プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回はフェアリーS、シンザン記念、京成杯の振り返りに加え、クラシック路線に加わりそうな有力候補をご紹介いたします。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:先週に引き続き、3歳世代の評価をしていきたいと思います。今週はフェアリーS、シンザン記念、京成杯の回顧です。
<フェアリーS>
双馬:走破タイムが当日の未勝利戦や前日のジュニアCよりも遅いので、世間の評価は低くなると思うんですけど、僕はレベルは低くないと思っています。
勝ったイフェイオンは阪神JFの前に公開した2歳牝馬の格付けでトップレベル(B+)にしているように、もともと評価の高い馬です。今回は有利ではない外枠でしたが、しっかり勝ち切りました。
時計が遅くなったのは中盤が緩んだせいです。テン3Fは34秒7で悪くないんですけど、その後11.9-12.3-12.2という遅いラップが続いているんです。こうなるとタイムは出ません。ラスト2Fは11.5-11.4と文句のつけようがないラップなので、この走破タイムで評価を落とすべきではありません。
先週も言いましたけど、僕は走破タイムは気にしません。タイムより各馬のローテ、上位に来たメンバー、着差を重視します。このレースも、タイムで世間が評価を下げるなら評価を高くしておいた方がいいでしょう。
2着のマスクオールウィンも良い馬です。ドレフォン産駒ですけど母方が欧州血統でスケール感がありますし、短距離一辺倒みたいな馬体でもありません。もしドレフォン産駒ということでクラシックで過小評価されるなら、穴として面白い存在になりそうです。
──マスクオールウィンはボンドガールが勝った新馬戦の4着馬なんですね。1着ボンドガール、2着チェルヴィニア、3着コラソンビート、4着マスクオールウィン、6着キャットファイトって凄すぎですね。
双馬:3着のラヴスコールも新馬戦のレベルが高かったですね。新馬戦で負かしたラーンザロープスはシンザン記念の4着馬ですから。前走の敗因は延長ローテと大外枠でしたが、今回は一番有利な枠でローテも良くなっていましたから能力を出せました。
4着のスティールブルーは一番レベルが高いと言われているアルテミスSの3着馬です。それより上の着順に3頭いることを考えても、フェアリーSのレベルが低いことはまずないと思います。
<シンザン記念>
双馬:これは驚きのレースでしたね。ノーブルロジャーがこんなに強いとは思っていませんでした。新馬戦がドスローで、ノーブルロジャーは1000mを1分3秒5で通過して、33秒3で上がった計算になります。
こういう勝ち方をした馬が、ペースが流れて、タフな馬場で、上がりもかかって、メンバーも強くなって、頭数も増えてと、楽な状況がひとつもないのに楽勝するなんてあまり考えられないことなんですよ。だから底が見えない。
──ものすごく強いということですか?