プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「高松宮記念展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は高松宮記念の展望をお願いします。まずは、いつものようにレースのポイントから教えてください。
双馬:高松宮記念は毎年、馬場、枠、展開の影響が大きいというのがポイントですね。例えば昨年は内先行有利でした。重馬場だったのでジョッキーたちが馬場の良い外を通ろうとしたら、実は内がそれほど悪くなかったというパターンでした。
──過去5年すべて重~不良ですが、内先行有利も外差し有利もありますね。
双馬:2023年は不良馬場で差し有利、2022年は重馬場で差し有利、2021年は重馬場で外差し有利、2020年は重馬場でドスローの前残りでした。馬場や展開によっては好走不可能な枠も出てきますから、予想する際は内有利か外有利かを考えるべきです。と言っても、現時点では枠順はわからないので、有力馬がどういう条件に合うか解説していきます。
──週間天気予報を見ると週中に雨予報が出ていますから、貴重なお話になりそうですね。
双馬:今年のメンバーを見ると逃げそうな馬がペアポルックスぐらいしかいないので、ペースは落ち着きそうな気がしますけど、これも枠順の並びを見ないとわからないですね。ジョッキー心理でハイペースになることも十分あります。
──では、ナムラクレアから解説をお願いします。
双馬:前走の阪神Cからルメール騎手が乗って、大外一気で差し切りました。ただ、この阪神Cはスローペースの差し競馬という超特殊なレースだったんです。ナムラクレアは延長ローテなのでゆったり追走して、ルメール騎手が乗ったことを最大限活かしたような競馬で勝ちました。
──実に気持ちいい勝ち方でしたよね。
双馬:でも、1200mのGIに向かうには良くないんです。スローペースの1400mを経験した後に、1200mのGIに向かうとなると、どうしても位置取りが下がってしまいます。後方からの競馬になれば展開次第になりますから、前残りだと厳しいでしょうね。
──でも、昨年は1400m(京都牝馬S)からのローテで2着に来ていますよ。
双馬:はい、昨年もスローペースの1400mからのローテでしたけど、本番もスローペースだったので位置取りも10番手で済みましたし、内が恵まれるという幸運もありました。今年も展開か枠の助けがあれば上位に来れると思いますけど、それがなければ人気で飛ぶ可能性があります。