2021年5月13日発売の6月号で休刊となった競馬雑誌・サラブレ。サラブレ本誌で長年連載されていた人気コーナー『重賞アプローチS』は、引き続き亀谷競馬サロンにて公開しております。
なお、当レースの「血統のポイント」&「馬柱のポイント」に該当する今年の出走馬は、レース前日18時をメドに当欄の文末にて公開いたします。併せてお楽しみください。
▼参考記事
重賞レース過去の好走馬血統データ/有馬記念、ホープフルS、阪神カップ
【有馬記念】
小回りコースに加え、コーナーが多い舞台設定。コーナーでの加速力、コーナーでスピードを落とさず持続する能力が問われる。
小回りのスピード持続能力に優れる「米国型」や、加速力に優れるスプリントG1血統を持つ馬が有利。
また、近2年は全体時計だけでなく、速い上がりが出やすい馬場状態で行われており、結果的に主流血統馬が走りやすくなっている。
2023年は1着がハーツクライ産駒で、2着、3着がドゥラメンテ産駒。4着、5着がディープインパクト産駒。クラシックの勝ち馬を多数出している種牡馬の産駒が上位を独占。1着ドウデュース、7番人気2着スターズオンアース、離れた8番人気ながら5着のシャフリヤールの3頭は、東京芝2400mのG1勝ち馬で、母父が「米国型」。
2024年はそのシャフリヤールが10番人気で2着。3着ダノンデサイルもエピファネイア産駒のダービー馬で、母父が「米国型」。
近2年は3番人気以内に支持された馬の中で、母父と母母父が「米国型ではなかった」馬が3頭。2023年のジャスティンパレスが1番人気4着。2024年のベラジオオペラが3番人気4着、アーバンシックが1番人気6着。3頭とも馬券圏外に凡走。
東京の芝が以前よりも欧州要素が要求されるようになったのと相反するように、有馬記念は「米国血統」の重要度が上がっている。
また、有馬記念は昔からダンチヒ系の血を持つ馬の好走も目立つレース。父か、母父か、母母父か、父母父にダンチヒ系を持つ馬は、2014年以降で3勝。4番人気以下の人気薄が馬券になったのも3回。
2016年は母父ダンチヒ系のサトノダイヤモンドが1着。2017年は母父ダンチヒ系のクイーンズリングが8番人気2着。2018年は父ダンチヒ系のブラストワンピースが1着。2020年は母母父ダンチヒ系のサラキアが11番人気2着。2022年は母母父ダンチヒ系で、ダンチヒのクロスを持つジェラルディーナが3着。2024年は母父ダンチヒ系のレガレイラが5番人気1着。
2020年1着、2021年3着のクロノジェネシスは、父の母父がヌレイエフで、母父がクロフネ。ヌレイエフはダンチヒ系と同様、芝短距離王国のオセアニアでも繁栄している系統で、母父のクロフネは芝短距離のG1馬を複数出している種牡馬。
戦歴もスピード指向。短めの距離実績馬が走りやすい。2016年以降の勝ち馬9頭中8頭が芝1800m以下の重賞を勝った実績のある馬。2023年は2頭しかいなかった芝1600mのG1の連対馬が1、2着。時計が速い年ほど、スピードタイプが走りやすい。
【まとめ】
▼血統のポイント
・時計の出る馬場では主流血統、特に母系が米国型が走りやすい
・芝短距離指向の加速力や米国的な持続力に優れた血を持つ馬。ダンチヒ系の血を持つ馬
▼馬柱のポイント
・短めの距離実績。芝1800m以下の重賞勝利実績馬や芝1600mのG1連対馬
【ホープフルS】
