★今週の重賞ピックアップ★
10月16日阪神11R 秋華賞(芝2000m)
秋華賞は阪神芝2000mで施行。昨年に引き続いて、阪神コースでの開催となります。初角となる1コーナーまでは330mほどで先行争いにおける内外の有利不利はほとんどありません。とはいえ、先行タイプなら内に越したことはないでしょう。
メンバーを見渡してみると、前走で先行していた馬が多いことに目がいきます。紫苑Sは4角2番手のスタニングローズが勝ち、2着に逃げたサウンドビバーチェ。ローズSもアートハウスが4角3番手から抜け出しました。
秋華賞は、2勝クラス勝ちが一つの目安で穴候補になるのですが、前走で2勝クラスを勝ってきたエリオトローピオ、ストーリア、タガノフィナーレ、ブライトオンベイス、モチベーション、ルージュラテールはいずれも前走の通過順位に3番手以内があります。これは、自己条件を「勝つための競馬」で勝ってきたということ。条件馬を狙うなら差して勝ってきた、能力の違いをみせてきた馬がベターなので、この組にはあまり魅力を感じません。
展開的に前が厳しくなりそうなので、軸に取りたいのは差し馬。条件が揃っているのはナミュールでしょうか。オークスは8-9-9-9と道中でしっかり脚をためて3着。今回、タフな流れを想定しているので、相対的に距離短縮ローテも有利です。
同じニュアンスでプレサージュリフトも面白そう。道中6番手から5着というオークスのレースぶりから、今回は展開が向きそうで、想定通りの7番人気前後なら馬券妙味は十分です。
さらに大穴に振るなら、2走前に2勝クラスを差して勝っているメモリーレゾン。前走のローズSは5着止まりでしたが、トライアルよりも流れの厳しくなる本番で、その末脚が生きてくることでしょう。1600m→1800m→2000mと使われてきた馬なので、距離がどうかという懸念はありますが、その点に目を瞑ってでも狙う価値のあるオッズになるかもしれません。
ウインエクレールは前走で3勝クラスを3番手から2着。先行していたとはいえ、3歳牝馬が1番人気を背負って、目標になる形での2着ですから、字面以上の価値があります。能力的には通用しても不思議ではありません。
脚質面、ローテーションなどから最も期待値を取れそうなのはピンハイですが、現段階では除外対象。期待したオークスは僅差で涙を飲んだので、なんとか出走が叶えば楽しみが増えるのですが…。
【枠順確定後注目馬】
1ウインエクレール
6メモリーレゾン
7スタニングローズ
8ナミュール
10アートハウス
11エグランタイン
16プレサージュリフト
16頭中8頭が前走道中3番手以内で競馬を進めており先手争いは熾烈になりそうだが、うまくばらけて入り全頭が力を発揮できる配置。オッズとのバランスで予想は組み立てていきたい。
なお、最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
■みねたの金言50
みねた流資金管理術1
─昨秋から始まったこのコラムも今回が区切りの50回。そこで、普段とは違ったお話を伺いたいと思います。具体的には、ツイッターなどでもしばしば呟いていらっしゃる「資金管理の重要性」についてお聞かせいただけますでしょうか?
みねた) 資金管理は重要ですからね。取り上げるべきテーマだと思います。
─では単刀直入に、みねたさんは、なぜそれほどまでに「資金管理」にこだわるのでしょうか。
みねた) 一言でいえば「ギャンブルだけで生きてきたから」です。ツイッターをご覧の方はご存じだと思いますが、かつて私はスロットで生計を立てていました。当然ながら、スロプロに安定した収入はないし、負けたからといってどこかから補填されるわけでもありません。打ち子も雇っていたので彼らの給料も捻出しなければならない。そんな、「負けたら終わり」の状況を経験しているから、資金管理への意識が強いのでしょう。
─いくら目の前に設定6が確定している台があっても、打てなければしょうがないですもんね。
みねた) 競馬も、いくら回収率120%の理論があっても、当たる時に馬券を買えてないと意味がないですから。仮に私の予想に乗っていたとしても、払い戻し40万円の時に買い逃していたら4000%の損失です。競馬というギャンブルは回収率110~120%ぐらいが限界なので、そこで4000%を逃したら、取り戻すのに相当な労力が必要ですよね。
─その点を踏まえて、noteで「1Rあたりの資金は自分がギャンブルで使える金額の1/100以下、出来れば1/1000以下で馬券を買うのを推奨します」という記述がありました。
みねた) 確率の話ですね。競馬でいう回収率は、スロットでいうと「機械割」という概念になるのですが、例えば、機械割の甘い台として絆(バジリスク~甲賀忍法帖~絆)があります。この台は設定6の機械割は119.2%あるのですが、それでも1万G回して、負ける確率が10%ぐらいあるんですよ。
─1万Gというのは、スロットのレバーを1万回叩くということですよね。
みねた) 絆のボーナス確率は約245分の1なので、その40倍以上です。確率の40倍以上の施行回数を重ねても、10回に1回は負ける可能性がある。これを競馬に当てはめてみましょう。私の◎の単勝平均オッズは17~18倍ぐらいなので、回収率100%なら17回に1回ぐらい当たる計算になりますよね。
─数字に弱いので目眩がしてきましたが(笑)、なんとか理解できます。
みねた) ということは、確率の40倍は17×40=680。680レースやった段階でも、確率の下ブレで、10回に1回は負けるということになります。1日12レース参加したとして56日間、つまり7カ月間負けるということもあり得るわけです。そういった確率の偏りを考慮すると、1レースあたり、持っている資金に対して賭け金を100分の1、可能ならば1000分の1にとどめることで、資金のショートに備える必要があると考えます。
─仮に、15回に1回の確率で17倍を当てられる回収率113%の馬券師だったとしても、(40倍した)600レースの段階で負けている可能性があるということですか。回収率110%を超えるような予想理論なら、何があっても負けなさそうに思えますが、意外と危ういんですね。そして、下ブレをひいて資金が枯渇したら、そこで退場しなければいけない。
みねた) 実際には、持っているお金の1/100または1/1000を使うので、枯渇はしませんけどね。1/100を使う場合、持っているお金が100万円なら1レース1万円だし、外れて80万円になったら1レース8000円になります。120万円に増えたら1レース12000円使うということですね。AIならば、これをレース単位で計算してやってくれるでしょうが、私は人力なので、週単位で「今週は1レース●万円まで」という具合に決めています。
─では、実際のファン目線にあてはめてみたいのですが、例えば「1カ月の馬券予算は5万円まで」みたいな方は少なくないと思うんです。そういう方の場合、どう買えばいいのかなと。
みねた) わかりました。ただ、「1カ月の馬券予算は5万円まで」というのが、負ける前提ですよね。冒頭の話じゃないですが、5万円使って無くなったら、翌月に給料から5万円が補填されるという。そうではなくて、まずはその5万円を1年ためれば60万円になるので、それを元手にスタートするのがベターです。というのも、しばしば「みねたさんみたいに資金がないんです」というコメントをいただくのですが、それは…(以下、次回に続く)。