「穴パターンから漏れた穴馬は実力以下に評価されやすい」ということですね。
─それは金言ですね。おっしゃる通り、手元にある専門紙の予想オッズを見たら、アーバンイェーガーの予想オッズは45倍前後になっていました。つまり、実際の馬券購買者がこの馬の勝率を、より低く見積もったということですもんね。
みねた) 特定のファクターに固執していては、ギャンブルで勝っていくのは難しいです。それが浸透したら終わりですから。常に動いているので、その変化に対応していかなければ勝ち続けることはできません。
─そのフレキシブルさがみねたさんの強みですよね。自分でもアーバンイェーガーみたいな馬を見つけられるよう、もっと深く研究したいと思います。