亀谷敬正 オフィシャル競馬サロン
  • TOP
  • 会員ログイン
  • マイページ
  • 入会案内
  • Q&A
  • お問い合せ
双馬毅の“ローテ×血統”錬金術
2024/02/28 (水)

【第142回】牡馬クラシックの予想に大きく影響する共同通信杯ときさらぎ賞の評価/双馬毅の“ローテ×血統”錬金術

プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回は牡馬クラシックの予想に大きく影響しそうな共同通信杯ときさらぎ賞の評価について。

なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!



──前回の予告通り、今回は共同通信杯の評価をお願いします。


双馬:対比が面白いので、共同通信杯だけでなく、きさらぎ賞の評価もしておきましょう。


<共同通信杯>
双馬:1、2着馬が強かったというのが率直な感想で、この世代の2~3歳戦で一番のハイレベルレースになりました。走破タイムが1分48秒0で同日の3歳未勝利より1.8秒も遅いので、疑う人もいるかもしれませんけど。


──「走破タイムでの能力比較は無意味」、「間違った物差しは間違った結果を呼ぶ」という話は、前回でも触れていましたね。どうしてそれだけ高評価するのか? 理由を教えてください。


双馬:まず前回お伝えしたように、強いと思っているパワーホールが展開にも恵まれたのに、上に2頭もいるわけですから、評価しないわけにはいきません。

勝ったジャスティンミラノはそもそも新馬戦がハイレベルでした。2着だったヘデントールは次走で勝ち上がり、このコラムでも「皐月賞の穴候補」と紹介した馬ですから(第139回参照)。この時のラスト2Fは10.8-11.3でしたけど、このラップで完勝できるんですから、こんなにキレ味のあるキズナの牡馬は稀です。


──双馬さんは以前から「キズナの牡馬は33秒台の上がりを要求されるとキレ負けする」と言っていますよね。


双馬:新馬戦が上がり33秒4、共同通信杯が上がり32秒6ですから、キズナ牡馬のイメージを完全に超越しています。血統表を見ると、母系がDarshaan、Sir Ivor、Sir Gaylordなど瞬発力の塊みたいな血統構成なので、その影響でしょう。瞬発力はこの世代でトップレベルです。

ただ、ドスローの2戦しか経験していないので「クラシックでも大丈夫」とまでは言えません。母父がデインヒル系で短縮ローテの方が良いタイプでもありますからね。有力候補の1頭であることは間違いないですけど、そういう不安はあります。


──2着に負けたジャンタルマンタルはどう見ていますか?


双馬:初めての延長ローテだったので評価を下げましたが、折り合いを欠きながら上がり32秒6を出せるんですから、やはり強いんでしょうね。普通だったらエコロヴァルツみたいに折り合いを欠いて負けるんですよ。

デイリー杯2歳Sと朝日杯FSはレベルが低かったので、ジャンタルマンタルがどれだけ強いか分からなかったんですけど、今回はちゃんと強い馬がいたので、ようやく実力を測ることができました。初めての延長ローテでこれくらい走れるなら、自信を持ってG1馬と言えるレベルです。


──ということは、ジャンタルマンタルはクラシックでも中心視できるということですね?


双馬:完全にアメリカンな血統ですから、いつものタフな皐月賞なら良くないんですけど、軽い馬場だったら良いと思います。ここ最近の中山は軽いですからね。雨が降らずにこのままいけば軽くなる可能性はあります。

臨戦過程も朝日杯FSで厳しい流れを経験して、今回延長ローテで折り合いを欠くことも経験していますから、悪くありません。クラシックにおいて、距離が延びるかもしれないと思いながら走る馬と、同じ距離だろうと思って走る馬の差は大きいですからね。


──他の馬についても聞かせてください。


双馬:2番人気だったミスタージーティーは今回は馬場も展開も向かなそうだと思っていましたが、やはりその通りでした。

だいたいミスタージーティーが人気になっているのもちょっと意味不明なところがありましたよね。「ホープフルSは直線で追えていないから、本当なら3着まで来ていたはずだ。だからここだと一番強いんだ」という論調があってだと思うんですけど。


──たしかに、そういう見解はいくつか見ました。


双馬:でも、ミスタージーティーって前に行けないじゃないですか。スローペースのキレ味勝負になりそうなここでは積極的に狙えません。血統も父ドゥラメンテ、母父サドラーズウェルズですから、キレ味勝負がベストではないですし、短縮ローテですから位置取りが下がりますよね。


──結果的に、見せ場もなく7着に負けてしまいました。


双馬:でも、この結果で評価を下げるべきではありません。ここでは「みんなが速い上がりを使えるレースは得意じゃないんだな」と思えば良くて、「上がりがかかるところで脚を使うのが得意なんだろうな」って覚えておけば、他のレースで狙えるんです。


──ミスタージーティーの半兄サトノルークスも、ディープ産駒なのに33秒台の脚を使うような馬じゃありませんでしたよね。


双馬:半姉タッチングスピーチも半兄ムーヴザワールドもすごい上がりを使っているように見えて、33秒7とか33秒8までしか出せていませんでした。タッチングスピーチがミッキークイーンに勝ったローズSはものすごく強かったですけど、あの時の上がりだって33秒9ですから。みんながバテているときに伸びる能力が高い一族なんです。


──ミスタージーティーにはいつか馬券でお世話になりそうですね。


双馬:良い馬なのは間違いないですからね。それを揺るがずに持っておけるかどうかです。「ここで負けたから弱い。ということは、ホープフルも低レベルだったんじゃない?」となると、すべてが食い違います。ホープフルSより朝日杯FSのほうがレベル高いんだと思ってしまうと、能力比較が狂ってきます。レガレイラが弱いってことはありませんから。


──前回おっしゃっていた「能力比較は敗因を踏まえてやらないと意味がない」というやつですね。では、エコロヴァルツ、ショーマンフリート、ベラジオボンドについても一言ください。

この記事はレギュラーコース&プレミアムコース会員限定です。続きを読むにはログインしてください。

サロン会員でない方は、入会案内をご参照の上、入会手続きをお願いいたします。

入会案内へ
会員ログインへ
  • 2025/11/12 (水) 【第230回】エリザベス女王杯展望「3歳勢と古馬勢どちらが上?」/双馬毅の…
  • 2025/11/05 (水) 【第229回】馬券特化型の2歳戦診断(9月27日~10月26日分)/双馬毅の“ローテ…
  • 2025/10/29 (水) 【第228回】天皇賞・秋展望「3歳トップレベルと古馬、どちらが上なのか?…
  • 2025/10/22 (水) 【第227回】菊花賞展望 延長適性とローテで波乱の予兆あり!/双馬毅の“ロ…
  • 2025/10/15 (水) 【第226回】秋華賞展望 良馬場なら魅力的な穴馬、 重馬場ならカオス/双馬…

連載バックナンバー

双馬毅 近影

双馬毅

2008年春から某キャッシングの5万円を原資に馬券生活をスタート。今井雅宏、亀谷敬正の熱心な読者でもあり、「彼らの理論を読めば、年に2000万は楽に勝てる」を実証した人物でもある。ここ数年は1000万単位で勝つ年もザラとなっている。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。

新着記事/コンテンツ
記事一覧
  • 2025/11/12 (水) 11月13日(木)南関競馬の亀AI複勝率/大井競馬
  • 2025/11/12 (水) 先週の亀レビュー(11/8~11/9)/亀谷敬正のレース回顧
  • 2025/11/12 (水) 【第173回】エリザベス女王杯のステップレース分析/今井雅宏×亀谷敬正 ~トレンド種牡馬トーク
  • 2025/11/12 (水) 【第230回】エリザベス女王杯展望「3歳勢と古馬勢どちらが上?」/双馬毅の“ローテ×血統”錬金術
  • 2025/11/12 (水) 【第207回】エリザベス女王杯展望&大幅条件を仕掛けた馬は引退まで追いかけろ/馬券師・みねた…
  • 2025/11/11 (火) 11月12日(水)南関競馬の亀AI複勝率/大井競馬
  • 2025/11/11 (火) ハイセイコー記念/競馬オタク・坂上明大の南関競馬予想
  • 2025/11/11 (火) エリザベス女王杯はBコース3週目の施行/コジトモの馬場よもやま話
  • 2025/11/11 (火) 出世レースのデイリー杯2歳S、好メンバーが揃った今年の注目馬/東スポ・藤井記者の“若駒”生情報…
  • 2025/11/11 (火) 11月11日(火)発売の週刊アサヒ芸能・亀谷敬正の連載記事/エリザベス女王杯

会員ログイン

データバイヤーIDをお持ちの方

亀谷競馬サロンの会員でない方は、
入会案内をご参照ください。

copyright © K-MATE All rights reserved. 特定商取引法に基づく表記

入会のご案内
page top