プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“差されたのは「東京の分」”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
★今週の重賞ピックアップ★
4月2日 阪神11R・大阪杯(芝2000m)
大阪杯は阪神芝2000m内回りで施行されます。初角となる1コーナーまでは330m弱で、内外はほぼイーブン。頂上決戦であるG1である点、また、初角まではやや短めなので、若干内有利かなというところですが、期待値重視のアプローチで問題ないでしょう。
今回の登録メンバーで、前走の通過順位に3番手以内があるのは、アラタ、ジャックドール(香港カップ前の天皇賞秋でカウント)、ダノンザキッド、ノースザワールド、ノースブリッジの5頭。現段階では出走順位18番目のアラタは除外見込みで、上記5頭にハナを主張するような徹底先行タイプはいません。ペースは上がりにくく、前有利とみるのが自然です。
AJCCを4コーナー3番手から押し切ったノースブリッジが、想定通りの10番人気前後なら脚質面も加味すると期待値が取れそう。位置を取りたいので距離短縮はやや微妙ですが、前走G2勝ちでこの人気なら妙味は十分です。
ダノンザキッドも、期待値が取りやすい「前走二桁着順」により、人気が急落するようなら狙えるでしょう。能力はここでも通用します。
上位人気濃厚ですが、実力、展開面を総合的に考えると、ジャックドールは有力。天皇賞秋では、ドバイシーマクラシックを楽勝したイクイノックスと0.3秒差でした。
除外対象ですが、アラタも金鯱賞で0.3秒差の3着は悪くなく、想定通りの超人気薄なら一考の余地はあります。
1番人気はスターズオンアースでしょうか。前走の秋華賞も負けて強しの内容でした。ただ、ここまで世代限定の牝馬戦しか経験していないのは不安材料。秋華賞馬スタニングローズがエリザベス女王杯、中山記念を2連続で大敗しているのは気がかりです。
ヒシイグアスは休み明けの中山記念を快勝して、能力の高さを見せつけました。実績的にも、いつG1に手が届いても不思議ではありません。ただ、その中山記念が5番人気で、今回は想定2番人気。後追い感は否めません。
ならば、その中山記念で、ヒシイグアスと0.1秒差で、今回も人気薄が予想されるラーグルフのほうが期待値は見合いそう。思えば、高松宮記念のファストフォースも、前哨戦のシルクロードSでナムラクレアとタイム差なしの2着ながら、10番人気→12番人気と人気が上がらないパターンでした。スローペースが見込まれるだけに、2戦続けて道中で動いていく競馬が出きているのも魅力です。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
[枠順確定後注目馬]
1ジェラルディーナ
4ノースブリッジ
6ヴェルトライゼンデ
8ラーグルフ
9ジャックドール
12キラーアビリティ
13ダノンザキッド
先行出来る馬が離れて配置され並び的にも先行馬には良い。週中の見解通り先行馬×期待値重視で予想は組み立てた。
■みねたの金言73
『差されたのは「東京の分」』
★ピックアップレース★
2022年10月29日 東京11R・アルテミスS(芝1600m良)
◎6アリスヴェリテ
○3リバティアイランド
▲7ミシシッピテソーロ
△5デインバランス
☆4ディナトセレーネ
注10ラヴェル
[参考買い目]
単勝 6
複勝 6
ワイド 6-3.7.5
馬連 6-3.7.5.4.10
3連複 6-3.7.5-3.7.5.4.10
──今回も昨年10月の的中例を用いてお話しいただきます。普段は前に行っていない馬が前に行けるパターンとして、「距離延長」「逃げ挟み」「近走の捲り経験」だと教えていただきました。
▼参考記事
【第72回】高松宮記念展望&最も期待値を取りやすい「普段は前に行っていない馬が前に行ける」パターン/馬券師・みねたの金言
みねた: 前回の最後にお話しした10月16日新潟8Rの3歳以上1勝クラス(ダート1800m)について、もう少し詳しくみていきましょう。
このレースで前走の通過順位に3番手以内があったのは6頭。15頭中6頭なので占有率は40%。先行も差しもイーブンといったところでしょう。6タガノカンデラを◎にしたのは、2走前の15-15-3-3から3着した内容を評価してのものでした。
──レースVTRを観ましたが、ローカルコースで、道中は内から6頭目ぐらいを回して捲り上がり、最後まで伸び続けての3着でした。
みねた: これまでの連載でも何度もお伝えした通り、コーナーで加速する捲りという戦術は非常にロスの大きい戦法で、能力が高くないとできません。その分、捲って好走した直後は反動が出ることも少なくなくて、実際に、タガノカンデラも次走は9着に敗れています。ただ、能力の高さは間違いないので、こういう馬をしっかりストックしておくと、どこかでリターンを得られるはずです。
──タガノカンデラが9着に敗れた1走前のVTRを観てみたのですが、このレースは別の馬が捲って、スムーズさを欠いたようにも見えました。その捲った馬(コンスタンティン)が10-10-1-1という競馬で勝ったのですが、同馬も昇級直後は6着、14着でしたが、その後は2着、4着、3着、1着で、既に2勝クラスを勝ち上がっていますね。
みねた: 金言8「逃げた時点で展開に恵まれている」でもお話ししましたが、先行できている時点で展開に恵まれている可能性が高いんですよ。逆に、捲りで勝つ馬は、展開に恵まれたわけではなく、能力で勝ち上がっている可能性が高い。昇級して通用する可能性が高いのは後者ですよね。
▼参考記事
【第8回】朝日杯FS展望&逃げた時点で展開に恵まれている/馬券師・みねたの金言
──6タガノカンデラは、好スタートから3番手を進むと、2着に7馬身差をつける圧勝でした。
みねた: ロスなく回ってきたら、これぐらいの能力差があったということですね。
──さて、10月の振り返りシリーズの最後として、アルテミスSについても軽く触れていいですか? このレースは◎6アリスヴェリテ(6番人気3着)だったのですが、推奨買い目に複勝とワイドが両方入っていたのが気になりまして。
みねた: 上位人気馬が2頭危険だと思っていたら配当が跳ねる可能性があるので複勝を、上位人気馬が馬券に絡みそうだと思っていたらワイドを選択することが多いです。複勝から相手を絞ったものがワイド流しなので、当然、ワイドのほうが回収率が出やすいですよね。
──このレースで、複勝もワイドも買い目に入れた理由を教えてください。
みねた: それだけ、6アリスヴェリテの期待値が取れると考えていたということです。複勝単体でも期待値が取れるので、ワイドに絞って取りこぼさないよう、予算が少々増えても複勝も押さえるべきだと考えました。
──それほどまでに6アリスヴェリテの期待値が高かった理由を教えてください。
みねた: このレースで、前走の通過順位に3番手以内があったのは4頭でしたが、そのうち3頭は新馬、または未勝利でのもので、6アリスヴェリテだけがオープンクラスでの先行実績でした(野路菊S・2着)。ここは距離短縮でしたが、金言20「控える競馬に陣営の期待度が表れる」の通り、新馬戦で5-5-4-4と控える競馬を経験していたのも強調材料です。
▼参考記事
【第20回】阪神大賞典展望&「控える競馬」に陣営の期待度が表れる/馬券師・みねたの金言
──果敢にハナを切ってゴール前まで粘りましたが、クビ、クビ差の3着。惜しかったですね。
みねた: 粘って欲しかったですけど、差されたのは「東京の分」でしょうね。
──「東京の分」とはどういうことですか?
みねた: 例えば、同じ左回りで直線が長いコースとして東京と新潟がありますが、東京の直線には坂があります。東京のほうが能力を出し切る形になるのでごまかしが利かない。別の言い方をすれば、新潟では展開や乗り方一つで能力差を埋められるということですね。