▼先週のトピックス
・米国無双だったフェブラリーSデー
・JRAで米国×米国が主流になれない構造
・米国×米国のバイアスについて
・AIに競馬の波や構造を分析できるか?
▼米国無双だったフェブラリーSデー
フェブラリーSは国別血統タイプが「父も母父も米国型」のカフェファラオ、テイエムサウスダンが1、2着。この日の東京ダートは「父も母父も米国型」が3連勝で締めくくりました。
JRAのダートでは「父も母父も米国型」の血統馬は全体の10%程度。1レースあたりの平均出走頭数は2頭。フェブラリーSも「父も母父も米国型」は3頭しか出走していませんでした。
※フェブラリーSデーの傾向速報競馬場(スマート出馬表より)
国別血統タイプは「血統ビーム」で公開したのが20年近く前。今や、様々な競馬ゲームにも導入されているように、当時に比べれば、競馬ファンにも国別血統タイプの考え方は少しは浸透したようです。
とはいえ、「国別血統タイプ」を活用している競馬ファンは、まだまだ少数派。我々としては残念なことでもありますが、まだまだ、おいしい馬券を取りやすいツールであることは喜んでもいいんでしょうね。
そういえば、2/12(土)東京12Rを単勝549倍で勝利したヤマメも「父も母父も米国型」。そのおかげで、今年のダートは「父も母父も米国型」が単勝回収率が190%を越えています。なお、今年は1~3人気でも単勝、複勝回収率ともにプラス。
「父も母父も米国型」の期待値が高いのは10年以上前からのJRAダートの基本傾向でもあり、特定のクラスでは、該当馬すべてを買っても過去10年の回収率はプラス収支になっています。
▼JRAで米国×米国が主流になれない構造
「亀谷競馬サロン」でもダートで「父も母父も米国型」を狙う戦術は一部のメンバーの間で、盛んに議論されています。
この議論もただ単に「ヤマメが走って単勝540倍が当たった! ラッキー!」とか「今日は全然走んなかったなー」と一喜一憂しているだけではありません。重要なのは「米国×米国のバイアス=波」の議論。「血統と能力の方向性の本質とは何か?」を皆で追求することです。
「父も母父も米国型」で重要なのは、
・JRAでは出走頭数が少数派であること
そして
・出現に波があること
この2点です。
父も母父も米国型が少数派なのは、日本の競馬は「欧州と米国のミックス」がベースであり、サンデーサイレンス系(日本型)が主流系統だからです(サンデーはアメリカの種牡馬だから米国型では? と思った方は、ぜひ単行本「亀谷敬正の競馬血統辞典」を読んでください)。特に芝競馬は、米国要素が濃すぎるとクラシックは難しくなるため、どうしたって主流の配合パターンにはなれません。
また、日本の砂競馬も米国血統を固めるだけでは、安定して成績を残せるわけではありません。「父も母父も米国型」は「アメリカのダート短距離の要素」が強く問われると有利ですが、「日本の砂競馬」は欧州の要素を問われることも多く、常に米国固めの血統が有利になるとは限らないのです。
加えて「父も母父も米国型」と「父か母父が日本型」を比べた場合、繁殖自体のレベルが「父か母父が日本型」の方が高いことも「父も母父も米国型」にとっては根本的に不利です。
▼米国×米国のバイアスについて
さて、今回は「適性の波=血統バイアス」について話を進めましょう(繁殖の構造はまたの機会に)。
前開催の東京ダートはフェブラリーSの1、2着や、ヤマメの激走などがあり、トータルの回収率も素晴らしかったのですが、それでも好走には波がありました。
8日間トータルで「父も母父米国型」で1~5人気の馬は複勝率が53%だったのですが、1頭も馬券になれなかった複勝率0%の日が2日あり、逆に複勝率100%の日も2日間ありました。つまり、4日間すべてで50%ではなく、100%の日が2日、0%の日が2日でトータルは50%という「バイアス=波」が発生しているわけです。
波が発生するのは、JRAの砂も「欧州色が強い馬場」と「米国色が強い馬場」があり、今開催の東京砂は「米国ベタベタ」と「米国と欧州ミックス」の間を往来するような馬場状態だったため、その馬場状態によって波が発生していました。
「米国ベタベタ」の馬場では、「父米国型」や「父も母父も米国型」が無双状態。「欧州要素ミックス」の馬場では米国型もダメではありませんでしたが、キングマンボ系も台頭しやすい馬場となっていました。
▼AIに競馬の波や構造を分析できるか?
我々は、昨今「AI」と呼ばれるような機械とコラボして研究する活動も20年以上続けています。今年、プレミアムコース限定で公開を始めた「AI予測値(名称仮)」も安定した予測を続けており、好評を博しております。
しかし、AIは「米国バイアス」のような波を読むのは苦手です。いや苦手ではなくて「波も年間を通じた数字の一部」というスタンスになってしまうのです。
「AI予測値(名称仮)」は前述の「波も含めたトータルの確率」を出すもの。「亀メモ」を始めとした亀谷のアナログアプローチは「波の予測」と「競馬の構造の追求」です。
「AI予測値(名称仮)」がもしも喋れるなら、「亀メモ」などのアナログコンテンツに「波を読むなんて馬鹿げている」と言われるかもしれませんけれども(笑)、ボクはどちらのアプローチも尊重しつつ、皆さんと競馬の分析を楽しみたいです。
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