プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「エリザベス女王杯の展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
双馬:今回はエリザベス女王杯の展望です。マスクトディーヴァが故障して、ブレイディヴェーグもマイルCSに向かうようですから、1番人気はレガレイラになりそうですね。
──3歳になってから好走できていないレガレイラの取捨が鍵を握ると思うんですが、双馬さんはどう見ていますか?
双馬:ローテーション的には2400m(ダービー)の後、2000m(ローズS)への短縮で負けて、今回2200mへの延長ローテになります。父スワーヴリチャード、母父ハービンジャー、祖母ランズエッジというのは、菊花賞を勝ったアーバンシックと同じですから、延長ローテの方が得意な血統です。レガレイラ自身もホープフルSを延長ローテで勝っていますから、今回のローテは完璧に近いですね。
──ローズSの負けは気にしなくていいですか?
双馬:ローテに加えて、展開も向きませんでしたからね。内先行有利の馬場で、速いペースでもないのに大逃げになったという不思議なレースでしたから、最後方から33秒1の脚を使っても届かないですよね。
──ダービーは延長ローテでしたけど5着でした。
双馬:前にも言ったように、ダービーは皐月賞上位組に反動が出ていました。レガレイラは皐月賞で初めて速いペースを経験して、そのなかで上がり最速の脚を使いましたから、ダービーではその反動が出たと思っています。今年の皐月賞はレベルが高いので、そこで6着だったレガレイラは今回のメンバーなら馬のランクが違うくらい能力差があります。
しかも、今回はペースが速くなることはなさそうです。逃げ馬はコンクシェルぐらいですからね。コンクシェルはハイペースで逃げる馬でもないですし、岩田望来騎手もハイペースで逃げるタイプじゃありません。ペースが緩めばレガレイラにとってはプラスになります。
──でも、スローペースになって前走みたいに届かないというパターンはありませんか?
双馬:今回は延長ローテですからね。延長ローテというのは前走でスピード対応している分、スローペースになったらマクっていきやすいんです。ルメール騎手なら道中で動いて中団に付けるかもしれません。そう考えると死角が特にないんです。
僕は断然人気でもしょうがないと思っているんですけど、近走の着順が6着、5着、5着ですから、そこでオッズが甘くなってくれないですかね(笑)。
──2番人気はどれになるか難しいですが、ホールネスが人気しそうなムードですね。