プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは馬券特化型の2歳戦診断(6月7日~6月15日分)」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今年も2歳戦診断の時期が来ました。毎年同様、新種牡馬の印象を交えながら解説をお願いしたいと思います。
双馬:例年だと社台グループがセレクトセールを意識して新種牡馬の産駒を優先的に出してくるんですけど、今年は開幕週から実績のある種牡馬の良い産駒がバンバン出ていましたよね。今年の新種牡馬で一番最初に勝たせたかったのはコントレイルだと思うんですけど、それが思ったより早く仕上がらなかったのが要因でしょう。
──コントレイル産駒は2週目にやっと2頭出てきて、どちらも5着でした。
双馬:コントレイルに気を遣う必要なく、完成度の高い馬を次々に出した結果、6月前半の新馬戦は軒並みレベルが高かったですね。
──なるほど。では、注目のレースをひとつずつ解説してください。
双馬:分かりました。「レベル判定の基準」と「レベル判定についての注意点」は以下の通りです。
【レベル判定の基準】
S:重賞級の馬が複数存在
A:重賞級の馬+オープン級の馬が存在
B+:オープン級+1勝クラスを勝てそうな馬が存在
B:1勝クラスを勝てそうな馬が複数存在
C+:Bに近いC
C:平均的なレベル。数頭は勝ち上がれる
C-:Dに近いC
D:低レベル、勝ち上がる馬少ない
E:低レベル、2着以下が勝ち上がる確率は低い
【レベル判定についての注意点】
・各ブロックの1勝クラスで勝てそうかどうかを基準に判定しているため、同じCでも、関東のCと関西のCでは、関西のCの方がレベルが高くなります
・芝1200m、芝1400mのCよりも芝1600m以上のCの方が概ねレベルが高くなります
・ダート替わりで期待できる馬は「スマート出馬表」でチェックしてください。双馬メモに「馬場」と書いてある馬が、ダート替わり、芝替わりで期待できる馬です
▼ピックアップレース(1)
6/7 阪神5R 2歳新馬 芝1600 良
勝ち馬:チュウワカーネギー
評価:B
双馬:関西の新馬戦にしては珍しくドスローになりました。それでもラスト3Fのラップが10.9-10.9-11.4ですから好内容と言って良いでしょう。2歳新馬で10秒台が2つ並ぶなんて、なかなか見られませんからね。新馬戦としてはトップレベルなので5着までは評価していいでしょう。
勝ったチュウワカーネギーはモーリス産駒ですから、今回のような瞬発力勝負よりは持続力勝負でさらに強くなるかもしれません。ただ、ノーザンファーム系のレイクヴィラファーム生産で、延長向きに育成されている可能性もあるので、ペースが上がったときにパフォーマンスを上げるか落とすかに注目したいですね。
チュウワカーネギーよりもインパクトがあったのが2着のアンドゥーリルです。2歳新馬で上がり32秒8なんてあまり見られませんからね。サートゥルナーリア産駒ですけど、母方にモンズンなど長距離血統も入っていて、クラシック路線を意識するならこちらでしょうね。
──3着ホワイトフレイムスは新種牡馬ポエティックフレアの産駒でした。
双馬:パドックでポエティックフレア産駒を何頭か見ましたけど、「素軽い」という印象を持ちました。自身が欧州のトップマイラーですし、主張が強すぎず母方のサンデーの良さを殺さないため、素軽い馬を出せているんだと思います。
良い種牡馬になりそうだと思ったんですが、受胎率が悪く、シンジケートが解散しているようなので残念ですね。タイプとしてはノーザンダンサーの塊なのでサトノクラウンに近そうです。
▼ピックアップレース(2)