プロ馬券師・みねた氏が実践例を交えながら予想理論の金言を伝える『馬券師・みねたの金言』。今回の金言は“コメントよりも実際にやっていることで判断せよ”です。
なお、『競馬放送局』ではみねた氏の厳選勝負レース、重賞予想を公開しております。今週末の予想にもぜひご期待ください。
▼今週の重賞ピックアップ
5月17日 東京11R ヴィクトリアマイル 芝1600m
ヴィクトリアマイルは東京芝1600mで施行。初角となる3コーナーまでは500m以上あり、先行争いにおける有利不利はありません。
登録20頭中、前走の通過順位に3番手以内があるのは4頭。先行馬占有率は低く、スムーズに追い上げられる外枠にアドバンテージがありそうです。
1番人気想定はエンブロイダリー。ここまで大きく崩れたのは2400mのオークスと海外だけ。桜花賞と秋華賞を制した実績を考えればこの人気は妥当でしょう。前哨戦の阪神牝馬Sを制し、早熟という不安も払拭しました。馬券内への好走確率は高そうです。ただ、フルゲートのG1戦なので、想定2.3倍で単勝では期待値が取れないか。
2番人気想定はカムニャック。エンブロイダリーが崩れたオークスを制したのがこの馬です。前走の阪神牝馬Sでは4番人気に甘んじたもののエンブロイダリーと0.0秒差。マイルへの対応力、そして能力の高さを証明した格好です。対エンブロイダリーという観点なら想定4.7倍は甘く映りますが、対17頭と考えれば甘いとはいえません。
3番人気想定はクイーンズウォーク。昨年のヴィクトリアマイルではアスコリピチェーノとタイム差なしの2着。前走の金鯱賞も5-5-6-6から3着ならば悪くありません。明け4歳勢に隠れているせいか、想定7.5倍は甘く映ります。
4番人気想定はチェルヴィニア。一昨年のオークス、秋華賞の勝ち馬で、鞍上にはレーン騎手を迎えています。7連敗中ですが、11-10-10-11から0.4秒差の中山記念は悲観するような内容ではありませんし、東京コース替わりもプラスでしょう。中距離指向が強く、マイルへの適性差を能力差でどこまで埋められるかが鍵ですが、想定14.5倍なら。
5番人気想定はジョスラン。昨年の秋華賞4着から小倉牝馬Sで重賞初制覇を飾っています。その秋華賞の通過順位が6-9-11-10、小倉牝馬Sが7-9-6-6と位置を下げてから巻き返す競馬で、ともに濃い内容。一線級の相手でパフォーマンスを上げてくる可能性は十分あります。キャリア6戦、そして初のマイル。未知の魅力に賭けるにはもう少しオッズが欲しい(想定14.8倍)ところですが、底知れぬ魅力を秘めた存在ではあります。
前走の福島牝馬Sで1番人気8着だったパラディレーヌ、2番人気3着だったココナッツブラウンは、それぞれ昨秋のエリザベス女王杯で2着と5着。実績的にはここでも足りていいので、人気を落とすなら狙い目になりそう。
中距離指向の馬が多いメンバーだけに、スピード溢れるマイラーの一発も警戒したいところ。外からの差しが決まった先週の結果を受けて舐められるようなアイサンサンの逃げは不気味ですし、秋華賞でエンブロイダリーと0.1秒差だったエリカエクスプレスの距離短縮も面白そうです。
なお、枠順確定後の最終結論および買い目は『競馬放送局』をご覧ください。
▼みねたの金言233
コメントよりも実際にやっていることで判断せよ
★ピックアップレース★
4月25日 福島7R 4歳以上1勝クラス 芝1200m良
◎6カーヌスティ
高○10バーケンティン
穴▲4トリプルバレル
△3キョラムン
☆12セイプリーズ
注1グランテレーズ
注11ミエノブラボー

―今週は4月25日の福島7Rを取り上げます。◎→注→注の決着で、単勝5.3倍、馬連14.6倍、馬単25.7倍、ワイド6.0倍&10.4倍、3連複38.4倍、そして3連単が184.3倍でした。驚くような配当ではありませんが、2着と3着は注で拾ったという印象ですが、◎がしっかり頭に突き抜けて3連単は万馬券です。
みねた)期待値のある◎を選べていたら、しっかり回収できるよという例ですね。3連単万馬券はもちろん良かったのですが、もし資金が潤沢でないのであれば、単勝の5.3倍だけ、あるいは馬連の14.6倍だけでも問題ありません。その辺りはご自身の競馬資金と相談しながら最適な券種を選んでいただければと思います。
―いずれにせよ、予想のキモは◎の期待に応えて勝利したカーヌスティにあると思うので、この馬を◎にできた思考についてお聞かせいただけますか? 今回はダートから芝替わりで、ちょっと狙いにくい印象もあったので。
みねた)理由は複数ありますが、芝1800mデビューというのが大きいですね。
―この馬のデビュー戦は2024年7月、札幌芝1800mで行われた2歳新馬戦。8頭立てで、1.2秒差の7着に敗れています。
みねた)キングスコールがレコード勝ちしたレースで、キングスコールは続くスプリングSを3着し、現在3勝クラス。2着のテリオスララは2歳時にリステッドの萩Sを勝ち現在はオープンクラスに在籍しています。3着のショウナンサムデイも現在3勝クラスですから、非常にレベルの高い一戦でした。ただ、強調したいのは個別のレースレベルの話ではありません。「新馬戦で芝1800mを使った」という事実そのものです。
―事実そのもの…?
みねた)日本のレース体系はダービーを中心に構築されており、生産界もダービーを勝つことを目指しています。したがって、必然的に馬のレベルは芝>ダートになるわけです。
―近年は中東のレースもありますし、地方のダート路線も整備されてきましたが、G1レースの数や種牡馬入りの可能性、その時の価値を考えたら、芝偏重になるのは仕方ないですよね。
みねた)レベルの高い芝でデビューさせるという時点で、陣営がその馬に対して一定以上の評価をしていることの証明になります。ましてや芝の中距離というのはクラシックを目指す馬が集まるので、よりレベルは高くなりやすいので、能力が足りないと思っていたら使う条件ではありません。
―なるほど。それが「新馬戦で芝1800mを使った」という事実が重い理由なんですね。
みねた)デビュー戦で芝を使っていた馬は、メンバーレベルが下がりやすいダート替わりの瞬間も狙い目になりますし、この馬のようにダートを挟んで再度芝に戻すタイミングもまた、狙い目になります。
―カーヌスティは新馬戦で7着に敗れた後、中山芝1600m、東京芝1600mの未勝利戦で6着、5着。そこで函館ダート1700mに矛先を向けたものの、ここでも結果が出ず4.2秒差の大敗。続く函館ダート1000mで4着に敗れたのち、地方に転出して2、1、1、1、1着で中央に再転入しています。再転入後は4、5、3着ときて、今回の芝替わりでした。
みねた)この馬の場合、距離の問題が大きかったように思います。ダートでも1700mでは大敗していて、地方の1000mで4連勝していますからね。
―この馬は、芝では1600mと1800mの経験しかありませんでした。
みねた)にもかかわらず、競馬新聞上では【芝:0-0-0-3】という表記になるので、短絡的に「芝はダメじゃん」と思われて、オッズが甘くなりやすいんですよ。まさに「着別度数の罠」です。
―確かに芝ダートでわけると【芝:0-0-0-3・ダ:4-1-1-4】になりますが、距離別でわけると【1400m以下:4-1-1-3・1500m以上:0-0-0-4】と、かなり見え方が変わってきます。
みねた)芝ダートの適性はともかく、距離は間違いなく短い方がいいのに、過去に「芝の短距離」という戦歴がなかったことが盲点になりました。
―ただ、この馬に関しては、そのままダートで続戦しても好勝負になりそうなのに芝を使ってきた意図がよくわからず、半信半疑だったファンも多かったのでは? 実際に陣営のコメントは「この機会に芝を試してみます。どう出るかはわかりませんが」でした。
みねた)もし「この機会に芝を試してみます。間違いなく芝の方が向いています」だったら、1番人気になっていたかもしれません。4番人気にとどまったのはこのコメントの影響もあると思うので、私として「弱気なコメントをしてくれてありがとう!」という気持ちですよ。
―陣営のコメントは気にしなくていい、と。
みねた)そうですね。コメントよりも、実際にやっていることを考えた方がいいでしょう。「芝の中距離でデビューさせるほど素質を買っていた」「ダートでも連続好走しているタイミングで、敢えて芝を使った」という事実から、芝適性を感じているのは明白ですからね。
―実はこのレース、対抗評価のバーケンティンもダートから芝替わりでした。芝替わり、ダート替わりというのは興味深いテーマなので、次回でさらに掘り下げていきたいと思います。
(次回に続く)
