プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回は「馬券特化型の2歳戦診断」をお届けします。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:今週は8月26日~9月3日の2歳戦診断です。この間に新潟2歳S、札幌2歳S、小倉2歳Sが行われたので、今回は重賞を中心に回顧したいと思います。
──よろしくお願いします。
双馬:「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
<レベル判定の基準>
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
<レベル判定についての注意点>
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCのほうがレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCのほうが概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は『スマート出馬表』でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり・芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
8/27 新潟11R 新潟2歳S 芝1600良
勝ち馬:アスコリピチェーノ
双馬:アスコリピチェーノについては新馬戦のときに「たまに出るキレ味型のダイワメジャー産駒はだいたい大物になる」と言いましたけど、やはりそうでした。
唯一の不安要素だった距離延長も問題ありませんでしたし、前走より速い追走で前目のポジションにつけても末脚が残っていましたから、このメンバーの中では能力が違ったと思います。
今後は遠征になったときにどうか、相手が強くなったときにどうかですけど、トップレベルの1頭であることは間違いありません。
2着のショウナンマヌエラはそれほど評価していませんでしたが、しぶとかったですね。もとをたどればスカーレット一族なので持続力に優れた血統です。展開に恵まれたわけでもないのにここまで脚を使えたことは高く評価できます。
3着のクリーンエアは新馬戦で評価していた馬です。
──「世間の評価とのギャップで儲けたい」とおっしゃっていましたね。
双馬:4番人気になっちゃいましたけどね(笑)。能力を出せればこれくらい走れて当然だと思います。
4着ルクスノアは母父ハービンジャーの2戦目だったので不利なローテでした。ペースが緩めばもっと走れると思います。
2番人気9着のルージュスタニングは新馬戦のときに「キレ味があるように見えたけど、相手に恵まれただけで血統的にはキレ味不足」と言ったように、ここではキレ負けしました。やはり日本の芝血統がひとつも入っていないので、能力で負けたというよりは適性で負けたという感じです。ダートや上がりがかかる芝ならもっと強いかもしれません。
3番人気7着のエンヤラヴフェイスは良い馬なんですけど、揉まれ弱いのか上がりがこれ以上出せないかのどちらかです。今回は内枠で揉まれ込んで、さらにキレ味も求められましたから、楽だった新馬戦に比べるとかなり苦しい競馬になりました。揉まれず持続力を活かせる条件で穴をあけそうなので注意しましょう。
▼ピックアップレース(2)
9/2 札幌11R 札幌2歳S 芝1800稍重
勝ち馬:セットアップ