プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「スプリンターズSの展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回はスプリンターズSの展望をお願いします。まず今年のポイントから教えてください。
双馬:今年もポイントは馬場ですよね。例年通りなら内が良いのは間違いないんですけど、今年はいつもより時計が速くて、上がりも出やすいという点でちょっと違います。良馬場なら1分6秒台前半までありそうです。ただ、週末は雨予報も出ているので、どういう馬場になるかで結果が大きく変わりそうです。
──高速馬場で雨が降るとどうなりますか?
双馬:今開催の中山ぐらい速い馬場だと、雨が降っても1分7秒台にはなりそうなので、「上がりは出ないけど時計が速い」ということが起こりえます。そうなると内前有利がより強くなります。
逆に、晴れて内がちょっと荒れているぐらいの方が外差しが利きます。パンパンの良馬場で上がり32秒台を使えるなら、後ろの馬にもチャンスが出てくるというイメージです。
──なるほど。それらを踏まえて有力馬の解説をお願いします。1番人気は重賞連勝中のサトノレーヴになりそうですね。
双馬:1200mは7戦6勝で、前走のキーンランドCも完勝ですから、能力上位なのは間違いありません。ただ、絶対的な存在ではないですし、馬場と枠によって信頼度が落ちる可能性があることは意識した方が良いでしょう。
父がロードカナロア、母父がサクラバクシンオーですから、基本的にはパンパンの良馬場で時計勝負になった方が向いていると思います。逆に、重・不良は良くないでしょう。1勝クラスは重馬場で勝っているんですけど、明らかに相手に恵まれていますよね。馬体が大きくて大跳びの馬なので、重馬場の方が強いということはまずないと思います。
ローテに関しては良くも悪くもありませんけど、前走は割と楽なペースを先行して押し切ったので、今回の方が相対的にツラいレースになると思います。それに耐えられるかどうかという問題はありますね。内が有利な馬場で外枠に入ったら危ないかもしれません。
──昨年の覇者、ママコチャはいかがでしょうか?
双馬:昨年のスプリンターズSを勝ってから、阪神C、高松宮記念と連敗しましたが、両方とも敗因がちゃんとあります。阪神Cは延長ローテとハイペースに巻き込まれた分の負けで、高松宮記念は重馬場と内有利馬場の外枠で良くない条件が重なりました。
前走のセントウルSは不利はありませんでしたが、明らかに仕上がっていませんでしたよね。普通に考えたら今回は叩いて良化しているでしょう。道悪でも内枠に入ればそれなりに走れるでしょうし、調子さえ上がっていれば、サトノレーヴより評価すべきだと思います。
──高松宮記念3着の香港馬、ビクターザウィナーは今回モレイラ騎手が乗ります。