プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回は共同通信杯で考える「物差しによる能力比較の落とし穴」について。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──先日行われた共同通信杯で、双馬さんは9番人気のパワーホールを本命にして当てていましたね。いつもの2、3歳戦診断にも繋がりそうですし、今回はその話を聞かせていただけないでしょうか。
双馬:わかりました。『競馬放送局』で公開した予想では以下のような印を打ちました。
【2/11(日) 東京11R 双馬の印】
◎7.パワーホール
○8.ジャスティンミラノ
▲1.ベラジオボンド
△5.ショーマンフリート
×4.ミスタージーティー
次点9.ジャンタルマンタル
──まずは、どのような手順で予想したかを教えてください。
双馬:このレースに関しては、特別登録が出た段階でパワーホールにしようと思っていたんですよ。ただ、相手は堅そうなので、そこまで勝負する気はありませんでした。それが、金曜に新聞を見たら全然印がついていなくて、土曜日の時点では単勝オッズが100倍を超えていたんです。それを見てやる気になりましたね。
──パワーホールはこのコラムでも評価されていましたよね。
双馬:朝日杯FSの前に公開した2歳牡馬の格付けではC+にしています。
今回の出走馬だとジャンタルマンタル、エコロヴァルツ、ミスタージーティー、ジャスティンミラノ、ショーマンフリートが上にいるんですけど、その5頭が一桁オッズで、パワーホールが151.2倍というのはおかしいですよね? 10倍台か、ついたとしても35倍かなと思っていましたから。
──どうしてここまで過小評価されたんでしょうか?
双馬:1つは前走の京都2歳Sで12着に負けたということでしょうね。ただ、この12着は延長ローテ、初めての控える競馬(5番手追走)、前崩れと敗因がはっきりしています。『途中でバランスを崩して追うのをやめた』とジョッキーが言っているように、最後は追ってもいないですからね。逆に言うと、展開向かない、ローテ向かない、直線追っていないで1.2秒しか離されていないとも言えるんです。
もう1つ考えられる理由は、「物差しを見誤っている」ということです。これが今回一番言いたいことです。