競馬キャスター・大澤幹朗氏がお届けする、知れば競馬の奥深さがより味わえる連載『競馬キャスター大澤幹朗のココだけのハナシ』。
今回のテーマは、5/31(日)にフランスのシャンティイ競馬場で行われる仏ダービーです。
日本ダービーが行われる31日、フランスのシャンティイ競馬場でも仏ダービーが行われます。
英国ダービーとの差別化を図るため2005年から芝2100mの距離で行われているG1ジョッケクルブ賞(仏ダービー)。大手ブックメーカー「コーラル」の前売オッズは、今年も欧州のダービー戦線に多くの有力馬を抱えるバリードイルの調教馬を上位評価しています。
1番人気はコンスティテューションリバー(愛 A・オブライエン)で3.0倍です。クールモアのM・テイバー氏らが所有するウートンバセット産駒で、おばに2020年のロワイヤリュー賞(仏G1)や英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(英G1)を勝ったワンダフルトゥナイトがいるという血統です。
デビュー2戦目で勝ち上がると、去年8月の愛フューチュリティS(G2・カラ芝7F)をW・ローダン騎手とのコンビで2馬身差の逃げ切り勝ち。今月7日には8か月半ぶりの今年初戦となるリステッドのディーS(チェスター芝10.5F)をR・ムーア騎手を背に7馬身差で圧勝して3連勝としています。
4.0倍の2番人気は同じくA・オブライエン厩舎のホークマウンテン。こちらもD・スミス氏らが共同所有するウートンバセット産駒で、母は2017年のメイトロンS(愛G1)や英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(英G1)を勝ったハイドレンジアという血統馬です。
去年10月、フューチュリティT(英G1・ドンカスター芝8F)を勝利すると、今年初戦は今月5日、仏ダービーの前哨戦であるギシュ賞(仏G3・シャンティイ芝1800m)をC・スミヨン騎手を背に逃げ切り勝ち。デビュー2戦目から4連勝としています。
5.0倍の3番人気は地元フランスのダリザンです。今月5日、デビュー戦となるサンクルー競馬場での一般戦(芝1600m)で5馬身差の圧勝をしたばかりのザラック産駒。去年の凱旋門賞から、4月のガネー賞、先日のアガ・カーンIV世賞(旧イスパーン賞)とG1を3連勝中のダリズ(父シーザスターズ)や、2016年のガネー賞勝ち馬ダリヤン(父シャマーダル)の半弟です。
兄たちと同じくアガ・カーンスタッドの自家生産馬で、1歳上のダリズ同様にF・グラファール調教師、M・バルザローナ騎手という黄金タッグが手がけます。
4番人気も地元フランス調教馬。オッズ9.0倍でA・ファーブル厩舎のコモレビが続きます。ここまで6戦して3勝、2着が3回という戦績。4月のフォンテーヌブロー賞(仏G3・芝1600m)で重賞初勝利を挙げた後、今月10日のプールデッセプーラン(仏G1・芝1600m)では勝ったライフから1馬身差の2着でした。
父ピナトゥボ(その父シャマーダル)は2019年の愛2歳G1・ヴィンセント・オブライエン・ナショナルS、英2歳G1・デューハーストS、2020年のジャンプラ賞(仏G1)の勝ち馬で、母リリックオブライトは2011年の英2歳牝G1・フィリーズマイルの優勝馬という血統馬です。
ちなみに馬名の「Komorebi」は文字通り「木漏れ日」のことで、日本語特有の言葉として海外でもそのまま使われています。
その他、オッズ17.0倍の5番人気は3頭が並んでいます。このうち、アガ・カーンスタッドの自家生産馬で、ミケル・デルザングル調教師が管理するドルマランは、先月28日にシャンティイ競馬場で行われたジョッケクルブ賞の前哨戦シュレンヌ賞(リステッド・芝2000m)を勝利してデビューから3連勝としました。
アガ・カーンスタッドのもう1頭ダリザンと同じザラック産駒で、おばに2015年のドバイシーマクラシック優勝馬ドルニヤ、3代母はダルタワはキングジョージやBCターフなどG1を7勝したデイラミや、2003年のジョッケクルブ賞や凱旋門賞などG1を4勝したダラカニの母。
ザラックの母ザルカヴァの「Z」の牝系と、ダラカニ、デイラミ、ドルニヤの「D」の牝系というアガ・カーンスタッドで最も成功した2つの一族を組み合わせた血統です。
その他、ドルマランが勝ったシュレンヌ賞でハナ差の2着だったA・オブライエン厩舎のモントリオール(父シーザスターズ)や、英国からは唯一の出走馬となりそうな故オバイド殿下の遺族の所有馬でプールデッセプーラン(仏2000ギニー)3着馬のハンケロウ(K・バーク)も5番人気で並んでいます。
さらに、今月5日にサンクルー競馬場で行われた仏ダービーの前哨戦グレフュール賞(仏G3・芝2100m)を未勝利馬ながら勝利したアラム(仏 M・デルザングル)が21.0倍の8番人気で続いています。
2021年のセントマークスバシリカ、去年のカミーユピサロと、過去5年間で仏ダービーを2勝しているバリードイル調教馬を、アガ・カーンスタッドやA・ファーブル厩舎の血統馬が揃った地元フランス勢が迎え討つという構図のジョッケクルブ賞。優勝馬からは2023年のエースインパクトなど、後の凱旋門賞馬も出ていて、秋に向けても要注目です。
