プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“中山マイルの異変”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
2月8日 東京11R 東京新聞杯 芝1600m
東京新聞杯は東京芝1600mでの施行。初角まで500m以上の距離があるので先行争いにおける内外の有利不利はありません。
登録16頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは2頭。ペースが上がるとは思えず、内で詰まるリスクを考えると外枠がベターに思えます。団子状態から切れ味のある馬が差してくるイメージですね。
1番人気想定はウォーターリヒト。昨年の覇者で前走のマイルCSでも3着と実績は申し分ありません。戦績的に、寒い時期が良さそうですね。特にケチをつけるところはありませんが、リピーターの好走が相次ぎ、世間的にもこの馬に目がいきそうなタイミング。得てして、こういう時に負けるのが競馬ではあります。想定4.6倍は妥当ですが、他に期待値のある馬を探してみたいところ。
2番人気想定はブエナオンダ。京都金杯からの重賞連勝を狙います。5走連続馬券内というきれいな馬柱で、盲点になりにくい臨戦過程。前走より相手強化となるなかで、2番人気はやや過剰に映ります。前走が買い時だった印象。
3番人気想定はマジックサンズ。G1→G1→G1→G2→→G1という過去5走はブエナオンダとは対照的ですね。NHKマイルCでタイム差なしの2着という実績もあります。57キロという斤量も有利ですが、武豊騎手が騎乗予定ということで鞍上人気しそう。マイルCS上位馬が出走しているなかで、8着だったこの馬が3番人気というのは相対的にやや売れ過ぎかもしれません。
エルトンバローズはマイルCSで0.4秒差の5着。当時、0.1秒差だったウォーターリヒトよりも想定オッズでは1.8倍近く(想定8.4倍)もらえるのであれば、期待値はこちらでしょう。メンバー構成的に有馬記念からの短縮ローテは懸念材料ですが、このオッズなら甘いと言い切れます。
ラヴァンダの想定9.9倍(5番人気)はちょっと売れ過ぎの印象。メンバー的には団子状態から差してくるイメージに合致する馬なので、マイルCSの大敗でオッズが甘くなれば。
オフトレイルはマイルCSの4着馬。先着した馬の方が人気になっての7番人気・12.6倍は甘いですね。メンバー構成的に1400mで重賞を買っているのもプラス材料です。
ウンブライルは前走のターコイズSで1番人気12着。典型的な「なにもやっていない」パターンです。2走前の富士Sの内容は悪くありません。前走で買った人は、人気の落ちる今回も買うべきでしょう。
トロヴァトーレは前走の京都金杯で14-15と脚をためて4着。メンバー構成的に脚質は向きませんが、ルメール騎手騎乗で手頃な人気(想定6番人気・10.5倍)なら、狙ってみる手はありそうです。
G3にしては豪華なメンバーが揃った楽しみな一戦。枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言218
中山マイルの異変
★ピックアップレース★
1月11日 中山11R フェアリーS 芝1600m 良
◎15ブラックチャリス
穴○4ビッグカレンルーフ
穴▲7ノーザンタイタン
穴△13ヴィスコンテッサ
☆9サンアントワーヌ
☆2ピエドゥラパン
注12ギリーズボール
注16マカレイ

―前回に引き続き、◎→穴○の決着で馬単312.0倍となったフェアリーSについて取り上げます。前回のコラムで、「新たな気付きがあった」とのことなので、その辺りを掘り下げていきましょう。
みねた)私は今走と前走の条件変化において、今回、条件が好転する馬を自動で抽出する仕組みを作っていて、該当した馬を「条件好転馬」と呼んでいるのですが、このレースのブラックチャリスがまさしく「条件好転馬」でした。
―具体的にはどの部分の“条件”を比較しているのでしょうか?
みねた)前走の「コース」「枠」「位置取り」と今走の「コース」「枠」「位置取り」の比較ですね。前走がどこのコースで、どの枠で、先行馬割合が何%で自身の脚質(前走の通過順位で判定)はどうだったのか? そして今走はどのコースで、どの枠で、先行馬割合が何%で自身の脚質はどうなのか? それぞれの回収率を比較しています。ここでは細かい定義の話は割愛しますが、大事なのは、今回が中山芝1600mだったという点です。
―中山芝1600mといえば初角までの距離が短い「コースパターンA」のコース。そのため、外枠不利として知られています。
みねた)そうですよね。今回、この馬が中山芝1600mで不利とされる8枠だったのにもかかわらず「条件好転馬」に該当。さらに驚くべきことに、同じく8枠16番だったマカレイもまた「条件好転馬」に該当していたのです。コース形態的に不利とされる8枠の2頭が「条件好転馬」に該当したということで、1つの仮説が浮かび上がります。
―1つの仮説…?
みねた)それは「(中山芝1600mが)外枠不利と言われ過ぎることによって、8枠に妙味が生まれているのではないか?」という仮説です。「条件好転馬」は回収率をベースに、直近10年のデータを自動で更新しながら出しています。コース形態自体は変わらないので、変わるとすれば買う側の意識の部分。つまり「外枠が買われなさ過ぎなのではないか?」と推測します。
―実際に、私も枠順発表を見た時「8枠かよぉ」と思ってしまいました。
みねた)今回、1枠1番の人気薄レオアジャイル(11番人気・36.0倍)が3着に、2枠4番のビッグカレンルーフ(10番人気・30.8倍)が2着に激走しているように、コース形態上、内枠有利であるのは確かです。そしてレオアジャイルが11番人気にとどまっていることから、一見、内枠が買われ過ぎているようには思えません。ただ、よくよくみてみると、新馬戦2着→未勝利戦1着という戦績に過ぎなかった1枠2番のピエドゥラパンが1番人気になっています。
―本当だ。てっきり6枠12番のギリーズボールが1番人気だと思っていました。
みねた)コース形態による有利不利というファクターは、人気馬を買うための後押しになりやすいのだと思います。「内枠だから」という理由でレオアジャイルを◎にする人は少ないけれど、「有力どころの中で内枠に入ったから」という理由でピエドゥラパンを◎にした人が多いのでしょう。
―それはわかります。同じような戦績の有力馬が2番と14番にいたら、「枠がいい分、2番を◎にするか」と考えてしまいそう。その結果、本来はどちらも5倍前後が妥当な馬なのに、かたや3倍、かたや10倍みたいになる感じですね。
みねた)人間心理として、赤オッズの馬を買う時ほど理由を探すのでしょう。人気馬で勝負するための理由として、枠順を拠り所にする人が多いということです。また、「中山マイルは内枠有利。外枠不利」として、一回、概念として刻み込まれてしまうと、違う選択を選びにくいという側面もありそうです。
―その結果、このレースでいえば、2番のピエドゥラパンが過剰に人気を吸う形になって、その分の期待値が他の馬に配られ、重賞2着→重賞4着という実績があったブラックチャリスが11倍も貰えた、と。
みねた)現時点ではそうなっている、という表現が正しいですね。今は、「内枠の人気馬を過大に評価し、外枠を必要以上に嫌う」トレンドだからブラックチャリスが11倍つきましたが、戦績を素直に評価するのがトレンドになれば、また違うオッズになるでしょうから。
