プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは馬券特化型の2歳戦診断(8月16日~8月24日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:今回は2歳戦診断です。この期間には新潟2歳Sがありましたが、ちょっと特殊なレースになりましたね。また、新馬戦ではベラジオオペラを彷彿させる大物候補も出てきました。
──それでは、注目レースをひとつずつ解説お願いします。
双馬:「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
8/24 新潟11R 新潟2歳S 芝1600 良
勝ち馬:リアライズシリウス
双馬:まずは重賞から見ていきましょう。新潟2歳Sは出走登録を見たときから「うーん……」みたいなメンバーだったんですけど、かなり特殊な競馬になって勝ち馬が強いのかどうかさえ分からなくなりました。
──特殊な競馬というのは?
双馬:前に行った2頭(フォトンゲイザーとリアライズシリウス)と、後方集団のラップが違いすぎるんです。勝ったリアライズシリウスの1000m通過は1分ジャストなんですけど、後方から3着に来たフェスティバルヒルは1分1秒6ですから1.6秒の開きがあるんですよね。4着のサンアントワーヌとも1.3秒開いています。
──別のレースをしているみたいな感じですね。
双馬:折り合いを気にせず前に行ったリアライズシリウスと、競馬を覚えさせながら勝ちたいフェスティバルヒルやサンアントワーヌとで大きな違いがありましたよね。迷わず先行した馬が、競馬を覚えさせようと思っている馬を出し抜いて勝つことは2歳戦でよくありますけど、まさにそういう感じでした。
リアライズシリウスはキレ味抜群の馬ではありませんから、津村騎手も出遅れ気味ながらも前に行って、馬の特性をよく活かした乗り方になったと思います。重賞で4馬身差の圧勝ですから世間の評価は高くなると思いますけど、良馬場やキレ味が必要なレースで人気になるなら疑いたいですね。逆に、タフな馬場でキレ味のいらないマイル戦なら世代トップクラスの可能性があります。
2着タイセイボーグは前走展開不利があったとは言え、レベルの低かったダリア賞で2着だった馬です。3着フェスティバルヒルは折り合いに専念してほとんどレースになっていませんでしたし、4着サンアントワーヌもキレ味がないのに後ろにいたので届きませんでした。
このように、色々なことが重なってこの結果なので、今年はレースレベルが高いとは言えません。超高速馬場ということを考えたらタイムも速くないですしね。
▼ピックアップレース(2)
8/16 新潟4R 2歳新馬 芝1600 良
勝ち馬:モンローウォーク
評価:C
双馬:メンバーレベルは平均なんですけど、モンローウォークはここではモノが違ったなという印象です。余力たっぷりでラスト3Fのラップが11.6-11.1-11.2ですし、流行りのキズナ×欧州血統で厩舎も良いですから、次が楽しみですよね。クラシック路線に乗ってきそうです。
▼ピックアップレース(3)