東京スポーツ・藤井真俊記者によるPOG最新情報。今回はスプリングS&若葉Sの振り返りと、土曜中山・伏竜Sの注目馬について。現場記者だからこそ聞ける話は必見です!
藤井真俊記者の最新記事や予想等はWebサイト「東スポ競馬」でご確認ください。
先週は日曜中山で皐月賞トライアルのスプリングSが行われました。勝ったのは1番人気のシックスペンス。好位からあっという間に抜け出すと、2着馬に3馬身半差をつける圧勝劇。デビューからの連勝を「3」に伸ばしました。
見方によっては低調な3歳牡馬路線に登場した“新星”と呼ぶこともできそうですが。気になるのはレースそのもののレベルです。
向正面で強い向い風が吹いていた影響か、前5F通過63.1秒のスローペース。次の5~6Fにかけても12.6秒とペースは上がらず、実質ラスト3Fの勝負に。結果、レース上がりが12.0→10.9→10.8秒という特殊な決着となりました。
こうなると後方組はお手上げ。ほとんど4角通過順が着順に直結するような淡白なレースとなりました。
そんな中でただ1頭、3番手から突き抜けたシックスペンスはもちろん評価すべきですが、あくまでスローの切れ味勝負への強さを証明したにすぎず、“本番”の皐月賞に結びつくかどうかとなると微妙なところでしょう。
また土曜にも阪神で皐月賞トライアルの若葉Sが行われました。こちらはミスタージーティーが1番人気に応えましたが、同馬はホープフルS・5着→共同通信杯・7着からの臨戦。それぞれ消化不良の一戦だっただけに、まだ底を見せていないとも言えますが、やはり“新星”というほどのフレッシュ感には欠ける印象があります。
年末のホープフルSを牝馬レガレイラが制して以来、混沌としている3歳牡馬クラシック戦線ですが、どうやら混迷ムードのまま第一冠の皐月賞を迎えることになりそうです。
さて今週は土曜阪神で毎日杯が行われます。中心は関西馬で、関東期待のニュージーズ(牡、木村)は栗東滞在で調整中。初戦の勝ちっぷりからポテンシャルの高さは間違いありませんが、管理する木村調教師は『まだ体つきが幼いし、本当に良くなるのは秋以降でしょう。現時点の完成度でどこまで』と慎重な口ぶりでした。
そこで今回取り上げたいのは土曜中山のオープン・伏竜Sです。かつてスーニやコパノリッキーが制した出世レース。昨年の勝ち馬ミトノオーも、続く交流GII・兵庫チャンピオンシップを連勝しました。
今年の登録メンバー13頭中、関東馬はわずか4頭だけですが、うち3頭が前走1着の2勝馬だけに、レベルは決して低くありません。