YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは2/14(水)の大井・雲取賞。発走時刻は16時35分です。
~穴馬の共通点は“先行馬”~
2019年に重賞へ昇格し、コースも現在と同じ大井ダ1800mに変わった雲取賞。今年からは3歳ダート三冠競走の前哨戦の一つとしてJpnIIIへのさらなる格上げとなり、上位馬に優先出走権が与えられる羽田盃に向けても非常に重要な一戦となりそうです。
雲取賞は2021年、2022年が3番人気以内の上位独占、2023年も1~2番人気馬のワンツー決着という堅調なレース。能力差の大きい3歳前半、かつ大きなクセがない大井ダ1800mという舞台設定で行われるため、まずは純粋な能力比較が重要なレースであることは間違いありません。
ただ、過去5年で4番人気以下で好走した5頭は、通過順がいずれも3角3番手以内、うち4頭は初角3番手以内という点は大きな特徴。スタートから1角までが300mと短く、すぐに先行争いが収まりやすいことがその理由と考えられます。
古馬戦では向正面まで先行争いが続くことも少なくないですが、距離経験の少ないこの時期の3歳戦では先行争いが長引くことは少なく、過去5年のうち4年は前半1000m64秒台のスローペースを刻んでいます。
~Wild Againの先行粘着力~
血統面でも、地力差が大きいレースらしく多様な血統の馬が好走していますが、そのなかでも目立つのはWild Againの影響を強く受け継ぐ種牡馬。Wild Againは父Icecapadeから非凡なスピードを受け継ぎつつ、Nearcoの3×4やHyperionの4×3からスタミナ面を強化した、北米血統では異質な存在。先行力と終盤でバテない粘り強さが魅力の血筋で、日本の種牡馬ではトランセンドやパイロ、ジャスタウェイなどがこの血を引いています。
残念なことに、今年はWild Againの血を持った馬は出走しませんが、Storm CatやDazigなどのスピード血脈から先行力を受け継ぎつつ、Hyperionの血でスタミナ面を補強した血統馬に向く血統傾向は、今年も継続される可能性が高いと予想しています。
◆Wild Again
2019年2着ミューチャリー:父パイロ
2020年1着ゴールドホイヤー:父トランセンド
2021年1着ランリョウオー:父パイロ
2022年2着トランセンデンス:父トランセンド
2023年3着トワシュトラール:父トランセンド
【雲取賞の最終見解】