11月26日(土)、全国で初めて馬券を販売せず、大型スクリーンで競馬観戦が楽しめる施設「VIESTA(ヴィエスタ)」が、仙台市青葉区にオープン。
オープン前日の25日(金)に行われたメディア内覧会に、当サロンで『コジトモの馬場よもやま話』を連載中の小島友実さんが取材に行ってきてくれました!
VIESTA(ヴィエスタ)があるのは杜の都・仙台。仙台駅からは徒歩8分、JR仙石線に乗り継ぎ、ひと駅目のあおば通駅から行けば徒歩2分くらいで着くという立地の良さ。
クリスロード商店街にあるイオンの目の前にあって、初めて行く私でも迷う暇もなくたどり着くことができました。
VIESTA(ヴィエスタ)。仙台市青葉区のクリスロード商店街にあります。施設は3つのエリアで構成。それぞれがどんな施設なのか、ご紹介していきましょう。
まず、施設に入って最初にあるスペースがフリーエリア。施設の案内や、馬の魅力を伝えるコンテンツの放映、馬のぬいぐるみ販売などを行っており、予約不要で誰でも気軽に立ち寄れるようになっています。
奥に進むと、広々としたリザーブエリアがあります。大迫力の大型スクリーン(縦2.7m、横9.8m)が2つ、そして歓声を間近に感じられる高性能スピーカーを完備。リアルな臨場感とともに、競馬が楽します。
なお、リザーブエリアは無料で利用できますが、事前予約が必要です。ちなみに、リザーブエリアは周囲を芝コースが囲むイメージでデザインされています。
右側にある大画面は曲面になっています。内覧会当日は天皇賞・秋のレース映像が放映されたのですが、まるで競馬場にいるかのようなライブ感を味わえました。
左側のスクリーンは平面。2分割となっていて右側がライブ中継、左側ではレースのAI予想の情報などが提供されます。
こちらはラウンジ。大迫力の大型スクリーンを目の前に、グループで競馬観戦が楽しめるBOX席を用意。タブレットやモバイルバッテリーも利用できます。この席は有料で事前予約が必要。BOX席は1000円の2名様用が2つ、2000円の4名様用が3つ。
先に紹介したリザーブエリアには専用の席がないため、確実に座りたい方はこのBOX席を予約した方が良いかもしれません。
個人的なオススメは畳席。日本人はやっぱり、畳よね。とても落ち着ける空間です。
ラウンジのBOX席はソファーも完備。
なお、VIESTAでは飲食の販売は行いませんが、アルコール以外なら持ち込みができます。施設は商店街のど真ん中にあり、近くにファーストフード店やスーパーもあるので、飲食に困ることはなさそうです。
また、20歳未満はフリーエリアのみに入場できます。そして平日(水曜日~金曜日)は全エリアをフリーエリアとして開放。平日は牧場風景や過去の名レース映像などを放映。VRの体験も楽しめます。
VIESTAはJRA初となる馬券を販売しない画期的な施設。設立の意図をJRA・プロモーション担当の清水靖博理事は以下のように話します。
『仙台地域にはこれまでJRAの施設はありませんでしたが、本施設の設置により、勝馬投票券の発売を伴わない、新しい形で競馬の魅力を発信していきたいと考えています。
競馬未経験の方や、興味があってもウインズのような施設に入りにくい方でも、気軽に立ち寄れる施設を目指しています。特に若い世代の皆様が快適に過ごしやすい環境を整えてまいります。
ほぼ等身大に近い大きさで映し出されるサラブレッドの迫力あるレースや、馬体の美しさを間近で体感していただきたいですね』
仙台は総人口が100万人を超えている中で20代、30代の人口が多いことが仙台に出店した大きな理由だそうです。
JRAによると、ウマ娘などのゲームの影響で、“競馬には参加していないが関心を持っている20~30代”が増えているとのこと。この層は過去のレースや名馬の関連情報を積極的に検索するという行動パターンが見られ、JRA総合企画部経営企画室の植田嘉奈子室長はこう話します。
『こうした背景も踏まえ、この企画を昨年から進めてきました。こちらではVRも用意していますから、馴染みのあるゲーム感覚で競馬を受け入れてもらえないかというチャレンジです。近年、ネット投票の若いファン層も増えてきていますし、競馬への窓口の一つとしてぜひ、若い方に来ていただきたいなと思います』
実際に行ってみて感じたのは、VIESTAは“競馬の認知度向上”を一番の目的にしているということです。だから、馬券の発売がないんです。従来のウインズなどとは一線を画した施設であると感じました。
リザーブエリア、ラウンジのBOX席は来館日当該週の月曜日17時から、VIESTAのホームページから予約できます。ちなみに、11月26日、27日の予約分は予約開始から2日内にすべて埋まってしまったそうです。
リザーブエリアに事前予約で入れる人数は60名(BOX席は計16名、リザーブエリア44名)とそう多くはないので、興味のある方は早めに予約した方が良さそうです。
詳しくはVIESTAのホームページをチェックして下さいね。(取材・文:小島友実)