大阪スポーツ・赤城真理子記者による栗東トレセンからのレポート。週末のレースを中心に、トレセンから旬な情報を届けていただきます。
今回は朝日杯FSに出走するパンジャタワー陣営への取材レポートです。
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2歳の馬って、ゼッケンが着いていなくてもなんとなく2歳だと分かる気がします。
まだ顔つきが幼いっていうのでしょうか。どこかに仔馬時代の名残りを感じるんですよね。
でも、朝日杯FSに出走するパンジャタワーは、正直顔つきも体つきも2歳には見えません。馬房でも古馬のような雰囲気、オーラを醸し出している馬なんです。
▲3連勝でGI制覇を狙うパンジャタワー
新馬戦は返し馬の際に立ち上がるなど2歳らしい仕草も見せていて、スタートも立ち遅れましたが、早めに動いて直線は追い出しを待ってすらいました。半馬身差1着。もっと突き放せるような手応えでしたが、ジョッキーさん方はみな口を揃えて言います。
新馬戦で突き放して勝つことに全く意味はないと。勝てることが分かっているのに、そこからまたビシビシやられたら、走ることが嫌になったり、やめる癖ができたり、馬のキャリアが台無しになってしまうことだってあり得るのです。
競馬を教えながら勝つ。パンジャタワーの新馬は内容ともに理想形でした。
2戦目は災害レベルの大雨の日で、11Rの頃には稍重の発表以上に馬場が掘れた酷い状態。新馬戦の教えが生き、道中の折り合いもバッチリで、最後は力でねじ伏せたような競馬でした。
馬場が味方したのか? いえ、陣営は、「本来は良馬場の方がいい馬だ」と断言します。長く脚を使えますが、スピードに長けている馬だからです。