私たち記者は競馬場で仕事をする時、レースを終えた人馬を検量室前の“枠場”で出迎えます。自分の限界ギリギリまでリミッターを外して走ってきた馬たちは、目が血走り、汗ばみ、筋肉に血管が浮き、フゥフゥと荒い息を吐いている・・・。そんな“普通じゃない状態”が競馬を終えた馬の通常。
ですが、ビキニボーイという馬は例外だったようで・・・・・・。
▲“ビックリ顔”がチャームポイントのビキニボーイ
2年前の夏、札幌芝1800mデビューした彼は、クビ、半馬身差の3着でゴールを切るのですが、騎乗していた浜中騎手が『見てください! 全然息が上がってないでしょう? 真面目に走ってないです。それでここまでくるんだから能力はあります』と陣営におっしゃったそう。
その通り、ビキニボーイは全く息も上がらずケロリとしていたと陣営からもお聞きしました。
それでも2走目に未勝利を勝って、その後は重賞(札幌2歳S・6着、京都2歳S・15着)に挑戦したのですが、なかなか真面目に走らないところが変わってこず、園田競馬へと転厩しました。
しかし、4勝を挙げたため昨年夏にJRAへと再入厩。いきなり3勝クラスに挙がってしまって厳しいだろうと思いきや、復帰初戦の佐渡Sでいきなり掲示板(5着)と力を見せます。
やはりまだ真面目に走らないところがあるのですが、2走前はボコボコの馬場に脚を取られてのもので参考外ですし、前走はいかにもな休み明け。
今回、2週前までは調教でもヤル気なく走っていたそうなので、最終追いで前原助手(元騎手の旧姓・西原玲奈さん)が闘魂注入を図ったところ、なんと坂路4ハロン49.5秒の猛時計が出ました。水曜日は雨で下が重たくなっていたにも関わらずラスト2ハロンも12.5秒と止まりませんでした。
もちろんその日の1番時計。しかも、です。
2024/02/23 (金)
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赤城真理子
鹿児島県出身、大阪府在住。全く別の業種でライター業をしていたが、2018年11月「競馬知識ゼロ」のまま大阪スポーツの競馬記者に転身。毎週栗東に泊まり込んで取材をするうち、馬の魅力にどっぷりはまり現在に至る。東スポ紙面にてG1コラム【転生したらトレセン記者だった件】、Web限定で不定期コラム【赤城真理子の「だから、競馬が好きなんです!!!】を連載中。