プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「ジャパンカップ展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回はジャパンカップの展望です。
双馬:ジャパンカップでこんなに予想が楽しそうなメンバーが揃うのは珍しいですね。各世代の強い馬がだいたい出て来て、個性もそれぞれ違うじゃないですか。
──ダービー馬が3頭いて、東京芝2400mで好走実績がある馬もたくさんいますね。
双馬:だから、レースとしても面白いし、予想するのも面白そうだなというのが第一印象ですね。
──予想する上でのポイントは何になるでしょうか?
双馬:ほとんどレベル差がないという点と、天皇賞・秋がかなり特殊なレースだったという点ですね。
──つまり、大波乱になってもおかしくないってことですね?
双馬:はい。展開や馬場など、何かが1つ狂えば着順が大きく変わるメンバー構成だと思っています。
──なるほど。では、人気馬の解説からお願いします。1番人気はどうやらマスカレードボールになりそうです。
双馬:そうなんですか? いつクロワデュノールを追い越したの?と思いますが。
──天皇賞・秋で古馬を一蹴したからでしょうね。
双馬:でも、その天皇賞・秋が特殊すぎるんです。テン3Fが37秒1で、1000m通過が62秒0という新馬戦みたいなラップで、ラストの3Fが10.9-10.9-11.1です。シランケドの上がり31秒7なんて東京で見たことのないような数字ですから、いかに上がりだけの特殊なレースだったかが分かりますよね。
天皇賞・秋の展望では「短縮ローテでペースが上がるのが不安要素」と解説しましたけど、蓋を開けたらダービーよりも遅いペースになったので、楽に追走できて走る距離も短くなるという最高の条件が揃いました。さらに、究極のキレ味勝負に対応できる馬が少なかったのも良かったですよね。
この結果でマスカレードボールが一番強いと評価してしまうと、最後方から0.2秒差の4着まで来たシランケドがスイープトウショウぐらいの名牝ということになります。シランケドは強いですけど、さすがにそこまでではないと思っていますから。そうなると天皇賞・秋の評価を下げた方が得ですよね。
──今回ペースが流れたら天皇賞・秋のような脚は期待できないわけですね?
