プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは高松宮記念、大阪杯、桜花賞の振り返りです。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:高松宮記念、大阪杯、桜花賞の3レースは枠順が大きく影響した結果になったので、今回は各レースでどんなクセが出ていたのかを解説します。これを覚えておくと、次走以降で美味しい馬券が当てられると思いますよ。
──その3レースで不利があった馬は、次走以降で人気を落として好走するかもしれないということですね。
双馬:はい。得意のローテーションやメンバー弱化になれば、巻き返す可能性は高いですね。
──では、ひとつずつ解説をお願いします。
【高松宮記念】
双馬:高松宮記念は極端に内有利、先行有利でした。なぜこうなったかと言うと、雨が降っていたのに意外とタイムが出る馬場だったからです。テン3Fが34秒9のドスローで1分8秒9の決着ですから、ジョッキーが馬場を気にしすぎた結果、内と先行の馬しか上位に来られなくなりました。
1着マッドクール、3着ビクターザウィナー、4着ウインカーネリアンは1~3番手でしたし、差した2着ナムラクレアも5着ロータスランドも内を突いて来ています。
──重馬場でバテるのを恐れてソロッと行きすぎたってことですね。
双馬:ジョッキーたちはもっとタフだと思っていたんですけど、GIレベルの馬にとってはそれほどタフじゃなかったんです。勝ったマッドクールは33秒7、2着のナムラクレアは33秒2で上がっていますからね。
最近はジョッキーが馬場とペースを意識するので、今回の高松宮記念のようにペースで決まってしまうレースが増えています。そうなるとGIらしい最高峰のハイレベル戦にはならないんですよ。でも、これも競馬ですからね。馬券を買う側はこれを当てないといけません。
──馬場傾向を読んで、ジョッキーがどう乗るかまで読まなきゃいけないんですね。
双馬:そこまでが予想ですね。最近は馬場の見た目が荒れている高速馬場というのがあって、そうするとジョッキーが抑えて行くのでスローペースになることが多いんです。
──ジョッキーの動きを読むという意味では、以前、開催の後半でジョッキーが必要以上に外を回すというパターンも教えていただきましたね。2022年の北九州記念で1枠1番のボンボヤージ(16番人気)を本命にして的中されたのもそうでしたよね。
双馬:ジョッキーが外有利を意識しすぎると内が有利になり、差し有利を意識しすぎると先行有利になるということですね。
──確かに、高松宮記念は戦前から外差し決着が多いレースだと騒がれていましたもんね。それもジョッキー心理に影響を与えたかもしれません。
双馬:ジョッキーがどう乗るかを当てるのは難しいですけど、今回の特殊な結果を踏まえて次走に活かすことは難しくありません。今回の例だと、外にいた8着ママコチャ、12着ウインマーベル、13着シュバルツカイザーあたりは完全に枠順で負けているので、その不利だけ覚えておけば次走以降で役立ちます。
【大阪杯】