YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは3/14(木)の川崎・ネクストスター東日本。発走時刻は16時30分です。
~川崎ダ1400mは内枠&先行有利~
ダート競走体系整備に伴い、3歳の短距離路線は兵庫チャンピオンシップを頂点競走として、各ブロックにステップレースとなる重賞競走・ネクストスターが新設。2024年のネクストスター東日本は川崎ダ1400mを舞台に行われます。
川崎競馬場は1周距離が1200m、南関東競馬では浦和競馬場と並ぶ最も小ぶりな競馬場のひとつ。ただ、直線距離は400m、4角からゴールまでも300mあり、これは船橋競馬場の直線(直線距離362m※ゴールまで308m)と同程度の長さです。
逆に言えば、コーナー区間の距離は短く、“小回り”という表現が最も当てはまるのが川崎競馬場といえるのではないでしょうか。
そのため、川崎競馬場では3~4角でのマクリが決まりづらく、無理してマクッていくと直線での末脚が鈍ってしまいます。それに対して先行馬は直線を向いてからギアを入れ替えるため、全日本2歳優駿のレースラップ(上がり3F:13.7-13.7-12.6)からも分かる通り、ラスト1Fが最速ラップになりやすいコースともいえるでしょう。
内・先行有利といわれる所以はこのレース展開にあり、物凄い勢いで上がってきた差し馬が先行馬に突き放されてしまう光景は、川崎競馬場特有のコース設計が生み出しています。
特に1400mはスタートから1角までの距離が短いため、枠順の影響を受けやすく、さらに早めに先行争いが落ち着くため、前有利の傾向は最も強いコース。地力だけでなく、枠順や脚質も非常に重要な一戦となりそうです。
~LyphardやDanzigのFair Trial的機動力~
血統面での注目はLyphardやDanzigといった機動力型の血統を内包したタイプ。これらはFair TrialというLady Juror直仔の血を内包しており、Nureyev≒Sadler's WellsやBlushing Groom、ネオユニヴァースなどもFair Trialの血を内包した機動力型の血統です。
50年以上前に産まれた競走馬であるため、キタサンブラックやジェンティルドンナのようにダート路線においても同血脈を増幅する仕掛けは必要ですが、現在でも小回り適性を上げる有効な配合パターンであることは変わりありません。
ネクストスター東日本は今年が第1回開催で、川崎ダ1400mで行われる重賞も2016年JBCスプリント以降行われていないため、同条件での好走例は出せませんが、昨年10月の鎌倉記念(川崎ダ1500m)でDanzigの5×3を持つライゾマティクスが7番人気2着と穴を開け、年始の川崎マイラーズ(川崎ダ1600m)でもDanzig系デクラレーションオブウォー産駒のデュードヴァンが勝利。
さらに、報知オールスターC(川崎ダ2100m)でも母がLyphardの4×5を持つライトウォーリアが制していることなどから、川崎競馬場全体の血統傾向と言っても過言ではないポイントではないでしょうか。
【ネクストスター東日本の最終見解】