プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は『「内から選ぶ」と「期待値」のハイブリッド』です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください！
▼単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が6月21日(水)に発売！
6月21日(水)にみねた氏による単行本『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』が発売されます。ストイックにギャンブルと向き合う姿勢、圧倒的な予想力でカリスマ的な支持を集める馬券師みねた氏による初単行本。ギャンブルに生きていた男だからこそ知る、競馬に勝つためのメソッドを初めて明かします。
★今週の重賞ピックアップ★
5月21日東京11R・オークス(芝2400m)
オークスは東京芝2400mで施行。初角となる1コーナーまでは約350mで、先行争いによる内外の有利不利はそれほど大きくありません。とはいえ、トップクラスの馬たちが争うG1レースなので、基本的にはロスの少ない内枠有利と考えてよいでしょう。
登録21頭のうち、前走の通過順位に3番手以内があるのはウェイビー、キミノナハマリア、コナコースト、ゴールデンハインド、ソーダズリング、ミッキーゴージャスの6頭(ウェイビーは抽選対象)。それほどペースは上がらず、前有利をベースに検討したいレースです。
3番手以内を取る馬よりは、4～6番手の好位を追走できそうな馬が展開的には恵まれそう。今回、そのポジションに収まりそうなのはハーパーでしょうか。桜花賞は3コーナー6番手からの競馬。今回は極端な差しタイプも揃っているので、ちょうどこの馬がポツンと6番手ぐらいに収まる可能性が高く、展開の恩恵をフルに活かして、リバティアイランドとの差をどこまで埋められるか。
前走のフローラSで3-3-4-4から2着したのはソーダズリング。しっかりと道中で脚をためた結果、ゴールデンハインドの逃げ切りを許しましたが、その分、まだ余力がありそうです。
ドゥアイズは桜花賞で10-9-8と道中動いていっての5着。ロスなく競馬できた他の上位馬と比較しても、濃い内容でした。デビュー3戦ともに1800mを使われていた馬で、距離延長を味方につけて、さらに上位に肉薄するシーンがあっても。
フラワーCで外から捲って2着したのはヒップホップソウル。2戦目のベゴニア賞ではのちのNHKマイルC馬シャンパンカラーと0.1秒差で、フェアリーSは不利の連続でしたから、あれぐらい走れても不思議ではありません。想定通りに、2桁人気にとどまるようなら、期待値は見合うかもしれません。
阪神JF、桜花賞と非常に強い内容だったリバティアイランドが中心になるのは間違いありません。単勝を買うスタンスでは◎にはできませんが、券種や馬券の組み方によっては、リバティアイランド◎という選択肢ももちろん問題ありません。
とはいえ、追い込み馬には常に末脚不発や前が塞がるリスクはあります。各馬が距離延長となる特殊な一戦でもありますので、枠順や並びも考慮して、最適解を導き出したいと思っています。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
2ライトクオンタム
5リバティアイランド
6ゴールデンハインド
9コナコースト
12ハーパー
1ペリファーニア
17シンリョクカ
リバティアイランドが好枠に入り波乱度は下がったが18頭立てで追い込み馬である事を考えると1倍台のオッズで馬券は考え辛く他の馬から行きたい。スムーズに先行して早め先頭から押し切る様な競馬が理想で前目で競馬が出来そうな馬で馬券は組んだ。
■みねたの金言80
『「内から選ぶ」と「期待値」のハイブリッド』
★ピックアップレース★
2023年4月22日東京4R・3歳未勝利(芝2000m良)
◎7ネッロランパンテ
○8イッツオンリーユー
▲9クインズカムイ
△6オーヴァルブルーム
☆13オールスイート
注5ニシノメサイア
[参考買い目]
単勝 7 2000円
複勝 7 3000円
馬連 7-8.9.6.13.5 各500円
3連複 7-8.9.6-8.9.6.13.5 各300円
──前回のコラムで、内から選ぶレース、外から選ぶレースというお話を伺いましたが、このレースはまさに「内から選ぶレース」の典型だったのかなと思い、少し遡って取り上げてみました。
▼参考記事
【第79回】ヴィクトリアマイル展望＆内から選ぶレース、外から選ぶレース/馬券師・みねたの金言
みねた： 多くのファンの方もご存知だと思いますが、東京芝2000mは初角となる2コーナーまで130mしかないので、先行争いにおいて内枠が圧倒的に有利なコースです。したがって、「内から選ぶレース」で間違いありません。
──ただ、このレースは1番人気のバロンゾラーレが1枠1番、2番人気のオーヴァルブルームが4枠6番と有利な内目の枠を引いていて、私は人気決着やむなしかと思ってしまいました。
みねた： そこは期待値の問題ですね。1バロンゾラーレは新馬、未勝利と連続3着、6オーヴァルブルームは直近3走が3着→2着→3着で、ともに金言64「下級条件で連続好走の人気馬は期待値が取りにくい」に該当していました。
本当に強い馬ならば、下級条件は足踏みせずに勝ち上がっているはずで、連続好走＝勝ちきれていないことの裏返しでもあります。多くのファンは「そろそろ順番だろう」と思って買ってしまうため、能力よりも過剰な人気になりやすいんですよね。
▼参考記事
【第64回】シルクロードS展望＆下級条件で連続好走の人気馬は期待値が取りにくい/馬券師・みねたの金言
──◎は8番人気、単勝76.3倍の7ネッロランパンテでした。
みねた： このレースで前走の通過順位に3番手以内があったのは、1バロンゾラーレ、4アンナジーク、5ニシノメサイア、7ネッロランパンテ、13オールスイートの5頭。15頭中5頭の33％なら、先行差しはほぼイーブンといったところです。
1バロンゾラーレは先ほども述べたように過剰人気で◎にはしにくく、4アンナジークと5ニシノメサイアは同脚質が並びで入ってしまったので不利、13オールスイートは不利な7枠です。7ネッロランパンテは先行馬同士では比較的外になってしまったとはいえ、4枠7番と内目の枠。また、今回より先行しやすい要素も揃っていました。
──わかります。距離延長ですよね。
みねた： そうですね。前走1800mから今回2000mと距離延長ローテなので行き脚がつきやすくなります。
それから斤量ですね。今回は新人の小林勝太騎手だったため、54キロ→51キロになります。斤量はスタートダッシュに影響する、これも連載で何度も触れています。前走は1勝クラスへの格上挑戦で、そこで3番手追走から1.0秒差の7着なら悪くない内容。自己条件に戻って、先行濃厚のここでの76.3倍なら期待値は十分に見合うでしょう。ですから、このレースは「内から選ぶ」と「期待値」のハイブリッドですね。
──結果は2番手追走から抜け出した7ネッロランパンテがゴール寸前まで粘って2着。▲◎○の決着で、複勝11.8倍×3000円、馬連285.8倍×500円、3連複191.8倍×300円の的中となりました。
みねた： アタマ差だったので単勝も欲しかったですが、まさに金言73「差されたのは東京の分」でしたね(苦笑)。これが直線平坦の京都や新潟だったら7ネッロランパンテが残れていたでしょう。
▼参考記事
【第73回】大阪杯展望＆差されたのは「東京の分」/馬券師・みねたの金言
みねた： また、枠の差で2ピカパンドーラに行き切られてしまい、2番手に控える形になりましたが、仮に7ネッロランパンテが1枠1番だったら、おそらくハナを取り切って残っていたはず。このように、競馬場ごとのレイアウトが、微妙な勝負の機微を生み出しているんです。
──競馬場を知ることが勝利に繋がる。まさに『競馬場と前走位置取りだけで恒常的に勝つ方法』ですね。
