先週は土曜に阪神でG2・デイリー杯2歳Sが行われました。結果は当欄で取り上げたオールパルフェが優勝。この馬のために阪神遠征を決めた大野拓弥騎手が前後4F47.3-45.9秒のスローペースに持ち込み、まんまと逃げ切り勝ち。鞍上の好プレーが光りましたが、掲示板に載った馬のうち1、3、4、5着が先行勢だったことを考えると、その価値については次走以降、改めて検証が必要になりそうです。
その点、敗れてなお評価を高めたのが2着ダノンタッチダウンでした。前出の通りの前残り戦を後方3番手から運ぶと、上がりは次位より0秒9も速い33.1秒の脚を使って猛追。勝ち馬と0.1秒差の2着まで押し上げたのです。半兄にダノンザキッドをもつ血統馬でもあり、今後も要チェックの1頭と言えるでしょう。
さて、今週は土曜(19日)に東京でG2・東京スポーツ杯2歳S(芝外1800m)が行われます。言わずと知れたJRA2歳重賞を代表する出世レースで、1996年(第1回のみ府中3歳Sの名称で施行)の創設以来、これまで14頭の勝ち馬がその後GIホースとなっています。近5年の勝ち馬名を見てもワグネリアン、コントレイル、ダノンザキッド、イクイノックスなど、そうそうたる顔ぶれ。個人的にも自分が所属する「東京スポーツ」を冠にもつ“社杯”だけに力が入ります。
今年の登録メンバーは11頭。関西からはデビュー戦で5馬身差の快勝をおさめた矢作芳人厩舎・フェイトが人気を集めそうですが、関東勢もなかなか粒が揃っています。
なかでも主役と目されているのがハーツコンチェルト。
▲武井亮厩舎のハーツコンチェルト
父ハーツクライ(母ナスノシベリウス)の牡馬で、中京芝2000mのデビュー戦では8馬身差の圧勝をおさめました。スローペースの影響で決着タイムは平凡でしたが、上がりは3F33秒9の切れ味。次位の馬が35秒5だっただけに、その決め手は際立っていました。
2022/11/15 (火)
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藤井真俊
東京スポーツ新聞社・レース部記者。昭和55年4月8日生まれ、埼玉県出身。美浦トレセンで毎週取材を続け、蛯名正義調教師や三浦皇成騎手のコラムを担当するほか、週末には予想コラム「ザ・飲ンフィクション」を連載中。「BSイレブン競馬中継」「ラジオ日本 土曜競馬実況中継」解説者。そのほか雑誌「Number」やキャロットクラブ会報、netkeibaなど各種媒体で執筆中。