血統とは不思議なものだなとつくづく思うことがあります。
平田厩舎でとても可愛がられていた“ツンデレ娘”エマノンはスワーヴリチャードの全姉で、今で言う3勝クラス(当時1600万下)まで勝ち上がった馬。彼女にはツンデレ以外にある特徴があって、「調教では切れるのにレースでは前目で押し切りが得意」な馬だったそう。
現在、そのエマノンの仔が2頭、平田厩舎に所属しているのですが、母の特徴をそのまま受け継いでいるんです。
そんなのむしろ当たり前? でも、単に脚質が似ているだけじゃないのが、私が面白いなと思う所以。調教だと本当にタメが利き、追えば瞬時に伸びる。競馬でも最後のコーナーまで手ごたえは抜群なのでジョッキーさんは皆「よし!」と思うそうなのですが、そこから追ってあれ…? という感じになるみたいです。
今週の日曜京都6R(3歳上1勝クラス・芝外1600m)に出走するエマヌエーレはエマノンの一番仔。前述のように、とにかくタメて切れる手ごたえがあるようで、乗ったジョッキーさんは、まずそういう競馬をしたがるそうなのですが、結果的にそれだと追って届かず、むしろ前目につけた時のほうがいい競馬をするのです。
▲平田厩舎のエマヌエーレ(春撮影)
前走は札幌の芝1800mでモレイラ騎手が積極策で運び、早め早めの競馬で2着。勝ち馬とは内外を通った分もあったかと思いますし、あの形なら開催が進んでボコボコした力のいる馬場でも、上がり最速タイの脚も使えました。
2023/10/20 (金)
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。