プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“底をみせていない≒弱みをみせていない”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
10月25日 京都11R 菊花賞 芝3000m
菊花賞は京都芝3000mで施行。初角まで300mを切っている「コースパターンA」(コースパターンの詳細は単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』をご覧ください)なので、先行争いにおいては内枠が有利です。
登録21頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは9頭。先行馬占有率は高くメンバー構成的にも内枠がベターです。また、しっかり脚をためられるタイプにアドバンテージがあるでしょう。
想定1番人気は三冠がかかるロブチェン。秋の始動戦となった神戸新聞杯はハナ差の辛勝でした。元々スタートを含めたレースセンスの良い馬でしたが、ここ2走は道中で位置取りを下げています。これが意図的なものなのか、追走力がやや落ちているのかは判断が難しいところ。接戦でしっかり勝ち切るあたりはテイエムオペラオーを思い出させますね。ここでも最有力候補で、三冠達成の可能性は十分。ただ、想定1.9倍なら50%ほどの勝率が必要になるので、このオッズではさすがに期待値はないと考えます。
想定2番人気のダノンヒストリーは新馬戦でアウダーシア以下に完勝し、ここまで4戦3勝。ここ2戦は1勝クラス、2勝クラスで2.3秒差、1.3秒差の圧勝です。古馬相手に2勝クラスでこの勝ち方はなかなかできるものではなく、相当な能力を秘めているのは間違いありません。目立つ勝ち方、そしてルメール騎手騎乗と過剰人気になりやすいパターンですが、ここはロブチェン以外にオッズが配られている状況。想定5.1倍なら期待値はありそうです。
想定3番人気のゴーイントゥスカイはダービーでロブチェンと0.1秒差。秋初戦のセントライト記念は1番人気を裏切る6着でした。距離延長でこれまでより位置を取れそうなのは好材料ですが、前哨戦掲示板外にもかかわらず3番人気というのは、やや人気し過ぎか。
コンジェスタスは神戸新聞杯で6着。春には京都新聞杯を制しています。ロブチェンとはダービーが0.4秒差、神戸新聞杯が0.3秒差。着順ほど負けてはいません。4番人気→4番人気と敗退後で人気が下がらないのは不満ですが、想定19倍は悪くありません。
アウダーシアはセントライト記念3着。9-10-10-8と脚をためており、前哨戦としては上々の内容でしょう。ゴーイントゥスカイよりもオッズがもらえるのであれば、馬券妙味はこちらが上とみます。
メンバー構成的には追い込み勢に注意を払いたいところ。弥生賞を差し切り、ダービーでは捲って3着だったバステールがその候補でしょうか。ただ、さすがにセントライト記念(13着)は負け過ぎという印象はあります。
サノノグレーターはラジオNIKKEI賞を4角11番手から差してレコード勝ち。ロブチェンの三冠阻止というイメージはあまり湧きませんが、想定87倍なら期待値はありそう。
3連勝で2勝クラスも突破したのがマジョレルブルー。欲をいえば重賞での敗戦などを挟んでくれた方が妙味は出たと思いますが、想定31.2倍なら狙ってみる価値はあるでしょう。
春クラシックに出走した既成勢力が一息とみるならば、チャリングクロスも一考の価値あり。3勝クラスの日本海Sでは1番人気を裏切る形となりましたが、2勝クラスは勝利しており、穴馬の資格は有しています。
メンバーを見渡すと、三冠を目指すロブチェンは相手に恵まれた印象で、“運”も持っているなと感じます。あとは夏に上昇してきた上がり馬との力関係がどうか。あとは各馬とも、内枠が欲しいところです(ルメール騎手だけは外枠でもなんとかなりそうですけどね)。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言255
底をみせていない≒弱みをみせていない
★ピックアップレース★
10月10日 東京11R サウジアラビアRC 芝1600m良
◎4アゴルディーノ
高○9ジップスパーク
穴▲8グルーヴェンス
穴△1ギブリ
☆5フィリオソラーレ
注2デミアン
注6ベルウッドディープ

―今回取り上げるのは10月10日に行われたサウジアラビアRCを取り上げます。この週は3日間開催で3つの重賞が行われ、このレースとスワンSで◎が勝利。このレースのアゴルディーノが3番人気・6.6倍、スワンSのダイヤモンドノットが2番人気・6.1倍と、まさに“獲りごろ”の単勝という印象です。
みねた)相手がズバッとハマらなかったのは残念ですが、この2頭の単勝は期待値がある、要するに「美味しい」オッズでしたね。こういう単勝でリターンを確保しつつ、どこかで3連単まで獲り切りたいところです。
―話をサウジアラビアRCに戻しますが、このレースは1戦1勝のフィリオソラーレが単勝2.4倍のやや抜けた一番人気に推されていました。POGの媒体でも取り上げられていた評判馬です。
みねた)素質馬が揃う6月の東京で新馬勝ち。勝ち時計の1.34.3も優秀ですし、3番手から逃げ馬を捉えた勝ち方もいい。人気になるのも頷けます。メンバーの中で最も勝率が高かったのもこの馬だったと思います。ただ、2.4倍ということは、期待値を取るためには40%以上の勝率が求められますから、そこまで勝率が抜けているとは考えにくいですよね。
―「新馬戦だけ走れば…」とも思いますが、重賞レベルのメンバー相手に10回に4回以上勝てるかというと、難しそうな気はします。
みねた)「新馬戦だけ走れば…」とおっしゃいましたが、ポイントはまさにそこ。2歳戦線において1戦1勝の人気馬は基本的に「危険な人気馬」になりやすいのですが、その最大の理由は「安定して前走のパフォーマンスを出せるとは限らない」という点にあります。
―キャリア1戦で人気になるということは、時計が速かったとか上がりが速かったとか、それだけのパフォーマンスをしていたということですもんね。
みねた)そうなのですが、振り返ってみると新馬戦だけ強かったみたいな馬もたくさんいるじゃないですか。仕上がりが早くてデビュー戦がピークだったとか、気性的に新馬戦から全能力を発揮できる点にアドバンテージがあったとか、その要因は色々あるでしょうけど。
―やっぱり無敗馬ってロマンが溢れているんですよ。一体、どこまで強いのだろう、という。
みねた)底を見せていないということですからね。ただ、それは裏を返すといいところしか見せていない、つまり「弱みをみせていない」の裏返しでもあります。
―言われてみれば、それはその通りですね。1戦1勝ということは、その馬の負けパターンもわからない。
みねた)私が、2歳戦などキャリアの浅い馬同士の戦いでは、色々な競馬を経験している馬が有利だと説くのも、そういうことです。このレースで上位人気5頭のうち、唯一、1戦1勝ではなかったのが3番人気の◎アゴルディーノでした。
―この馬は1200mの新馬戦で1着、続くコスモス賞ではデアグランツとタイム差無しの2着でした。
みねた)初戦で1200m、2戦目で1800m。この時点で経験値が違いますよね。しかも2戦目のコスモス賞では1番人気に支持されています。普通、600mもの距離延長になる馬は軽視されがちで、それだけこの馬は初戦の内容が良く、現場の評価が高かったことが見て取れます。
―そして今回は1600mへの距離短縮。
みねた)先行して勝ってきた馬が揃う2歳重賞において、距離短縮ローテも有利ですよね。今回はこの馬が唯一の距離短縮ローテでした。1200mでデビューさせるぐらいスピードのある馬ですから、距離短縮で追走に苦しむ可能性も低く、非常に有利なローテーションだったといえます。
―メンバー唯一の短縮ローテ、オープンでの好走実績。確かに馬柱的には買い材料が多くて、3番人気・6.6倍というオッズは甘く感じますね。
みねた)600mの延長でタイム差無しの2着というのは、この馬の能力や競馬センスを表しているように思いますが、やっぱり1戦1勝と比較して、例え2着であっても、「負けている」ことで、馬券ファンには弱い馬に映ってしまうという側面はあるのでしょう。いずれにせよ、1戦1勝馬が人気を集めがちな2歳戦線において、経験値の強みは看過できません。アゴルディーノのようなOP経験のパターンだけでなく、未勝利を何戦も経験して勝ち上がってきた馬も期待値のあるケースは少なくないですよ。
