YouTubeチャンネル『競馬オタク』でお馴染みの坂上明大氏による南関東4競馬場の重賞予想です。血統を絡めた過去の好走馬考察に加え、最終的な予想印、本命馬の根拠をレース前日に披露いたします。
今回の対象レースは1/3(金)の川崎・川崎マイラーズ。発走時刻は16時35分です。
~川崎競馬が内先行有利になりやすい理由~
川崎競馬場は1周距離が1200m。南関東競馬では浦和競馬場と並ぶ最も小ぶりな競馬場のひとつ。ただ、直線距離は400m、4角からゴールまでも300mあり、これは船橋競馬場の直線(直線距離362m※ゴールまで308m)と同程度の長さです。
逆に言えば、コーナー区間の距離は短く、“小回り”という表現が最も当てはまるのが川崎競馬場といえるのではないでしょうか。
そのため、川崎競馬場では3~4角でのマクリが決まりづらく、無理してマクッていくと直線での末脚が鈍ってしまいます。それに対して先行馬は直線を向いてからギアを入れ替えるため、過去10年中8年が上がり2F加速ラップという特殊なラップ傾向に。
内・先行有利と言われる所以はこのレース展開にあり、物凄い勢いで上がってきた差し馬が先行馬に突き放されてしまう光景は川崎競馬場特有のコース設計が生み出しています。
過去10年の川崎マイラーズでも1~6番枠の馬が9勝2着7回3着6回。昨年も人気決着とはいえ、1~3番枠の3頭が上位を独占する結果となりました。
~Nureyev≒Sadler's Wellsの総合力~
血統面ではNureyev≒Sadler's Wellsが大活躍。過去5年の3着内馬延べ15頭中11頭が同血脈を内包しており、キャプテンキング(父ファスリエフ)、グレンツェント(母父Kingmambo)、ファルコンビーク(父スマートファルコン)という3頭の複数回好走馬も輩出しています。
Nureyev≒Sadler's WellsはNantallahのパワー、ForliのLady Juror的持続力、Mahmoud≒Mumtaz BegumのMumtaz Mahal的スピードや瞬発力、Hyperionのスタミナ、と弱点の少ないオールラウンド血統で、特にNureyevにおいては世界各国で芝とダートを問わず、スプリンターから凱旋門賞馬まで多様な活躍馬を輩出しました。
Royal Charger系やNasrullah系の日本の主流種牡馬との比較では瞬発力に劣るため、日本においてはパワーや機動力、持続力などが表面化することが多いですが、その特徴が川崎競馬場では大きな強みとなっています。
その他ではLyphard、Danzig、ネオユニヴァースなどもFair Trial増幅型の川崎マイル適性を高める血統として有効であるため、本レースに限らず川崎ダ1600m戦では注目の血統です。
◆Nureyev≒Sadler's Wells
2020年1着グレンツェント:母父Kingmambo
2020年2着リッカルド:母父オペラハウス
2020年3着キャプテンキング:父ファスリエフ
2021年2着ワークアンドラブ:母父Medaglia d'Oro
2021年3着ファルコンビーク:父スマートファルコン
2022年1着ファルコンビーク:父スマートファルコン
2022年3着グレンツェント:母父Kingmambo
2023年1着アイウォール:父エスポワールシチー
2023年2着スワーヴアラミス:母父Sligo Bay
2024年2着ギャルダル:父ホッコータルマエ
2024年3着フォーヴィスム:父ドゥラメンテ
【川崎マイラーズの最終見解】