先週は日曜に阪神でG2フィリーズレビュー、中山でリステッド・アネモネSと2つの桜花賞トライアルが行われました。それぞれゴール前は接戦で、昨年の阪神JFを2馬身半差で快勝したリバティアイランドを脅かすほどのインパクトは感じられなかったように思います。
それでも今後につながる競馬だったのはフィリーズレビューを勝ったシングザットソングでしょうか。2、3着とクビ、クビ差の辛勝ではありましたが、先行馬総崩れのハイペース(前半4F44.9秒)を先行しての結果。これまで後方からいい脚を使って追い込むものの届かずだった馬が、従来と違ったスタイルで結果を出せたのは収穫だったように思えます。結果的に今回は展開が味方せず接戦となりましたが、自在の戦法が噛み合うようならば本番でも侮れません。
一方、アネモネSもトーセンローリエが2着馬の追撃を半馬身差おさえてV。1月の未勝利戦から3連勝を飾りましたが、前走の春菜賞ではインを立ち回るクレバーさを見せ、今回のアネモネSでは注文をつけて2番手からの競馬で押し切り。ポテンシャルの高さというよりは、横山和生騎手の好リードと、それに応える馬の器用さが光っている印象です。相手が一層強化されるうえに、舞台が直線の長い外回り阪神マイルとなる桜花賞で、はたしてどれだけやれるでしょうか。
さて、今週は土曜にG3フラワーC、日曜には中山でG2スプリングS。それぞれクラシックへ向けての重要な前哨戦だけに目が離せません。
まずはフラワーC。今年は1勝馬が中心の組み合わせとなりましたが、昨年の勝ち馬スタニングローズが、その後オークス2着、秋華賞1着。また一昨年の3着馬ユーバーレーベンがオークス馬になるなど、勝ち馬だけでなく敗戦組からも活躍馬が出ている一戦です。
血統面からはリスグラシューの姪にあたるココクレーターや、ドナウブルーの仔・ドナウパールのエピファネイア産駒2頭が注目ですが、勝ちっぷりの良さが評判だったのはメンバー中、唯一、新馬勝ちから臨むセリオーソです。
デビュー戦となった昨年12月の中山芝2000mでは中団待機策から直線一気のゴボウ抜き。最終的には2着馬に3馬身差をつける完勝をおさめました。
2023/03/14 (火)
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。