JRA所属のディープインパクト最終世代は計6頭。先週の桜花賞に出走したライトクオンタム、きさらぎ賞・3着から青葉賞を目指すオープンファイアを代表に、メズマライジング、エレガントギフト、スイープアワーズが既にデビューしています。
残るはあと1頭…2021年のセレクトセールにて、1億2000万円もの高額で競り落とされたチャンスドゥアスク(牝・母ワッツダチャンセズ=梅田)です。
▲15日(土)阪神5Rでデビューするチャンスドゥアスク
牧場で育成されている頃から成長曲線が緩やかなタイプだったため、まずは昨秋にゲート試験だけ受からせ、ゆっくりゆっくり彼女のペースに合わせて調整されてきました。これは厩舎の忍耐力はもちろん、オーナーのご理解もないとできないことで、馬を大切に思う気持ちと信頼関係があってこそだと思います。
調教を徐々に強くしてこれたのは今年の春になってから。体質が弱い…というより、身体がまだ幼くて「くにゃくにゃ」だったからです。それを、担当の田中厩務員──かつてエアグルーヴやファインモーションを手がけた方は『ある意味、身体がものすごく柔らかい。関節の可動域が広いから、この周りにしっかりと筋肉が伴ってくれば、長所となりえると思うんです』と仰っていました。
調教を担当する前原玲奈助手(旧姓・西原元騎手)からも『最初は身体が柔らかすぎて、さらに芯も入っていなかったから乗っていて怖かったけど、やっとしっかりしてきました。これならデビューまで順調に行けそう』と1か月ほど前からお聞きしていて、私も個人的にこの日を楽しみにしていたんです。
もともと薄めだった馬体も田中厩務員の腕にかかればお尻からムチムチにボリュームアップ。その上で調教を積み、徐々に絞り上げてきました。
2023/04/14 (金)
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。