競馬評論家・TARO氏による、騎手の分析を中心にした回顧&展望コラム『TAROのジョッキーズファイル』。今回のテーマは「岩田望来騎手」です。
なお、『競馬放送局』ではTARO氏の厳選勝負レース(予想)を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
▼新刊『道中の動きが見えてくるジョッキー事典』は絶賛発売中!
TARO氏の新刊『道中の動きが見えてくるジョッキー事典』が絶賛発売中です。競馬サークルの“外”で確固たる地位を築いた著者だからこそ書ける「忖度なし」の騎手評論は必読です!
先週末は何といっても岩田望来騎手の大爆発でしょう。土日合計9勝の大活躍! とはいえ、現状の岩田望騎手の騎乗ぶりを見ていれば、特に驚きはありませんでした。
かつては重賞で勝負弱いなんて言われたこともありましたが、もうそれも遠い昔のように思えます。今回は現状の狙いどころをまとめておきましょう。
~基本は追い出しを待って差せる万能型!~
岩田望騎手の基本スタイルは、好位~中団差しを武器とする万能型です。逃げを選択することは多くなく、道中はジッと脚を溜めて進路を探るのが得意パターン。
競馬=逃げ有利のイメージもありますが、岩田望騎手はあまり逃げない。先週の9勝も逃げ切りはゼロでした。というか今年になってから逃げたのはたったの4回、逃げ切りでの勝利はゼロです。
イメージしやすいところだとヨーホーレイクで3着した大阪杯は、じっと待って差してくる好騎乗。ヤンキーバローズのファルコンS、アブキールベイの葵Sなど、父を彷彿とさせる溜めて弾けさせるスタイルが最大の持ち味でしょう。
“脚を溜めるのが基本スタイル”と考えて間違いないです。
それは前走で逃げていた馬でも同様です。例えば1/25(日)の未勝利(中山1R)を勝ち上がったアンプイットアップは前走・丹内騎手で逃げて2着。当然次走も逃げるものかと思われましたが、内のサノノキャニオンが行くそぶりを見せると、サッと引いて2番手に控え、そこから押し上げて行って勝利。
逃げというのはどうしても、2番手以降の馬の戦略次第の面で潰される面もあり、主導権を握っているようで実はハイリスクな戦略。岩田望騎手はそこを選択せず、好位で自らが主導権を握ることを優先するイメージです。
~パイロマンサーを開花させたのも岩田望来!~
昨年の全日本2歳優駿を3戦3勝で制したパイロマンサーを開花させたのも岩田望騎手です。同馬はデビュー戦で横山武騎手が騎乗し、積極策で押し切り勝ち。ダート馬ですし、当然2戦目も先行するかと思われました。
ところが2戦目で騎乗した岩田望騎手は、スタートを決めるとすぐに控えて中団待機。そこからしぶとく脚を伸ばして抜け出しました。キャリアの浅い段階でこういった競馬を試みて、しかも結果を出せるのが強み。次走、全日本2歳優駿での勝利は、この逃げ一辺倒からの脱却が生み出したものだとみています。
前走逃げていた馬でも安易に逃げない…というのは展開を考える上でもヒントになると思うので、覚えておきたい特徴の1つです。
