プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回はスプリンターズSの展望をお届けします。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今週はスプリンターズSの展望をお願いします。
双馬: わかりました。スプリンターズSは毎年馬場の影響が大きくて、2020年は外差し馬場、2021年は内先行馬場、2022年は内差し馬場でした。なので、どういう馬場になるかの判断が非常に大事になります。
──でも、馬場を見極めるのも簡単ではないですよね?
双馬: 前日に行われる秋風S(中山11R・芝1600m・3勝クラス)の結果を見るのが良さそうです。たとえば、2020年は外を通った差し馬が上位独占。2021年は1~3番手で先行した3頭で決着。2022年は1、3着馬がインから差して穴をあけました。そんな具合に秋風SとスプリンターズSの結果はリンクしているんです。最初の400mが違うだけで、あとの1200mは同じコースを走るわけですから。
──確かにすごいリンクですね。
双馬: 内先行か、内差しか、外差しか。まずはそれを意識することが予想の第一歩になります。そして、内有利になったら人気馬だろうが外の馬を消せばいい。外有利なら内の馬を消せばいいということです。秋風Sが極端なスローペースの前残りにならないかぎり、判断材料として使えると思いますよ。
──秋風Sのひとつ前(中山10R)に行われる勝浦特別は芝1200mですけど、同じコースの勝浦特別より秋風Sのほうがいいんですか?
双馬: 勝浦特別は2勝クラスなので、差し馬のレベルが違うんですよ。オープンの差し馬と2勝クラスの差し馬って結構な差があるので、僕はスプリンターズSの予想につなげるなら3勝クラスの秋風Sのほうが参考になると思っています。
下のクラスの馬って脚力がないので、馬場に関係なく先行馬が残りやすいんですよ。実際に、2022年の勝浦特別は前残りになっていました。なので、オープンのレースを予想する場合、2勝クラスより3勝クラス、3勝クラスよりオープンを見る。これはどのコースでもそうですし、普段から意識したほうがいいと思います。
──下級条件の結果だけを見て、こういう馬場だろうと判断するのは危険なんですね。
双馬: あと、上級条件まで行けるぐらいスピードがある馬は下のクラスでは先行できちゃうんですよね。ジョッキーだって強い馬に乗って確実に勝ちたいと思ったら前に行くじゃないですか? でも、オープンだとそれが通用しなくなって差しに回る。だから、下のクラスの前残りは馬場の影響じゃない可能性が高いんです。
──なるほど。では、馬場は秋風Sを参考にするとして、各馬の狙い方を教えてください。まずは1番人気になりそうなナムラクレアからお願いします。