プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「有馬記念展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
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──いよいよ有馬記念です。
双馬:注目はやはり、ドウデュースが引退レースで勝てるかどうかですよね。
──天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念の3連勝には2億円の褒賞金がかかっていますからね。陣営も勝って終わりたいですよね。
双馬:天皇賞・秋もジャパンCも「展開不利」で勝っているので、ローテは悪くありません。ドウデュースはいつも言っているように、良馬場かどうかが取捨のポイントになります。良馬場なら死角は少ないと思いますし、道悪だったら一気に評価を下げた方が良い、これが基本スタンスでしょう。
ただ、展開が若干気になります。東京では展開不利でも何とか間に合いましたけど、中山芝2500mとなると間に合うかどうか分かりません。昨年もスターズオンアースが残り800mでラチにぶつかっていなかったら、スターズオンアースにやられていたでしょうからね。スターズオンアースぐらい能力がある馬に楽に行かれたら、ドウデュースでも差すのは簡単ではありません。
──ドウデュースはスローペースの方が強いという声もありますよね?
双馬:確かにスローの瞬発力勝負が向いていると言う人もいますけど、僕はそうは思っていません。馬体を見ても結構筋肉質ですし、そこまでキレ味勝負に向いているようには見えないんです。僕は天皇賞・秋もジャパンCも能力が違うから後ろから差してこれたと思っています。
──良馬場なら軸としては信頼できる。でも、展開次第で勝ち切れない可能性があるということですね。
双馬:そうですね。
──次は菊花賞馬アーバンシックです。
双馬:何度も言っているように、僕は今年の3歳牡馬は強いと思っています。その根拠は皐月賞のレベルが高かったから。決してダービーではありません。皐月賞が激戦だったから、皐月賞組がダービーで反動が出て、ダービーが凡戦になったという見方をしています。
アーバンシックは皐月賞4着でダービー11着ですけど、その後はセントライト記念、菊花賞と連勝しています。春の段階では中山のコーナリングも怪しかった馬が、セントライト記念では問題なく加速できていましたので、順調に成長しています。
問題は短縮でも延長でも走っていて、3000mと2500mどっちが良いか分からない点です。母父ハービンジャーなので延長向きかもしれませんし、ノーザンファームがチェルヴィニアのように短縮に対応できるように育成しているかもしれません。もし延長向きだとしても、ハイペースにならなければ短縮でも追走が速くならないので、走れそうな気がします。
──適性ははっきりしないけど、人気相応の評価はした方が良いということですね。
双馬:特に、雨が降ったらドウデュースが下がる分、アーバンシックの方が人気馬としての信頼度が高くなるんじゃないでしょうか。
──ファン投票2位のダノンデサイルはいかがでしょうか?
双馬:強い3歳世代ではありますが、先ほども言ったように僕はダービーの結果を信用していません。ラップを見ても凡戦と思える要素が多々あって、ダービー馬だからといって高評価はできません。エピファネイア産駒の短縮ローテも不安です。
馬場に関しては、母方が完全にアメリカンなので間違いなく良馬場の方が良いでしょう。新馬戦も稍重で負けているくらいですから、雨が降ったら軽視します。良馬場になったとしても、ローテの良いドウデュースに勝つ可能性は極めて低いので、今回は人気すればするほどありがたいですね。
──エリザベス女王杯で復活したスタニングローズも、ムーア騎手が乗るので人気しそうですね。
双馬:好材料は得意の延長ローテと展開が向きそうな点です。ただ、問題は能力的に足りてない可能性が高い。なので、ヒモには入れますけど上位評価はしません。
──ここからは穴候補を教えてください。
双馬:穴と言えるほどじゃないですけど、候補は4頭います。