私は九州生まれですが、小倉には競馬記者になるまで行ったことがありませんでした。賑やかで、競馬が根付いていて、食べ物が美味しい街…。夏の札幌・函館開催と同様に、小倉開催が始まると、先輩トラックマンやトレセンの方々がどこかソワソワし始めるのも今は分かる気がします。
さて、そんな夏の小倉…2022年8月28日の2歳新馬戦・小倉芝1800mで、着差こそクビながら非常にインパクトのある勝ち方をしたのがコナコーストでした。
▲清水久詞厩舎のコナコースト
ゲートも二の脚の速さも抜群で、そのままなら恐らく楽にハナを取れたくらいの手応え。でも、レース後のコメントにもあったように、鮫島克駿騎手はコナコーストの能力を感じていたからこそ、“勝つ事”ではなく“勝ち方”にこだわる競馬を選択。あえて抑えて他馬を行かせ、馬群のポケットでジッと我慢を覚えさせました。
抑えられた事で一旦はグッと力んだようにも見えたコナコーストですが、彼女がすごいのはそこからすぐに鞍上に従ったこと。2歳牝馬のデビュー戦には思えませんでした。
直線に向いて追われだすと、スローの流れを読んで先に動き出していた2着馬を外から捕まえました。ラスト1ハロンのレースラップ11.5秒。これを差し切ったんですから、相当な瞬発力の持ち主と言っていいですよね。
馬体の成長を待って5か月ぶりに出走した前走のエルフィンステークスは2着だったけれど、勝ったユリーシャに展開が向いたことを考えればよくあの位置から届いたなと。体重は10キロ減でも、つくべきところにしっかりと筋肉がついて引き締まっていました。
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。