大阪スポーツ・赤城真理子記者による栗東トレセンからのレポート。週末のレースを中心に、トレセンから旬な情報を届けていただきます。
今回は菊花賞で二冠制覇を狙うダノンデサイル陣営、安田翔伍調教師、横山典弘騎手への取材レポートです。
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今週、横山典弘騎手が騎乗する土曜東京メイン・富士Sのアルナシームと、日曜京都メイン・菊花賞のダノンデサイル。
アルナシームの担当である五十嵐助手と、ダノンデサイルを管理する安田翔伍調教師は、かつて安田隆行厩舎で同僚として働いていた期間がありました。
▲富士Sに出走するアルナシームと五十嵐助手
五十嵐助手は、安田翔伍調教師のことを“レベルの違う才能がある”と言います。
『それぞれの馬に合った乗り方、決して口を切ったりしない優しいハミの当て方もそうだけど、攻め専の助手時代から全ての馬を普段から触り、朝の雰囲気次第で“今日、なんか機嫌が悪そうだから調教メニュー変えようか”なんてことができる人だった』
それは調教師になられてからも同じで、安田翔伍調教師は管理馬が“馬房でどう過ごしているか”を全て把握されています。乗っている時だけではなく、普段の雰囲気、性格を知ること。それが“馬づくり”において密に関わってくるからです。
安田翔伍調教師のことを、五十嵐助手は『ものすごく賢くて、ものすごく繊細な人だ』と言っていました。
だからこそ、横山典弘騎手も『デサイルが皐月賞を取り消し、競馬を使わないままトレセンに帰ることになった後、デサイルをフラットな状態に戻してやるまで翔伍がどれだけ気を使ったか計り知れない。担当の原口さんとすごく苦労したはずだ』とおっしゃっていたのでしょう。
『競馬を使えば、それまで仕上げてきた気持ち、体のガス抜きができますが、走らずに帰ってきたとなれば、そのまま放牧に出してしまうと1か月はかかるでしょう。でもトレセンなら、広いコースで気持ちよく走らせてやることがどうにかできれば、4週間で何とかできると思いました』
皐月賞後のことをそう教えてくださった安田調教師。在厩で調整されていた理由でした。
これまで、持っている中身のポテンシャルにまだ体が追いついていない分、本気で走ることが難しかったというダノンデサイル。
それでもダービーを勝つんです。横山典弘騎手は『能力の絶対値の違いを感じた』と言います。
▲菊花賞で二冠を狙うダノンデサイルと横山典騎手
今回、背が伸びて体重も大きく増えました。いよいよ完成系に近づいてきたのでしょうか?