「マイネル軍団」の総帥として競馬界を牽引してこられた岡田繁幸氏が亡くなって早一年。私が尊敬する中村均元調教師へ、岡田総帥が信頼の証として預けたというトラストが今や誘導馬となり、先日の桜花賞でお弟子の長谷川調教師が管理するナムラクレアと共演した──。
時の流れのはやさを感じるとともに、トラストとナムラクレアの担当者さんが同じであることから、胸にグッとくるものがありました。レース前から泣いてどうするって話ですけど。
そんなトラストは、岡田総帥が亡くなった翌日にペガサスJSへ出走し、一旦抜け出しながらも結果2着。彼を応援していた私は正直悔しくてたまらなかったのですが、実はその時の勝ち馬も岡田総帥が創設した一口馬主クラブ『サラブレッドクラブ・ラフィアン』の所有馬マイネルレオーネでした。
▲清水久詞厩舎のマイネルレオーネ
天国の岡田総帥に捧げるようなワンツー決着。あの時きっと、中山の障害コースには競馬の神様が降りてきていたのでしょう。
ですが、そのすぐ後、マイネルレオーネは脚部不安による11か月の休養を余儀なくされました。復帰戦は今年の2月26日に行われた春麗JS。10歳ですし、流石に休養が長いので、私はいきなりからは厳しいのかな、なんて勝手に思ってしまっていて…反省しました。
休む前に比べるとズブい感じはしたものの、相変わらずのトビのうまさと、最後の直線で見せた目の覚めるような脚! 1年前はトラストのライバルとして見ていたけれど、小柄な彼に秘められたとてつもないパワーに感動してしまいました。
『根性は相当なものがありますよ。だってレオーネはあのキタサンブラックの同級生で、ブラックの現役時は併せ馬の相手もしていたんですから』とは、マイネルレオーネを担当する紺野助手。540キロのキタサンブラックと並んで走ると、400キロそこそこしかないマイネルレオーネはまるで子馬のように見えたそうです。
キタサンブラックのトレーニングパートナー! マイネルレオーネのど根性/大スポ・赤城記者の栗東トレセンレポート
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。