プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“昇級戦1番人気馬は愛を持って追え”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
10月11日 東京11R アイルランドT 芝1800m
アイルランドTは東京芝1800mで施行。初角となる3コーナーまで300m以下という「コースパターンA」の形態なので、先行争いにおいては内枠が有利です。同コースで行われた毎日王冠も1番枠のセイウンハーデスが勝利し、3番枠のレディネスが3着でしたね。
登録18頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは8頭。比較的先行馬が揃っているので、その点からも内枠先行馬には警戒です。
想定1番人気はカムニャック。昨年のオークス馬で今春のヴィクトリアマイルも2着ですから、人気になるのも頷ける実力馬です。ただ過去の履歴を遡ると、好走するとすぐ人気になり、凡走してもすぐに人気を落とすタイプに見受けられます。タイミングとしては凡走後に積極的に買いたいところで、今回、妙味は無さそう。想定2.0倍の1番人気は、辛いなぁというのが率直な印象です。
想定2番人気のクイーンズウォークは今春のヴィクトリアマイルで3着。カムニャックから0.3秒遅れを取りましたが、8-10からよく伸びた内容は価値があります。2走前は牡馬相手のG2金鯱賞で1番人気3着、昨秋の天皇賞(秋)でも勝ち馬から0.4秒差と濃い内容ですが、負けている分、オッズが甘くなりやすい臨戦過程。想定5.1倍ですが、オッズほどカムニャックと勝率の差があるようには思えません。
想定3番人気はジョスラン。昨秋の秋華賞が4着で、春には福島牝馬Sを制しています。4歳牝馬の上位グループを形成する1頭で、上位人気の評価も妥当ではあります。鞍上がルメール騎手というのも心強いですね。これで10倍貰えれば◎候補なのですが、想定7.4倍はなんとも悩ましいライン。
セキトバイーストは春にほぼ同条件の府中牝馬Sを勝利。当然、リピート好走があっても不思議ではありません。斤量も当時より1キロ軽くなります。1800mで4勝と距離実績も十分。好走後にもかかわらず、想定10.5倍というのは「まだ、こんなにつくのか」という印象で、このオッズなら期待値はありそうです。
昨年の覇者ラヴァンダは前走の中京記念でレコード勝ち。当然、東京芝1800mへ替わることに不安はなく、レコード勝ちの直後で5番人気・10.8倍はナメられていると言っていいでしょう。乗り替わりは多少気になりますが、それでもこのオッズなら。
チェルビアットは前走の中京記念で4-5-5から0.5秒差の7着。ズルズル下がらずに踏ん張った内容に好感が持てます。想定28.3倍なら期待値はありそう。
ルージュソリテールは2走前が7-2-2→12着、前走が3-4-4-3→6着とスムーズさを欠く走り。スムーズだった3走前の阪神牝馬Sでは0.2秒差の3着と重賞通用の力を見せています。ここ2走の敗退で人気を落とすなら穴候補として一考。
「コースパターンA」だけに、枠順と並びは特に重要。しっかり精査して正解に辿り着きたいですね。なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言253
昇級戦1番人気馬は愛を持って追え
★ピックアップレース★
9月12日 阪神11R チャレンジC 芝2000m 良
◎7ジーティーアダマン
穴○5ピースワンデュック
穴▲12レーゼドラマ
△8カラマティアノス
☆9マテンロウゲイル
☆11マリアイリダータ
注3センツブラッド
注15ジョバンニ

―今回取り上げるのは9月12日に行われたチャレンジCです。◎を打ったジーティーアダマンが5番人気3着し、注→△→◎の決着。3連複は168.4倍の万馬券となりました。
みねた)この3連複は非常に美味しかったですね。よく3着争いを凌いでくれました。
―ジーティーアダマンを評価した理由を教えてください。
みねた)私が活用しているAI(天狐)の指数はこの馬が抜けていました。能力評価においてもこの馬1頭だけがS評価で、想定オッズも5倍以上あったので、好走率も高く、期待値もこの馬にかなり集中しているということがわかります。ではなぜAIがそこまで高く評価したのか? 推測になりますが、結局、人気の落ちどころ、つまり期待値ということに行き着くのだと思います。
―人気の落ちどころ、ですか。3走前に3勝クラスを勝利して、続くリステッドの都大路Sでは単勝1.9倍の1番人気に推されましたが3着まで。そして小倉記念は3番人気6着。今回は原稿執筆の時点で7番人気、最終的には単勝10.8倍の5番人気でした。
みねた)リステッド競走で0.4秒差の3着、クラスが上がった小倉記念でも3番人気と評価されたものの0.5秒差の僅差とはいえ6着止まり。今回は再度のG3なので、人気が落ちていくのは、まぁ、自然な流れではありますよね。ファン心理としては、昇級初戦で期待して、重賞でも改めて期待したけど、「やっぱり重賞では少し足りないよね」といった感じで。ただ、3着止まりだった都大路Sは4-5と脚をためて伸びており、クラスが上がった方がいいタイプではありました。
―それでも、◎にするほどの強い理由にはみえないような…。
みねた)戦歴を辿れば、新馬戦→すみれSを連勝しており、昇級初戦で1番人気といっても、そもそも勝っているクラスではあります。デビュー2連勝後の3連続の大敗で馬柱は汚れましたが、王道のクラシック戦線でのもの。クラシック戦線というのは別格でレベルが高いので止むを得ません。菊花賞の6.8秒負けというのは負け過ぎなので度外視してもいいでしょう…という理由づけはできるのですが、それよりも「人気を辿っていけば、ここが人気の落ちどころだった」ということです。1番人気→4番人気ときての7番人気(予想時点)ですからね。馬名も派手ではないですし、過去にレコード勝ちのような目立つ戦歴もない。やっぱり、期待値を追うなら地味なタイプの方が回収しやすいよね、という話ですね。
―過剰人気になる要素が少なく、G3では足りないよねと多くのファンが見限ったタイミングでもあったと。
みねた)強調しておきたいのは、「昇級初戦で1番人気になるような馬は、その後も追いかけた方がいい」ということ。昇級初戦で1倍台になるような馬はなおさらです。昇級初戦で1番人気になるということは、そうさせるような勝ち方をしたということですし、優秀な専門紙の記者の方も高く評価したということでもあります。そういう馬は、そのクラスで通用する能力を有しているのはほぼ間違いありません。
―仮に昇級初戦で負けたとしても、追い続けるといいことがある、と。
みねた)昇級初戦は負けやすいんです。いわゆるペースの違いとかクラスの壁がありますし、1番人気ということはマークされる存在でもあるので。だから昇級初戦は期待値がないことが多いのですが、能力は足りているので、その後にどこかで馬券に絡んできます。だからしっかり愛を持って追いかけましょう。
―なんか推し活みたいな話になっていますね(笑)。
みねた)見返りのない推し活は犯罪沙汰になったり、悲劇を招くことがありますが、昇級戦で1番人気になった馬を追いかけるという推し活は、言うなれば「見返りのある推し活」です。昇級初戦で飛びつき、その後に見限るというミーハーはダメ。負ければ負けるほど人気は落ちていくので、しっかり推し活を続けていれば、大きなリターンをもたらしてくれるはずですよ。
―人気の落ちどころという視点、そして見返りのある推し活、しっかり心に留めておきたいと思います。
みねた)ジーティーアダマンだけではなく、勝ち馬のジョバンニも2着のカラマティアノスも前走1番人気。そして今回は3番人気と9番人気ですから、これもやっぱり「人気の落ちどころ」でしたよね。
(次回に続く)
