先週は中山で3歳牡馬クラシックの第一弾・皐月賞が行われました。結果は2番人気のソールオリエンスが後方追走から直線一気の差し切り勝ち。前後5F58.5-62.1秒の前傾ペースが味方した可能性はありますし、前日からの雨の影響で荒れた馬場適性も勝敗を大きく左右したと思いますが、それでもレース上がり3F37秒2を大きく上回る35秒5の末脚はインパクト十分でした。また1コーナーまでに最内枠から馬群の外へとパートナーを導いた鞍上・横山武史騎手の迷いのない騎乗ぶりも光りました。
次はいよいよ日本ダービー。脚質からおそらく広い東京へのコース替わりは歓迎のクチですし、まだ3戦のキャリアから余力、伸びシロともに不安はなさそうです。父は現役最強との呼び声も高いイクイノックスと同じキタサンブラック。戦国模様の牡馬クラシック戦線でしたが、一冠目を終えて、まずはソールオリエンスが一歩抜け出しました。
2着タスティエーラは先行勢で唯一、掲示板を確保。展開面を考えると負けて強しでしたが、父は現役時に中距離を中心に活躍したサトノクラウンで、同馬は重馬場の京都記念制覇や不良馬場の天皇賞・秋2着など、無類の道悪巧者でもありました。今回は色々と条件が噛み合った可能性がありますし、すでに今年3戦を消化しているように、ダービーへ向けては“余力”がポイントとなってきそうです。
これならむしろ3着ファントムシーフのほうが上積みは大きいかもしれません。まだ今年はキャリア2戦のうえ、東京コースで重賞勝ちの実績もあり。おまけに今回の皐月賞では道中、落鉄するアクシデントもありました。ダービーでは大きくパフォーマンスを上げてくる可能性がありそうです。
ちなみに、自分が当コラムを担当させていただくようになったのは昨年の8月から。そこからむかえた初クラシックでしたが、桜花賞では5番人気3着のペリファーニア、皐月賞では2番人気1着のソールオリエンスを注目馬として挙げさせていただきました。ともに関東馬最先着で、美浦トレセンで取材をする身としてはいい仕事ができたと自負しております。これもひとえに、こうやって毎週2歳馬取材を続けてきた成果だと思っていますので、今後もベストを尽くしていきます。
さて、今週は東京でG2フローラSが行われます。オークスのトライアルレースで2着までに優先出走権が与えられる一戦。本番も桜花賞馬リバティアイランド“1強”の情勢はゆるがないと思いますが、相手候補は大混戦だけに見逃せないトライアルです。
2023/04/18 (火)
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。