─今回は「種牡馬の凄いクセ」について解説していただこうと思います。どの種牡馬にしましょうか?
双馬) エピファネイアとリオンディーズの兄弟についてはどうでしょうか?
─面白そうですね。よろしくお願いします。
双馬) まず、エピファネイアのポイントは「苦しい状態がダメ」ということです。揉まれたり、厳しいペースになったり、前走より苦しい状況になると走りません。少頭数が得意とか言われるのもそういうことですね。それは芝のローテ別成績にもはっきり表れていて、短縮が苦手で、延長で走ります。
延長:複勝率30.4% 単回値177 複回値94
短縮:複勝率23.8% 単回値50 複回値61
─本当に顕著に出ていますね。
双馬) エピファネイア自身の現役時代の成績を見てもらえればわかるんですけど、0.8秒差で勝った菊花賞、0.7秒差で勝ったジャパンC、どっちも距離延長だったんですよね。それが産駒に色濃く遺伝していているということです。ポイントはそれしかないんですけど、すごく馬券に活かしやすい種牡馬ですね。
─延長種牡馬としてはハーツクライよりも狙いやすいかもしれませんね。
双馬) それに対して、リオンディーズは現役時代の成績も産駒の特徴も、エピファネイアと真逆で短縮向きです。2戦目の朝日杯FSを2000mからの短縮ローテで勝つんですよね。で、次の弥生賞は延長ローテで負け、皐月賞は空前のハイペースを先行するという意味不明な負け方をします。そして、延長ローテのダービーでは無理やり押さえ込もうとして折り合いを欠きました。
─4角17番手からメンバー最速の33秒2で上がりましたが、前の馬にも33秒台を使われましたよね。結局、皐月賞もダービーも裏目に出ました。
双馬) オークスのソダシを見てもらえばわかるように、ハイペースの1600mを先行した後に、スローの2400mを走らせるのってすごく大変なんですよ。リオンディーズは皐月賞では34秒6で出していって、ダービーでは押さえ込んで最速上がりを使って0.5秒差まで来るわけですから、ポテンシャル的にはどう考えてもナンバーワンなんですよ。だから種牡馬としての能力も高いと確信しているんです。
─ただ、リオンディーズの繋養先は社台スタリオンステーションではなく、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションですよね。
【第12回】延長のエピファネイア、短縮のリオンディーズ/双馬毅の“ローテ×血統”錬金術
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双馬毅
2008年春から某キャッシングの5万円を原資に馬券生活をスタート。今井雅宏、亀谷敬正の熱心な読者でもあり、「彼らの理論を読めば、年に2000万は楽に勝てる」を実証した人物でもある。ここ数年は1000万単位で勝つ年もザラとなっている。サイト『競馬放送局』にて週末の勝負予想を公開中。