プロ馬券師・双馬毅氏が実践例を交えながら馬券理論を解説する『双馬毅の“ローテ×血統”錬金術』。今回のテーマは「菊花賞展望」です。
なお、『競馬放送局』では双馬氏の推奨レース(予想)、特選リストを公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください!
──今回は菊花賞の展望です。いつものようにポイントからお願いします。
双馬:まずは神戸新聞杯組の取捨になると思います。
──神戸新聞杯組はエリキング、ショウヘイ、ジョバンニ、ライトトラックの4頭ですね。
双馬:菊花賞に繋がる内容ではありませんでしたから、人気になるなら期待値が低いということです。
──菊花賞に繋がらないというのは?
双馬:阪神芝2400mはハイペースになりにくく、直線だけの競馬になるんですよ。その後に菊花賞に行くと、下手したら菊花賞の方がペースが速いということが起こりうるんです。
──今年の神戸新聞杯の1000m通過は62秒6でした。
双馬:今年の菊花賞は先行馬が結構いますし、馬場も速いので、これよりペースが速くなる可能性が高いです。そうなると「追走が速くなって距離も延びる」という馬にとってはツラい状況になります。
──では、それを踏まえて人気馬の解説をお願いします。まずはエリキングです。
双馬:先ほど言ったように神戸新聞杯の1000m通過は62秒6。エリキングはそこからさらに1秒ぐらい遅く追走していますから、菊花賞がスローペースじゃなかったとき、エリキングは前走よりも速い追走を強いられます。
以前、エリキングはデインヒルっぽさが出ていると言ったと思うんですけど、それはスピード能力が高いということなんです。脚をためて上がり32秒3を使えるってスピード能力ですよね。でも、それは菊花賞で使う能力とは無縁のものなんです。
──じゃあ、エリキングは危険な人気馬だということですか?
双馬:このメンバーの中では明らかに能力が高いので危険とまで言い切ることはできませんけど、人気ほど信頼できないのは間違いありません。このメンバーだと2枚ぐらい抜けていて、ローテと適性で2枚落として3着に来るようなイメージでしょうか。能力で圧倒するまではいかないと思います。